トラウマ
小さい頃、衝撃を受けたアニメがあります。
AKIRA
そう、日本のアニメーションを世界に知らしめた、あの名作です。
小さい頃の私はアニメが好きでした。いや、今も好きですけどね。
まあ、とりあえずそれはおいといて。
昔は今と違って、朝から夜まで結構な数のアニメが放映されていたような気がします。特に夕方からゴールデンタイムは、私にとってはアニメの時間でした。
ただ、再放送も多かったんですけどね。朝からガンダムとかやってて、学校行く前によく見てましたもん。あとは年末年始、春休み、夏休みなんかの長期休暇の時なんかも色々放送されていました。
あれは春休みだったか夏休みだったか……はっきりは思い出せないんですけど、寒くない時季の昼間でした。テレビをつけると、ちょうどアニメが始まるところ。ラッキーと思い、私はそのまま視聴体勢に入りました。
荒廃した近未来の世界を駆け抜けるバイク、アウトローな主人公、老人のようなしわくちゃな子供たち。そしてその子供の声がアニメ声じゃない、本当の子供の声だったのにもびっくり。それは今までに私が見たことのなかったアニメでした。
そして物語はクライマックスへ――
そう、全国の少年少女にトラウマを植えつけた、あのシーンへ。
鉄雄の暴走。
あの場面、最初に見た時は本当に怖くて気持ち悪くて、とても最後まで直視できませんでした。ぼこぼこと醜く膨れあがる体は周囲のあらゆるものを取り込み、肉も機械も何もかもが混ざり合う。
もう泣きそうでした。当時の私はスプラッター映画を笑いながら見られるような子供だったんですけど、これはなんていうか、もう生理的に無理というか……とにかくものすごい衝撃を受けました。
ナウシカ以来の衝撃でした。……いや、まったく別物の衝撃でしたけど。
確かにトラウマ植えつけられましたけど、「AKIRA」好きです。
大人になって漫画も全巻揃えました。
ただあのシーンを見るたび、あの頃の気持ちを思い出しちゃうだけで……
でも本当に好きなんですよ。今はあの気持ち悪さも含めて好きです。