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キーグマ

 

 『キーグマ』って知ってますか?

 黄色くて丸っこくてふわふわした刺さない蜂。正確にはコマルハナバチという蜂で、それの雄のみをそう呼んでいたようです。地域によって通称は様々のようですが、私たちの地域ではそれをキーグマと呼んでいました。

 初夏になると白くて小さい花の咲く木の周りにたくさん集まってきて、子供のハンティング対象とされていた気の毒な虫です。特に男の子が夢中でした。


 私も弟や同級生の男の子たちとよく狩っていました。虫取り網と虫かご持って、町中のポイントを駆け回ったものです。リアル「ひと狩りいこうぜ」です。

 でも、その花の木に集まるのはキーグマだけではありません。通称クマンバチ(本当はコマルハナバチの雌)や蝶、そして稀にやってくるアシナガバチなどの大きな蜂。


 だから間違えたんです。うっかり一度、明らかに刺す系の蜂を捕まえてしまったことがありました。

 その瞬間、まわりの子供たちは一斉に公園から逃げ出して、私はたった一人残されました。みんな、なんて素早く的確な状況判断。泣きそうでしたよ、私。

 その後必死に虫取り網を8の字に振り、最後は蜂ごと網を投げ出し逃げました。蜂の目が回るかどうか定かではないですが、その時の私はとにかく必死でした。

 しばらくして恐る恐る公園へ行くと、何も入っていない虫取り網が転がっていてほっとしました。それにしても、あの時は犠牲者出なくて本当に良かったです。あと蜂にも悪いことをしました。ごめんよ、あの時の蜂。


 何度か飼おうとしたんですけど次の日には死んでしまうので、やがてキャッチアンドリリースに切り替えました。そりゃそうですよね、巣もないのに飼えるわけないです。


 ところでキーグマ狩りって、もしかして東京ローカルな遊びだったんでしょうか? 横浜の友達にキーグマって言っても全然通じませんでした。



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