はじまり
誰でもいいから愛してほしい
私だけを愛してほしい
ちょっとヤンデるほど私のことを愛してほしい
私だけの王子様がほしい
ただそれだけ
死んだ記憶はない
でも
生まれ変わった記憶はある
「ひなちゃん、お兄ちゃんを迎えにいこうね」
「うん、ひなね、お兄ちゃんと絵本読む約束してるんだよ」
「ふふ、楽しみね」
新しい母親はいい人だ
前妻の産んだ長男と後妻である自分が産んだ私を分け隔てなく愛そうと努力している
・・・前世とは違う
前世の私は誰にも愛されていなかった
天涯孤独とかではなく、普通に両親がいて、姉がいて、普通に愛されていたとは思う
でも、それだけじゃ我慢できなかった
そんな退屈な毎日を送っていた20歳の私
・・・そこまでは覚えている
でも死んだ記憶はない
「ひな、お迎えありがとう」
にっこりと笑う彼は兄の慎
7歳も離れているから
親の愛情を盗られて悔しいとか妬ましい
そんなこと言わずに
いいお兄ちゃんをしてくれている
「ううん、ひな、お兄ちゃん大好きだもん」
スイミングスクールに通う兄のお迎えには必ずついて行く
まだ小さいから通わせてもえないけど
もう少し大きくなったら
私もこのスイミングスクールに通う予定
「おっ、ひなじゃん。今日もおつかれー」
いつもクラスの中心にいそうな元気な男の子
お兄ちゃんの親友
そして
彼を今世の初恋にする
フラグはたくさん建てておかないとね
夏休み中に完成させる予定です。
ありがとうございました。