夏の思い出2
あれは高校2年の時――
葉山に住んでいる子に誘われて海へ行った時です。
普段引きこもりぎみな生活をしていたくせに、ちょっと調子に乗ってはしゃいでいました。どれくらい調子に乗っていたかというと、真夏の海で日焼け止めを塗らないで遊ぶくらいには浮かれていました。
で、当然焼けました。小麦色ではなく真っ赤に。もはや日焼けではなく火傷です。ちなみに誘ってくれた子は全然平気でした。普段から焼いているからでしょうか。
でも、私の普段は引きこもりです。お絵かきと読書とゲームしかやっていません。しかもクラスで一番白くて細い、まさにもやしっ子でしたから。
そんな海で浮かれまくったテンションですが、翌日にはどん底に落ちました。
ええ、火傷のダメージと帰りの冷房効きすぎのバスのお陰で、見事風邪を引いたのです。火傷のせいで寝ると痛いし、風邪のせいで起きているのは辛いしでまさに地獄。
まあでも2、3日寝てれば治るだろうと高を括っていたのですが、これが1週間経っても治らない。ずっと38度以上の熱が続いていて、もうすぐ学校始まるしまずいかな? とやっと病院に行ったときには……
「インフルエンザA型とB型、あとマイコプラズマ肺炎です」
診断日8月30日。
9月中旬まで学校行けなくなりました。夏休みが半月伸びました。まったく嬉しくなかったですけど。
療養中、何回か友達がお見舞いに来てくれました。
「さあ、対戦だ!」
ぷよぷよをやりに。
ええ、それだけのために。
38度の病人にコントローラーを渡し、気がすむまで遊んで、私の熱を39度に上げて帰っていきました。鬼畜です。
そんなこんなで半月自宅で療養し、やっと学校に行ったときには、私は何かの病気で手術したことになっていました。しかも……
「大丈夫? なんか肌が黄土色だよ。もしかして黄疸?」
とか言われました。
黄疸じゃなくて日焼けだ! 小麦色目指した成の果てだ‼
この日を境に、私はもう二度と肌を焼かないことを誓いました。




