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15 こさじ、まだ考える

 女主人公は戦で飯を食っている――

 彼女は何故そんな生活をしているのか? 代々続く家業を受け継いだのか? それとも偶然必然的になってしまったのか?


 代々続いている家業で考えると、暗殺者か武士の二択しか私は思い浮かばない。何だか窮屈である。それなら偶然必然的な場合ならば……


 うん。


 私には憧れがある。というか乗ってみたいものがある。


 突然、なんだ! と思われるだろう。主人公の仕事で詰まっただけだ。問題ない。


 ファンタジーものを書く上で、現代にするか異世界にするか悩んでいたのでこの状況で決めてしまえば主人公の仕事も決まるはずだ。


 ということで、私は竜に乗ってみたい! なんだ所詮そんなもんかと馬鹿にされているかもしれないが、ただの竜でない。『ただの』竜だ。


 ただの竜でなくて『ただの』竜とは何だと聞かれたら、逆に聞きたい「竜とは何ですか?」と。

 まずデカイんだろ? 鱗だろ? ブレス吐くか? 馬鹿力もあるだろうし、頭が良くて見目がよろしく寿命が長いのだろう。万年なかなか見つからない番を探しまくって見つかると人の姿でたぶらかし、長寿のせいで子には恵まれない。人が嫌いだと言いながらツンデレ発動で人とは仲良し。ずんぐりむっくりしているのもいれば、スマートなやつもいるし、長にょろもいると。


 でも、その要素は今はお呼びじゃない。


 ついでに言えば、チートもいらん。竜にしても主人公にしてもね。チートものは読むの好きだが、自分はどちらかといえば主人公には地べたを這いずり回って、悶々とした日々とささいな幸せと苦難を乗り越えて真っ正面からぶつかってぶつかってへし折られて、そして納得しながら散って欲しい。


 ……ここで、バットエンドが決まってしまった…


 ま、まあ、いいでしょうバットエンドでも、ここまで来たらこの際主人公は乗った竜に食われてしまえばいいんです。


 じゃあ、主人公が竜に食われるにはどうしたらいいのか? 竜にとって人間には色々と旨味があるんでしょう、例えば魔力。人間の持つ魔力が竜にとってはそりゃあ美味だとしら―― 竜に乗る女のこと、魔法で腹ぶち破って出てきそうだわ…

 ならば、魔力を持っているけど人間は魔法を使えない―― 竜の天下っすね。人間絶滅か、魔力を持って生まれてくる人間の存在価値がわからない。餌か?


 餌でしかない人間。長い年月の末、「私らだって生きているんだー!赤信号、みんなで渡れば恐くない!」と竜に歯向かい、いずれ勝ってしまいそう…主人公が食われてくれなくなる。


 けど、『竜は人間狙ってる』これはいいかもしれない。そして、『餌にされたくない人間が取り引きをする』―― 「我が国が戦に勝ったあかつきには、敗けた国の人間を食わせてやろう。いつか世界を統一出来たなら、餌となる人間を差し出そう『生け贄セイサク』を行うことを約束する。だから手を貸しやがれ」なんて。


 すると、竜に知性がなけりゃ始まらない。うーん…

  

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