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泥団子
小さい頃、私は泥団子を作るのが好きでした。
というより、流行ってた気がします。幼稚園児の嗜みみたいな感じでした。
いかに硬いものを作れるか、いかに見た目のよいものを作れるか、毎日試行錯誤していた幼き日々。
いい感じの黒土を掘り起こし、水を加え、土を固める。そして仕上げは砂で磨きあげる、というのが私の作り方でした。
他の子達がどうやって作っていたのかは忘れてしまいましたが、泥団子職人たちにはそれぞれの作り方があったようです。
完成した泥団子の中でもつやつやで硬いのは「鉄団子」と呼ばれて一目おかれていました。上手く作る子の鉄団子は、落としたくらいじゃ割れません。よく自慢気に目の前で落とされたなぁ……。
そんなかつての職人たちの技、次代へと継承されたのでしょうか?
まあ、途絶えたところで困らない技なんですけど。
だいたい何日か経つと、乾燥して割れちゃうんですけどね。




