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81 終わらない旅...

 例えば、旅に出る。目的は…魔王退治、ドラゴン退治、あらゆる敵という存在を倒しにいく旅だとして、正直私にはあんまりわくわく感はない。

 例えば、それがゲームだとして、RPGだとして、正直私はストーリーにトキメキを感じない。レベル上げというのが好きだから。ストーリーを進めるより、大陸を端から端まで舐めるように歩いたり、大陸を縁取るように歩いたり、極力乗り物は使わず歩いたりして、今日も明日も明後日も敵を倒していたいのだ。

 まずはMPがなくなるまで歩き、次は…というか仲間が全員倒れるまでひたすらに戦い、ヘロヘロになって宿で休み。またMPがなくなるまで、そして得られるアイテムが99個になるまで回復アイテムは絶対使わず、仲間が倒れても気にせず、歩き続けて宿で眠る。

 そして、あらかたアイテムを手に入れたら、今度は貧弱な主人公たちを一人残らず目標値のレベルまで上げて―― その成果を味わうためにまた歩く。

 来る日も来る日も歩かされる主人公たち。目標金額まで金を集めさせられ、眠る日々。ストーリーはまだ序盤なのに、経過時間だけはやたらと進み、大抵の敵を初期の武器でも一発で倒せるくらいなって初めて、物足りなさを感じて次へと行く。


 だから、ちょっと思ったんだよ。

 詰まるのは、ストーリー以外のレベル上げetc.が好きだからかもしれない… と。


 ひたすら敵を倒すのが好き。


 ストーリーを進めたら… ボスを倒してしまったら… 大好きなレベル上げが出来なくなる。

 そんな物語を書いているわけじゃないけれど、進めば楽しみが減るという気持ちが強く、弱いときのレベル上げほど愉快なことはない。


 致命的かもしれない、と頭を抱えた朝。小説を書くのに、向かない気がする私。それが例え趣味でも……


〇追記


パーティが独りだけになったら、街の回りをぐるぐる歩いて、あと一発食らったら死んじゃうまでやるのも楽しい。敵が早いか己が早いか… あたる敵にもよるし、数にもよるし、うまいこと自分が勝ったら、宿で寝る前に街で凱旋パレードする。セリフは変わらんのにね。

でも、それが好き。


あと、次の街までそんな状態で無事辿り着けるか、とか。

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