83 難しい世の中さ
好きなものを好きって語ることと、嫌いなものは嫌いって語れること。どちらの行動に走っても、受け入れられない他者はいるんだから、それならどっちでもいいから「ヤッホー!」な気分で、「バカヤロー」なノリで、山でも海でもここでも叫んじまえば勝ちだと思う。
いや、勝ち負けの話でもないんだろう。
昔の話を思い出したのさ…
ゲームも好き、漫画も好き、ラノベはあんまり読んではいなかったが、ある日バイト先で異性のお仲間を見付けた。(彼にラノベという読み物があることを教えられた)
あれは好きか? あれはもうやったか? あれはいいよね。今度あれ買ってみる。なんて、二人で盛り上がって、貸し借りしたり。
でも、周りから付けられたコンビ名は『オタク仲間』。
もっとひねらんかい! て思ったけど、本人からしてみたら何の変鉄もない『趣味仲間』じゃ。私たちを見て、小馬鹿にしてくる連中の気がしれない。何故にクスクス笑う? どちらかというと、私にしたら相方のように語れる愛が足りなくて恥じているというのに。どんな趣味かで人に笑われる覚えはない。
けど、「その趣味はわからん」て一応自分の意見を言っていたんだよね、彼らは……
難しいよね。
しかし、その中でも苦しいのは、どちらの気持ちも吐き出せないこと。
だから、私はあの日、『オタク仲間』と語れて楽しかった。
今は、他者を拒絶するようになってしまったが、不思議と寂しさを感じないのは、ま、気分だからしょうのないことで、好きなこと嫌いなことを好き勝手書いているのが楽しいからである。そして――
語り合える仲間は、いますか?
と、〆てみる。




