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幼馴染2・叡智くん
あみ先生は私に提案することを決めていたかのように
いきなり言ってきた
「ねぇ、ひなちゃん、新しいお友達ほしくない?」
「お友達?」
「そう、ひなちゃんと一緒で英語が大好きな子なのよ」
この幼稚園では年中から英語教育が行われる
と言っても英語でリズムをとって踊ったり、歌ったりと楽しく学ぶものだ
年長組の授業風景をみたことがある
この前、家族でシンガポールに行った
お兄ちゃんが流暢に英語を使いこなしている姿をみて
ひなは喋れないのに喋りたくなった
喋ってもおかしくない環境づくりをしようと
英語の絵本があるか
このあみ先生に聞いたんだった
「ふーん」
反応が薄いことに焦ったのか
あみ先生は私を隣の教室に連れて行った
「ほら、あの子よ」
そう言ったあみ先生の指さす先をみた
一目惚れ
というのは
これか
と思うほど
彼から目が離せなくなった
「先生。あの子だぁれ?」
「叡智くんよ」
「・・・叡智くん」
みつけた
喋らせたい