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短編集  作者: 朝倉新五郎
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忘れられないだけのこと

日常が幸せでも、つい考えてしまうようなこと

雨の日は何故だろう、あの人を思い出してしまう


窓の向こうで控えめに落ちてくる水滴の群れをぼんやりと見ながら俺は回想に入った

今日の彼女は仕事で遅くなるらしい、余った時間を無駄に過ごす事にしよう


「もう10年も経つのか、早いもんだな」


あの日もやっぱり雨が降っていた

電話の呼び鈴でたたき起こされ


不機嫌な声で眠りを邪魔した不届き者に「なんですか?」と呟いた深夜


「まあ、終った事だ」

なのにどうして記憶に残っているんだろう


答えが出ないとイライラするのは昔からの悪い癖だが、直しようが無いようだった


今の彼女にもはっきりと告げていた

「忘れられない女性が居るんだ」と


「あら、そう、そんな人私にも居るからおあいこね」


もちろんそんな事でやきもちを焼くような奴なら俺とは居られない事を知っているんだろう

どうも、思い出に浸り過ぎる傾向があるな・・・


いつかいわれた事があったっけ


「忘れられるって事は時に幸せな事なんだぜ」と


そうだな、だけど、忘れない幸せもあるんだよ、と声にすること無く思い続けている

その答えはもっと後になってから出てくるのだろう

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