１８話 もっと殺したい
「さて、片付けて帰るぞ」
「もう終わり？」
「もっと殺したい」
「ヤバい事になっちまったな」
「あははっ、とんでもない姉妹ね」
「そういうミカは満足か」
「あんまり殺してないから少しね」
「またあれ着て歩いて帰るか」
「人攫い出ないかな」
「さあ、攫おうよ、人攫い」
「攫おうとしたら殺すんだろ」
「もちもち」
「ろんろん」
「よし、ならマガジンを交換しといてやろう」
「「やったね」」
治らないかも知れない。
まあこれぐらいのほうがマシかもな。
変に殺しに忌避があるよりは。
こんな世界だし、そう言う事にしておくか。
途中までは飛行して、街道を歩いて帰る。
オレとミカは離れて歩いている。
２人は平和そうに街道を歩く。
手にマシンガンを提げて・・
やがて馬車が通りかかり、寸前で止まる。
バラバラと降りて来たやつと対話して・・
ああ、始まったか。
本物だったらしい。
ありゃ全弾撃ち尽くしたな。
「終わったようだな」
「気持ち良かった」
「楽しかった」
「よし、そいつは終わりだ」
「「はーい」」
「さて、後はのんびり帰るぞ」
「「「あいあいさー」」」
のんびり帰ると言ってるだろ。
また来るのかよ。
今度は交易商人だよな、な、な。
違うのかよ、治安が悪いな。
全員？確かにこんな服だけどよ。
よし、ミカ、いっとくか・・
「ミカに任せる」
【ファイヤーウォーク】
「うおお、離れろぉぉ」
「「逃げろ、逃げろ」」
「花火、やる時は言えよな」
「ごめんごめん、ストレスかな」
「あーあ、馬も馬車も人もドロドロだ」
「やり過ぎたみたいね」
土壁を四方に作って更衣室。
中で着替えて普段着になる。
壁を消して街に戻る。
門で全員がライセンス。
そのまま家に戻れば、お帰りなさい。
あれ、長期休暇のはずなのに、全員居るぞ。
交代で遊びとかしてりゃ良かったのに。
警備も巡回しているし・・
なんか真面目だな、みなさん。
タタタタと軽快な足音が近付く。
飛び付いて来るのはダイチ。
寂しかったみたいだな。
今日は抱き枕にしてやろう。
ベッドで撫でてやると寝てしまう。
ミカ達も察したようで別の部屋で寝ている。
朝、目覚めるとしっかり抱き合ってました。
道理でふわふわすると思ったよ。
ダイチを抱えたまま買い物に行く。
すっかり甘えん坊になったようで・・
まるで赤ん坊のようにしている。
片手で抱いて色々買い込む。
貴金属専門店に入ろうとすると・・
奴隷は外って何の事だ。
「そいつ、奴隷だろ、外で待たせろ」
「うちの子に何を言いやがるか」
「ふん、奴隷は奴隷だ。その首の・・」
「チョーカーがどうした。解放奴隷だぞ」
「解放しても奴隷だったってのは消えないんだよ」
「ほお、王都民の養子でもか」
「んな、そ、そんなバカな」
「困りますね、お客さん」
「待ってくれ、違うんだ」
「失礼しました。最近、お客の質が・・」
「構わんさ、それよりリングが欲しい」
「はい、どのような品になりましょうか」
知らなかったけど、王都民って中民なのな。
貴族未満だけど平民以上とか。
だから店でも扱いが少し違うみたいだ。
王都民の養子、養女は平民資格になるとか。
それでも親が王都民だから普通の平民より上だ。
だからさっきのような事になるらしい。
ちなみに身分詐称は重罪なので、確認は要らない。
明らかな疑いで見つかれば、良くて百叩き、悪くて死罪だ。
仲間内での冗談なら軽く、それで騙すと死罪って感じか。
だから詐称する奴は普通はまず居ない。
刑罰が重いと犯罪が減るってのも真理かも知れない。
交通違反で死刑とか、窃盗で死刑とか。
そうしたら犯罪も減りそうだけど、真っ先になりそうだな。
けど、１３段は良いが、空中浮遊でどうなるのかねぇ。
足元の板が消えても落ちない死刑囚とか、クククッ。
「お待たせしました」
「ほお、中々だな、いくらだ」
「はい、１０本セットで白金貨５枚です」
「よし、それにしよう」
「ありがとうございます」
ミスリルリング１０本セットを購入。
リングの内側にテラファミリアと刻印。
すぐやれるそうで、座って待つ。
魔法発動体にも使えない事もない。
少し導く感じらしい。
本格的なのはもっと高価らしいけど。
これはファミリーの証にするつもりだ。
もっとも、ミカは左手の薬指だろうけど。
本当は右手の人差し指が良いんだが。
家に帰ってリングを配る。
案の定、左手に着けようとする。
なので、そこに付けたらそれで終わりだ。
本格的なのは要らないとみなすと。
それで右手の人差し指になりました。
つまり、やっぱり欲しいのか。
皆の指に合わせてリングを調整。
輪ゴムのイメージでリングが伸び縮み。
サイズ合わせて装着と。
