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俺たちの学校

作者: 二星ネクスタ

ピピピピ ピピピピ


「ん、もう朝か……」


目覚まし時計の音で目が覚めた。

でも、馬鹿みたいに眠い。昨日夜中までテレビを見ていたせいだ。

早く寝ていればいいものを。


「しょうがない、起きるか~」


なぜだか俺は、毎朝こうして後悔をしている。不思議だ。

自分に原因があるのはハッキリと分かっているのに。


「あら蒼真、おはよう。朝ごはん出来てるわよ」


自己紹介が遅れたが、俺の名前は藤川蒼真。中学2年生。

いま台所に立っているのが、俺の母さんだ。


「おはよ、ご飯先に食べちゃっていいの?」


「私はもう食べちゃったから大丈夫よ」


「そっか、じゃあ俺も食べよ。いただきます!」


朝はやっ!と思いながらご飯を済ませた俺は、早めに家を出ることにした。



学校専用のスクールバッグを持って、俺は玄関へ向かった。


「それじゃ、行ってきまーす」


「いってらっしゃーい」


母さんの声が居間の方から聞こえたのとすぐ後に、俺は家を出た。



俺の通う学校は家から近い。歩いて5分の距離だ。

正直、通学路で面白いことなんて起こりやしない。野良猫なんかがいたら、それはもうラッキーな日となる。

こんなことを話しているうちに、あっさり校門についてしまった。


俺のクラスは2階の1番奥側で、行くのにも苦労する。

俺は下駄箱に靴を入れ、教室へ向かった。



ガラララ


教室のドアを開けて挨拶をするのと同時に、元気な声が飛び込んできた。


「あ、ふじさん! 来るの遅くね?」


「いやむしろ早い方だって!つーか、お前が早いんだよ……」


こいつの名前は塩塚。

とにかく明るく、騒がしく、うるさく、元気な奴だ。

でも太ってる。もともとそうだったけど、最近ますます増してきているような…?

ちなみに、俺の事を『ふじさん』呼ばわりするようになったのは、この男が最初だ。



「ふじさん、昨日のドラマ観た?」


「いや観てない。俺、あんまりドラマ興味ないんだよなぁ……」


「マジ? せっかく今流行ってる刑事モノなのに!?」


「いやまあ確かに流行ってるけどさ、お前も人の事言えないぜ? この前新しいドラマにハマったーとか言っておきながら2話が放送するまでに飽きてたじゃねぇか」


「まあ……あれはそこまで面白くなかったしなぁ」


「あれもかなり流行ってた刑事モノなのに?」


「いやそれは…でも今やってるのは面白いよ!」


こんな感じでたわいない会話を繰り返していると、誰かが教室に入ってきた。




「2人ともおはよー」


「おう、おはよ」


塩塚とは違いちゃんと挨拶をするこの男の名前は、羽生。

カードゲームオタクで、もっぱらショップに通っている。

最近の悩みは、スケートの人と将棋の人が出てきたおかげで、初対面の人に名字の読み方を100%聞かれることだという。


「あれ羽生、今日は卓球部の朝練なかったの?」


「あー、なんか今日は午後練だけみたい」


「そっかー」


自分で聞いておいてあっさり話を途切れさせる、塩塚特有の技発動!


「あーふじさん、明日遊ばない?」


羽生が誘ってきた。


「別にいいけど……どこ行くの?」


「彰吾と一緒にゲーセン」


「お、彰吾先輩と遊べるのか、久しぶりだな~」


彰吾先輩というのは2つ上の先輩で、先輩が高校生になってからはほとんど会えていなかったのだ。


「俺は2000円持ってくぜ! ふじさんは?」


「うーん……じゃあ俺もそれぐらいにしとくわ」



「ねえ、それって僕も遊びに行っていい?」


「ん? 別にいいよな羽生……っておわぁ!? トオル来てたの!?」


そう尋ねたのは塩塚、ではなく、同級生のトオルだった。


「あれ、ふじさん気づいてなかったの?」


塩塚が言うには、数分前から来ていたそうだが……まったく気づかなかった。


「トオルだったら彰吾も会いたがってたし、全然いいよ!」


改めて紹介しておくと、彼女の名前はトオル、隣のクラスの女の子だ。

一人称でわかる通り僕っ娘で、男子からの人気も高い。

でも1番思うのは、ステルス能力が高いところだ……スパイでもやってたのか?


「久しぶりにみんなで遊ぶことになるなぁ~、楽しみだな!」


「そうだね~、彰吾先輩カノジョできたかな?」


トオルよ、お前は気づいてないかもしれないけど、先輩はお前の事が好きなんだぞ!気づいてやれ!



クラスに人も増えてきたころ、羽生が言った。


「なんかさ……俺って、楽しく人生送れてるなって思ってさ」


「どうしたの? 急に」


トオルが言った。


「いやぁ、こうやって友達とワイワイやって、先輩ともたまに遊んで……なんか、幸せ過ぎるじゃん?」


「確かに、改めて考えてみるとそうだよな……恵まれてるっていうか」



そんな雰囲気の中、トオルが言った。


「でも、それは僕たちが楽しんで人生を生きてきたから生まれたものじゃん!」


その言葉に、俺はハッとした。そうだ、俺は毎日楽しんで生きてきたじゃないか、と。

毎朝後悔してても、何も変わらない。

自分のやりたいように生きればいいんだ、と。

俺は今まで自分が考えてきたことが馬鹿みたいに思えて、笑えてきた。



「……そうだよな!俺たちが生きてきたからこそ今があるんだよな!」


羽生が言った。


「楽しければ何とかなるって!」


塩塚が言った。


「これからも楽しんで生きようぜ、みんな!」


俺も言い放った。


「って!もう予鈴なってるじゃん!僕自分の教室帰らないと!じゃあね!」


この場面でのトオルの発した言葉に、俺たちは心底楽しんだ。


「それじゃ、そろそろ授業の準備しないとな!」


「そうだね!」



そんなこんなで始まる俺たちの学校の日常、今日も楽しく開校です!

初めて書いた作品なのですが、読んでくださってありがとうございます。

何か言いたいことなどありましたら、どうぞ言ってください!

新人なのでまだまだ未熟ですが、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日常系でほのぼのしてますね [気になる点] 登場人物いっぱい出しましたけど、登場しただけになっているような気がします。文字数から考えると物語に絡ませるのは不可能ですが [一言] 楽しんでこ…
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