12話 奥さんがいっぱいだ
家が出来るまでに雇う必要のある者達がいる。
まずは冒険者ギルドで聞いてみる。
警備向きの元冒険者の情報である。
先月、廃業したばかりの元上級か。
2人だけど確保出来そうな感じだ。
面談の日取りを決め、その日に面談。
年棒最低額は金貨80枚らしい。
それで部下を何人雇うつもりだ。
1パーティとか赤字にならんのかよ。
魔物が怖い奴らが居るらしいな。
対人は良いのかよ、良く判らんな。
2人は白金貨2枚で快諾した。
次はメイドだけど、これも元冒険者とか。
怪我して戦えなくなった冒険者とか。
やはり魔物が怖い冒険者とか。
盗賊の殺しがどうしてもやれないとか。
料理の才能に目覚めたとか、これいいな。
今、フリーな元冒険者は8人いるとか。
全員雇用決定だ。
さあ、面談だ。
希望年棒が金貨20枚だった。
200万円相当って安すぎだろ。
白金貨1枚で大喜びしている。
真面目に勤めてくれれば良いさ。
そんなこんなしていると家完成。
仮住まいだけど、宿から引っ越す。
警備とメイドに連絡しておいた。
そのうち来るだろう。
「なんか凄いお屋敷みたいだけど」
「また人が増えたら困るからな」
「増やす予定あるの?」
「こいつらの集落の奴ら、他にも居そうだろ」
「奥さんがいっぱいだ」
「集落に連れて行くんだよ」
「あははっ、ごめんごめん」
「お前らもそうして良いんだぞ」
「次の奥さん」
「次の次の奥さん」
「まだ言うのかよ」
「あははっ、良いじゃない」
「やれやれ・・」
定住になったからにはアレをしないとな。
このままずるずると言うのも良くないし。
けどな、姉妹はまだ早すぎるだろ。
どうすっかな・・
馴染みの商会で聞くと、早くないって・・
マジですか、ロリコンですか。
5才とかも居るとか。
それは確実にアウトだろ。
貴族や富豪じゃないので手続きだけだ。
役所で手続きをして、結婚税を払って完了。
人頭税が割引になるんだそうだ。
2人で1.5人分の人頭税になるからお得だと。
結婚奨励政策かな。
それだけ人死が多いのかも知れん。
更に側室と言うか、メカケと言うか。
それも人頭税の割引対象になるとか。
0.5人として計算されるらしく、追加で2人だ。
なので世帯主としての人頭税は2.5人分になる。
平民が年間金貨10枚、王都民が5枚らしいな。
払えないと奴隷落ちなので、奴隷が多いはずだ。
土地の税金もあるらしく、全て纏めて白金貨5枚。
なんだかんだと金を持って行くのはアッチと変わらんな。
まあ、地代は10年前払いでの価格らしいけど。
初年度だから高いんで、来年からは少ないか。
んで、10年後にまた今回と同じ額を払うってか。
こりゃガンガン稼がないとやっていけんな。
屋敷もあらかた完成し、メイド達に教育を頼む。
ミカの読み書き、姉妹の読み書き計算だ。
警備はそれぞれに冒険者パーティと契約する。
元上級って事で、馴染みが多いらしい。
1人は専属、もう1人は複数交換方式。
不備が無ければ特に何も言わんよ。
本当は3交代にしたいが人材が居ない。
2人で警備スケジュールを決めさせた。
特に重要人物って訳じゃないと説明。
気楽に勤めてくれれば良いからと。
貴族かと思われていたらしい。
「フレート盗賊団ってマジかよ」
「ああ、遭遇したぞ」
「よく逃げられたな」
「何かあるのか」
「オレ達は元々6人だった」
「上級パーティか」
「他の奴らと組んで討伐さ」
「失敗したと」
「3組のペアでやってて」
「1ペアが死んだんだな」
「大体、指揮が先に逃げやがって」
「とばっちりか」
「全員で廃業して結婚したさ」
「収入が途絶えて結婚かよ」
「割引人頭税もあるしな」
「ああ、それでか」
てことは、あのライセンスは・・
えっと、あれは、確か・・
お、こいつか、よしよし。
これを渡してやろうかね。
渡す為には殲滅を言う必要があるか。
まあいいか、他言無用で。
「ああ、それでな、これなんだが」
「こ・・こいつは・・何処で見つけた」
「盗賊のアジトの中だ」
「ま、まさか、お前・・が?」
「ああ、殲滅したぞ」
「とんでもねぇな。警備要らないだろ」
「オレはな。奥さんは別だ」
「そうか、それでか」
「昇給もそのうちな」
「おいおい、今ですら破格だぞ」
「辞められては敵わん」
「誰が辞めるかよ、こんな好待遇」
「気楽で良いが、油断は禁止だ」
「判ってるさ。心配するな」
(ありがとよ、オレはあんたに忠誠を誓う)
さてと、屋敷の片隅の小さな店。
セイユウ商会の始まりだ。
本名からもじった名前だけどな。
あ、まだ教えてなかったか。
もう奥さんなのに、クククッ。
「え、相良さんって偽名だったの?」
「ブログに本名とか冗談だろ」
「でも、本名ってのも多いよ」
「裏社会で本名とか、あり得ないだろ」
「そういやそうか。ツアーはヤバいもんね」
「殆ど誘拐の世界だぞ」
「あはは、そうでした」




