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短編集  作者: 朝倉新五郎
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貴方

日常の出来事はこんなもんでしょう?

夕暮れ時には、いつも電話のベルが鳴る

「仕事が終ったよ!今からそっちに行くね!」


自宅兼事務所を出て行くのはタバコを買いに行く時だけの俺にそう言ってから

「女の子なんか連れ込んでないでしょうね!」

いつもの言葉だ


けど、それをいわれないと一日が回らなくなってきている事を俺は知っていた

「お前以外にこんな部屋見せられないだろ?」

常套句だな、と頭を掻きながら、それでもアイツが喜ぶからそう告げる


「そうね、あたしが居ないと何も出来ないアナタだものね」

そのとおりだ、自分のメシすら作れない男がこの世にあと一人でも居れば、少しは気が楽になるだろうか?

そう考えながら、一人の時間を持て余しつつ、画面に文字を打っていく


あと1時間もすれば玄関の扉を叩く音が聞こえるんだろう


「皆がしてるような事私がするわけないでしょ?」

いつかチャイムを鳴らさない君に、何故かとたずねた時の答えがそうだった


今ではそれが当り前になり、チャイムの音はただのうざったい雑音でしかなくなってしまった

俺の一日の始まり、それが君の来る時間になってる事を、一番の親友にすら言ってはいない

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