猫 後編 ★
私が中学一年の夏、私たち一家は東京から横浜へ引っ越しました。
引っ越す何年か前に二匹の雄猫たちはいなくなってしまいました。というわけで、横浜にやって来たのは三匹の雌猫たち。でもこの子たちも私が大人になるころには亡くなってしまいました。
そして私も大人になり、今度こそ自分でちゃんと面倒をみると言って猫を飼い始めました。
掌に載るくらい小さな一ヶ月半の子を貰い、思いきり溺愛しました。ただこの子はあまり体が強くなくて、十歳になる前に死んでしまったのですが。
生後1ヶ月半
すっかり大人になりました
もう猫は飼わない! と決心して一年以上たったある日。
「限定解除したからMT車の運転練習したいんだけど、確かMT車持ってたよね? 貸すついでに私の練習にもつきあってよ」
と、友達に頼まれ愛車を出し、助手席で友達の運転をドキドキしながら見守っていました。そんな彼女も少しずつ操作に慣れてきて、次は車の走ってる道を走りたいと言いだしました。どこへ行きたいかと聞くと近所のペットショップに行きたいと言うので、そのままそこへ向かったのですが……。
運命の出会い。
そう、出会ってしまったんです。一年以上前に死んだ子とそっくりなその子に(顔は似てないけど、毛色が似てたんです)。しかも売れ残っているらしく、既に六カ月を過ぎ半額以下で叩き売りされていました。
もう即決でしたね。愛猫にそっくりな子が叩き売りされてる状態ですよ。その場で買いましたよ。だって、耐えられます? 私には無理でした。狭いケージの中にうずくまっているその子をそのまま置いていくなんて出来ませんでした。夏のボーナスつぎ込みました。
その子はノルウェージャンフォレストキャットという大型の猫でした。六か月のぎりぎり子猫の状態で既にその辺の大人の猫と同じ大きさ。そしてのびのび育った結果、現在7キロです。重いです。
そしてその半年後、友達から頼まれもう一匹飼うことになります。この子は黒トラの男の子。警戒心が強く、人間が大嫌い。さわれるようになるまで二年かかりました。でもウェジーとの仲は良好で、よく求愛する姿を見かけましたね。ただウェジーも男の子だったので、たまに困ったような顔で私に助けを求めていました。リアルBLです。
この子は元野良で子供の頃の栄養状態があまり良くなかったのか、結局あまり長生きはしてくれませんでした。段々懐いてきてくれるのが可愛かったのですが。
ウェジーと一緒(思いきり顔隠してるけど……)
そして最後に我が家に来たのは茶トラの女の子。弟が飼えなくなったので引き取りました。この子は家族限定で甘えん坊ですね。他人が来るとあっという間に逃げます。今も我が家でのんびり暮らしています。
猫たちのことは語り始めると止まらなくなってしまうので、このお話はこのへんで。