嵯峨野'14.2.12-3
小倉池の小道をまっすぐに行くと小倉山の麓、
秋の紅葉で有名な常寂光寺に突き当たります。
そこを右手にたらたらを下るとすぐに視界が開けて
一畝ほどの稲田。今は水もなく稲株が広がっています。
落柿舎から去来の墓を経て木漏れ日杉木立の中を
二尊院の大きな馬止めの角を左に曲がると
祇王寺への石畳に出ます。道幅は狭まり心持上り坂。
小倉山裾が間近に迫り右手鳥居本の山すそも迫ってきます。
さらに道幅は狭まり坂がきつくなります。
この先行き着くところ、そこが化野です。
平安の人々は死人をここに運びました。当時火葬は稀です。
風葬の死体捨て場、両山裾の迫りくる奥の岩壁。烏が群れ
ています。今はトンネルがあって清滝へとすぐに抜けられますが
いまでも切り立つ急こう配の峠岩壁がトンネルわきから登れます。
あだしのはまさに平安人の死体捨て場だったのです。
この入り口にあたるちょっとした平らかなところに
八体の地蔵があります。ちょうど寂庵さんの上手あたりです。
今は駐車場になってますが。この辺りまで荷車や
肩に担いで死人は運ばれ、家族との最後の別れを
ここでしたと思われます。
源氏の庵はまさにこの辺り、寂庵さんの下手あたり
にあったのではないでしょうか。