遊具
私が通っていた幼稚園は、結構ワイルドなところでした。
まず、制服がない。いえ、本当はあるにはあるんですけど、年に数回程度しか着なかったので……。しかもスモックだけでしたし、それも紺色の男女共通の地味なやつ。
そんな我が園でまず最初に言われたのは、「汚れてもいい服で来てください」でした。
そう、うちの幼稚園は外遊びメインでしたので、綺麗な服を着てくるとあっという間に汚れます。だからうちの園だけ小汚い格好の子が多かった気がします。特に男の子は。
で、その外遊びの中でも一番の人気を誇っていたのが、“ターザン”と呼ばれていた遊具でした。
園庭の真ん中にそびえ立つ大木の枝から垂らされた一本のロープ。それを持ったら少し後ろにさがります。そして下の部分に作ってあるこぶに一気に飛び乗れば、あとは勢いに任せるだけ。要はワイルドなブランコです。
当時はまだ色々おおらかだったので、そんな危ない遊具も普通にありました。でも不思議と怪我する子はほとんどいなかったんですよね。私も精々が擦り傷くらいしか作ったことないですし。
でも、たぶん今はもうないでしょうね。
私が大好きだった近所の公園の丸いブランコも、乗ってぐるぐると回す遊具も、色々なものが危ないという理由で撤去されていきました。公園から遊具がなくなる度に出来るスペースを見ては、何度もやるせない気持ちになったものです。
この前、うしおととらのジャングルジムが取り壊されたというエピソードを見てて、なんとなくそんなことを思いだしました。