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みえぬもの  作者: 星葡萄
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意識の離脱

うるさいっっっ!!



ついさっき飲み込んだ言葉が嗚咽と共にどうどうと吐き出される。苦しいんだ、つまるんだ、こころがパンクしそうだ。視界が回るチラチラとサイケデリックな幾何学模様が視線の内外で喚いている。形を追おうとすれば、もにょりと引き綴れたように視界の中心から逃れていく。あぁイライラする。それは昔から見えていたもので、ここ暫くになって無機質な壁や床、つまりまっさらな表面から浮き出して空中を舞うようになったんだ。それは、共感覚というものだ。わたしは今、それに悩まされていた。日常はたしかに色という色に溢れている。だけども!こんなにカオスじゃあそれぞれの色の良さが台無しだ!ドリンクバーでメロンソーダやコーラ、オレンジジュースをカクテルしてあんまりに不味そうなジュースを作る子供を彷彿とさせるこの光景。

猫の顔半分が千切れたもの、外国人の横顔、人形らしき黒い影、スプーン、プレゼントボックス、足の生えた赤と青のキノコのダンス、両腕に何本も腕輪をぐるぐる回しながらサーカスのごとく器用に歩き壁に消えていく人…などとありとあらゆる物が視界で舞っている。別段それらは攻撃してくることは無くとも、私を精神的に追い詰めた。



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