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拾う


玲くんと口喧嘩で勝てる子はいなかった

しかし

入園後半年が経った頃


子どもとは残酷なもので簡単に毒を吐く


「玲くん、きらーい。もう玲くんと遊ばない!行こー」

さっきまで仲良く縄跳びで遊んでいた子たちが1人の言葉をきっかけに走り出していく

「・・・」



彼はまた孤独になった


玲くんは自分から他の子たちの輪に入っていけるようになっていた

相変わらず

「仲間に入れて」や「貸して」が言えない玲くんだが

「こっちのがかっこいい」などと言って

遊んでいる子たちが作った砂のお城やブロック遊びに手を加えることで

自然と仲間に加わっていた



外遊びの時間は叡智くんと遊ぶ

叡智くんと仲良くなってから2週間ほど経つと


あみ先生に

「お外で遊んでおいで」

と追い出されるようになった



叡智くんと地面に落書きをしながら遊んでいた私は


1人、残された玲くんの姿をみつけた


私の視線の先を叡智くんもみた


「ひな、あれ、だれだ」

「玲くんだよ。ひなと同じ組なの」

「・・・」


ぐいっ

叡智くんは私の手を握ると

「今は俺の時間だ」

と言って室内に引っ張っていった


嫉妬してくれたのかな、と思いつつ

振り返って

玲くんをみる



1人になったのなら


私のものにしてもいいよね




「・・・」


このとき

玲くんの存在を知った叡智くんが

勘違いしたことを


彼女が転校してくるまで気付かなかった




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