森の主の僕
誤字指摘お待ちしております。
訂正:ブラックウルフのステータスにレベルの項目を追加。11/21
side森の主
草影の中に身を隠し森の主は、カミトとスライムの戦闘を見ていた。
『何だあの魔法は……我の知らないオリジナル魔法なのだろうが、それにしても強過ぎる。あの魔獣は、スライムと言っても、あれは上位種。一撃で倒せるのは、魔族か竜族位、あやつはどう見ても人族としか思えん……いや、それとも魔族のオリジナル魔法【変化】か?しかし、その程度の魔法なら我が見破れない筈がない。一体何者だ?』
そんな事を考えている間に、カミトが移動し始める。
『移動し始めたか……とりあえず我が僕を向かわせてみるか。まだ、正直あの力は信じられん。もしあの力が本物なら、我が本気で戦わなければならない訳だ。送る僕は、強者にしておこう……』
そう考えた森の主は、自分が信頼する者の一人?を送った。
sideカミト
「……」
カミトは、倒したスライムの残骸を見ていた。スライムは破裂して、ただの液体状の物になっていた。
『倒せたは良いが……食べ物にはならなかったな。まあいい、とりあえず異世界での初討伐成功だ。しかし、スライム一匹を倒すのに焦るとは……予想はしていたが、やはりこの世界のレベルは高いかも知れないな。スライムと言えば雑魚キャラ、そんな奴に焦った俺って……』
カミトは何気に落ち込んだ。しかし、まだカミトは気づいていない。自分の力の強さに……
カミトは、しばらくすると、気持ちを切り替え次の獲物を探しに歩き出す。もちろん気配は、隠密で消している。
『さて、次はスライムではなく食べられる物がいいな。あとできれば武器も欲しい。さっきは遠距離戦だったから良かったが、毎回遠距離戦とは限らないしな。はっきり言って近距離戦になったら、勝てないだろう。せめて武器さえあれば、前世の力で何とかなるだろう。まぁ武器を作るのは、後回しだが。』
そんな事を考えていると、体長1.5m位の黒いウルフのような魔獣が歩いているのを見つける。
『あいつなら焼いて食べられそうだな。よし、狩るか……』
カミトは、隠していた気配を解放する。すると、すぐに黒いウルフのような魔獣はカミトに気づく。
『気づいたか……よし、まずは見切りからだ。』
「見切り」
ブラックウルフLv20
魔法 闇
称号 群の抜け物
「は?」
カミトは、ステータスの高さに驚く。
『……自己分析しよう。まず種類はブラックウルフ。そして称号は【群の抜け物】この称号が出るのは、たぶん俺【見切り】のレベルが上がったからだろう。これは、そこまで気にする必要はない。問題は……魔法適性が闇と言う事。早くも2頭目からオリジナルか、これはかなり鬼畜だな。とりあえず様子見だな。どんな攻撃が来るかわからない以上、無闇には攻撃できないからな。』
そんな事を考えてる内にブラックウルフは、魔力を溜めていた。そして……ブラックウルフは、魔力を解放し、魔法を使う。
「ガルル……ウオーン」
まるで犬ような声でブラックウルフが鳴くと同時に、ブラックウルフの体に黒い霧のような物が纏わり付く。
『あれは……身体強化か。あの鳴き声でこの魔法か……どうでもいいが、あって無いな。』
カミトはそんな事を考えながら自分も身体強化をする。
「身体強化・影」
カミトにも、ブラックウルフと同じ黒い霧のような物が纏わり付く。一見、見ただけではわからないが、近くで見ると、カミトよりブラックウルフの方が黒いように見える。
そして、バトルが開始させる。……まず最初に動きたのは、ブラックウルフ。身体強化で、上がった身体をもろに使い、カミトに向かって飛びかかる。
そのスピードは、スライムとは比べ物にならない程速い。しかしカミトには効かない。飛びかかるタイミングとともに、横に回避する。
『速いな、はっきり言って今のは、身体強化してなかったら終わっていたな。でも、おかげでどの程度の速さを持っているかは、わかった。後は、反撃あるのみだ!』
カミトは、素早くそう考え。
「影弾・斬」
カミトは魔法を使う。すると、カミトの目の前に、影弾が現れブラックウルフに向かってまっすぐ飛んで行く。
そして……
ブラックウルフは、バーン。影弾に当たり飛ばされる。そして、木当たると同時に……シュパシュパ。なんと、体が裂けるように斬れた。
「よし、」
本日2度目の「よし」がカミトの口から溢れる。そしてカミトは、ブラックウルフの骸に近づいて行く。そのまま、ブラックウルフの骸に触れようとした。その時……
「マテ」
確かにその声は、聞こえた。ブラックウルフの骸の後ろにある。その木の上から……
「……誰だ。」
カミトは、静かに問いかける。すると……黒く大きい影が、上から現れた。
タイトルは森の主の僕でしたが……ブラックウルフを討伐しただけで終わってしまいました、すみません。
補足設定 カミトは魔法名や、スキル名を唱えなくても、魔法及びスキルを使えます。 【影弾・斬】は、【影弾】のイメージと対象物を斬るイメージを合わせた魔法です。