お兄ちゃんの親友・涼くん2
中学生になった涼くんと遊ぶことが減ってしまった
それでも会えば
全力でかまってくれる
スイミングスクールの帰り道
お兄ちゃんと手をつないで歩いていたが
前から歩いてくる2人組の1人が涼くんだとわかると走りだした
「涼くん!」
「ひな!」
涼くんは地面に膝をつき腕を広げて、飛び込んできた私を抱きしめた
「相変わらずひなはかわいいなぁ」
私を抱いたまま、涼くんは立ち上がった
「おい」
ゆっくりと歩いてきたお兄ちゃんも涼くんのもとにきた
「慎もだっこかぁ~?」
「ばかか」
涼くんは中学生にして170cmと高い
それに対してお兄ちゃんは160cmのため、よく涼くんにからかうネタにされる
「こら、ひな。急に走ったら危ない」
「おい、慎。歩行者の、それも横道もなかったんだし、人も車もいなかったんだ。別に叱らなくてもいいだろ」
「よくない。今、言っておかないと本当に危ないときも走る」
「ひなはそんなことしないって」
しない、が、今回は私が悪い
「ごめんなさい」
涼くんの腕の中から、(お兄ちゃんを見下ろしているが)謝る
「・・・いい子だ」
お兄ちゃんに頭をなでられ恥ずかしいのを誤魔化すように、涼くんの肩に顔をうずめる
・・・肩越しに、涼くんと一緒にいた女の子と目が合った