幼馴染3・みきちゃん2
「鈴野ひな!」
部活に向かう途中でみきちゃんに呼び止められた
「・・・ちょっと、いい?」
「あっ、うん」
無言で背を向けるみきちゃんの後ろをついて行き、教室棟とは別棟の理科室に移動した
理科室に入るとみきちゃんは窓際に背を向けて言った
「鈴野ひな、今からの質問にすべて正直に答えて」
無表情のみきちゃんは私の知る彼女じゃない
「あんたに兄はいる?」
「うん」
「仲はいい?」
「うん」
「うそ言うな!」
突然、怒鳴るみきちゃん
自分でも反省したのか、深く深呼吸するとこう言った
「今から私が言うことに1つでも間違えがあったら言って。」
みきちゃんは私の表情の変化を見逃すまいとじっと見つめて早口で言い出した
「鈴野ひな。七澤玲と幼馴染。彼のことが好き。それが原因で小学校の頃いじめられ、中学に上がってからは嫌われ者になる。兄とは仲良くない。なぜなら、血が繋がっていないから。兄はあんたのことを嫌っていて大学卒業と同時に家を出る。両親には愛されていたが、年の離れた弟が生まれたことをきっかけに嫌われ、妬んだあんたは弟を事故と見せかけて殺してしまう。ヒロインに助けてもらったことでヒロインに感謝するけど、七澤玲を取られたことでヒロインをいじめるようになる」
あっけにとられた
彼女は何を言っているの?
「どう!?どれも本当のことでしょ!そうだって言いなさいよ!」
言い終えた彼女は私に詰め寄った
「・・・お兄ちゃんとは仲いいよ。半分しか血が繋がってないけど。弟はいないよ。ヒロイン?誰のことなの?どうしてお兄ちゃんと血が繋がって」
「半分!?一滴も繋がってない!あんたの兄の母親はあんたの父親に嘘ついて産んだんだよ!」
わけがわからない、何を言ってるの?彼女は・・・
私が考えこんでいる間に彼女はさっきまでの強気の物言いがどこへやら、随分狼狽した様子で独り言のように話しだした
「そうよね、そんなことあるわけないか、ここが乙女ゲームの世界だなんて・・・じゃあ私は誰なわけ?こんな、こんなモブに憑依でも、転生でもしたって言うの!?」
私は
転生
という言葉に驚いた
彼女は
彼女も
転生したのだ
みきちゃんの精神に憑依して
転生を果たした
書きたいことを詰め込みしすぎてしまいました・・・