夢
ちょっとBL風味
たいしたことはないと思いますが……
たまに夢を見る。
空を飛ぶ夢、自分が殺される夢、朝の支度をしている夢、寝坊して遅刻する夢、昔住んでいた家に帰る夢……
まあ、いろいろ見ます。楽しいのから怖いのまで、頻繁に見るわけではないですが見ます。
そんな私の夢劇場、ごくまれにドラマチックな回がきます。
これはおそらく、十八だか十九くらいの頃に見た夢――
灰色の崩れた壁や柱は瑞々しい緑の蔦に彩られ、部屋の中央に聳え立つ巨木はその枝で崩れた天井を優しく覆う。しっとりとした静寂の中、木漏れ日だけがころころと跳ねていた。
そこは墓所――。
朽ち果てた、おそらくはもう誰も訪れることのない忘れられた場所。そんな苔むした石の列の中、それはいた。
黒衣に身を包み、何かを隠すようにうずくまる華奢な男。墓石の前で独り、ふわりとした柔らかそうな金の髪を揺らす。……時折、幽かな嗚咽をもらしながら。
そこへもう一人、背の高い男がやってきた。こちらもやはりその身を黒一色で包み込んではいたが、墓の前でうずくまる男とは対照的な雰囲気だった。
黒く短い髪に筋肉質な身体、纏う雰囲気は硬質なもので、真一文字に結ばれた唇はぴくりとも動かない。
部屋に入ってきた黒髪の男に気づいた金髪の男はびくりと肩を揺らすと、恐る恐るといった様子で振り返った。涙にぬれた大きな青い瞳が黒い男をとらえた瞬間、それはぐにゃりと絶望に歪む。
「見ないでください! どうか僕のこんな姿、あなただけは見ないで!」
そう叫ぶ金髪の男が手に持っていたのはかつて人間だったもの、その残骸……
男は屍鬼。人の肉を貪り食う、人の姿をした人ならざる者。そして黒髪の男は、そんな屍鬼たちを狩る側の人間だった。
人の世界で二人は出会い、金髪の男は黒髪の男に恋をした。けれど黒髪の男の隣にはすでにかわいらしい恋人がいて、だから金髪の男は恋人ではなく親友として彼の隣に立った。
金髪の男は屍鬼であることを隠し、恋しい男の隣を手に入れた。たとえ自らが望む気持ちが得られないとしても、隣にいられるだけで幸せだった。
穏やかで幸せな学生時代を過ごした三人。けれど偽りから始まったシャボン玉のような世界はある日突然はじけた。金髪の男の食事を黒髪の男に見られるという、最悪の出来事によって……
っていう、なんかおもいきりBLな物語だったんですけど……
いや、私BLは範囲外なんだけどなぁ……なんでこんな夢見たんだろう? 当時の友達の影響だろうか?
ちなみに黒髪の男の恋人は金髪のかわいらしい女性でした。あと黒髪の男の使う武器は鞭みたいな金属の鎖で服装は黒のトレンチコートとスーツでした。物語の舞台はファンタジーと現代の中間みたいな? なんかいろいろごちゃまぜなかんじでした。
続きが見たくて、二度寝してここまで見ました(笑)




