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61 小話『いざ参らん!』~異世界トリップもまた夢である~

 扉を開けたらそこは異世界だった―― なんて、ずっとずぅっと叶わぬ妄想をしてきて、それが現実に起こったら、ドアノブから手を離せなかった。

 それは何故? て思うでしょ。

 でも、「いつかいつの日か」て待っていたんだから冷静になるものよ。


 私は、じっくりと目の前の光景を観察した。

 まず、これが『突然』か『召喚』か――


 なるほど… 召喚のようだ。


 噂に名高いコスプレ金髪碧眼イケメン野郎共がこちらを囲むように立ち並び、足元には光る何語かで書かれた円陣がある。ふむ、『巫女』か『神子』か『勇者』か『花嫁』か、はたまた『間違い』――


 ん? ちょっと待てよ、と。

 自分以外にも円陣の中に人がいる。金髪やら赤髪やら青髪やら同じ黒もいるが、全員女。


 ふむ、嫁か?


 と、思ったけれど…… 私はあるところに釘付けになった。自分の登場で振り向いた女たち。その誰もが持つそれ。どうだとばかりに主張するそれらを見て、私は慌てて手を突き出した。


「ちょ、ちょっと待って! 待ってて! すぐだからっ!」


 扉が閉まらないように履いていたスリッパをストッパーにして、急いで自分の部屋へと戻る。

 そして、引き出しを開け、目的のものを引っ張り出し、次から次へと詰めれるだけ詰めて寄せて完璧な装着。よし、これなら負けない!


 そうして私はバタバタと階段を降りて、スリッパを外し、「お待たせしました」と扉を閉めた。


 皆の視線が一瞬でそこへ集まったけど、気にしない。これで対等になったんだ。怖くない! もし、これがダメだったとしても、これで『成り上がって』やるわ!



****


 で、力尽きました。

 皆さん、よく異世界トリップ書けるな~て思った。こちらからアチラへ行く、その役目を考えるのが難しいし、人と違うトリップを書きたいと思っても、その違う部分が思いつかない。その続きが……つか、ムーンでやれるかな? でも、一番致命的なのは、自分が真面目に書いてて痛いと思ってしまった内容だ。


 異世界よりも、異世界トリップの方が壁が高ぇと思った今日この頃でした。


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