幽霊 ☆
本当にあった、ちょっとだけ怖い話
心霊体験。
ってしたことあります? 私はないです。したくもないです。超チキンですから。お化け屋敷はホーンテッドマンションまでしか入れません。
そんな見えない聞こえない関わらない私ですが、その生活は高校に入った頃に終わりました。いえ、見えるようになったわけじゃないです。友達が見える人だったんです。
おかげで怖楽しい高校生活を送らせてもらいました。
あれは高校に入ってすぐの頃、よく晴れた日でした。
午前中の授業が終わり、待ちに待ったランチタイム。私はお弁当を持って友達の机へ行きました。そこには既に二人集まっていて、何やら楽しそうに話しています。
「何か楽しいことでもあった?」
すると二人はにこにこと笑いながら、
「あー、今の授業中ね、金縛りにあったんだー」
と宣いました。
そして二人は笑いながら、
「私もー。あれでしょ、ピンクの服着た男の子だったでしょ?」
「うんうん、私も足掴まれたー」
きゃっきゃと語らう二人。
聞くんじゃなかったと思った時には後の祭り。やめてよ、私は見えないけど怖いんだよ! この教室、何がいるの!?
さらに別の日。
その日は友達のYちゃんの家に遊びに行くことになりました。Yちゃん、Kちゃん、私、Cちゃんの四人で歩いていました。
そしてトンネルの中に入ってしばらくすると、突然YちゃんとKちゃんがものすごい勢いで走りだしました。なんだかよくわかりませんが、私とCちゃんも後を追います。トンネルを抜けるとYちゃんとKちゃんが息をきらしながら笑っていました。私とCちゃんは意味がわかりません。
「なんでいきなり走り出したの?」
「いやぁ……、だって、ねぇ?」
「うん。だって、ねぇ」
「いや、だから何?」
YちゃんとKちゃんは苦笑いしながら、「見えなかった?」と聞いてきます。私とCちゃんはやっぱりなんのことかわかりません。
「今ね、トンネルの壁からこうぶわってね、いっぱい手が出てきたんだー」
聞くんじゃなかったぁぁぁぁ!!
だって私たち、このトンネルもう一度通らないと帰れないんですけど! もうやだー!!
そしてYちゃんの家に着いた私たち。玄関上がるといきなり「あ、気をつけてね」と言われました。
「階段の下に男の人いるから。何をするわけじゃないんだけど、家にいる中でその人が一番怖いんだよね」
ちょっと待て。その階段上がらないと、あなたの部屋に行けないんですけど。気をつけろって、どうすればいいんだよ。私はひたすら壁際に寄って、はりつくようにその階段を昇るはめに。
以後、Yちゃんの家へ行くと、いつも階段が気になって仕方ありませんでした。
他にも色々あるんですけど、今回はこのへんで。
皆さんは何か心霊体験したことってありますか?
私は実際には体験したくはないけど、話を聞くのは好きなんです。
あれです、ジェットコースターのスリルみたいな感じですね。