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Nコン!  作者: mofmof
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第20コーラス目「混沌!」その1

 「Nコン!」第20話です。


 煌輝真湖きらめき まこは、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹が果たせなかった、合唱部でNコンの全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。様々な障害がありつつも、幼なじみの合歓乃や先輩達の協力もあり、再び合唱部を創ることができた。

 いよいよ全国を目指すための第一歩として、全国大会常連校である札幌の新栄中学を見学し、衝撃を受けた西光中学合唱部の面々。そして、真湖は例の3人組に出会い意識を失った。混沌としてきた合唱部だが...。


 合唱部に賭ける、青春ドラマです!


<主な登場人物>

煌輝真湖きらめき まこ:本編の主人公

中学1年生。従兄弟のお兄さん(煌輝翔平)に憧れて合唱部員を目指して中学に入学する。好奇心旺盛。黒髪長髪ポニーテール。


合歓乃愛琉ねむ のえる

真湖の親友。真湖と一緒に合唱部に入部。


紺野灯こんの あかり

真湖の幼馴染み。長髪黒髪の美人。真湖と一緒に合唱部に入部。


剣藤阿修羅けんどう あしゅら

真湖の幼馴染みで家が隣同士。野球部。


塩利己翔えんりこ しょう

真湖のクラスメート。札幌から引っ越してきた。イタリア人とのハーフ。母子家庭。真湖と一緒に合唱部に入部。


雅洋平みやび ようへい

合唱部顧問。西光中用務員。


現瞳空うつつみく

中学3年生。廃部前の合唱部にいたことがある。真湖に合唱部創部を諦めさせようとしたが、逆に創部に力を貸すことに。合唱部部長に就任。


栗木蒼斗くりき ひろと

現と同じく元合唱部。現瞳空と付き合っている。合唱部副部長。


神宮知毅じんぐう ともき

キザな3年生。去年もNコン参加。合唱部に入部。


如月友夏きさらぎ ともか

外園諒子ほかぞの りょうこ

保家寿ほや さとし

射原 悠斗・悠耶いはら ゆうと・ゆうや

中学2年生の合唱部員。


小林一馬こばやし かずま

美馬義人みま よしと

同じく新歓で入部を決める。真湖たちのクラスメート。


吉祥寺きっしょうじ さくら

御前崎愛おまえざき まな

同じく新歓で入部を決める。特別支援学級。


小島洋子こじま ようこ

佐々木緑ささき みどり

伊藤玲いとう れい

中島次郎なかじま じろう

田中猛たかな たけし

中学1年生の合唱部員。新歓で入部を決める。


英美佐恵はなぶさ みさえ

1年3組、真湖の担任。国語教師。


「昼休みに呼んで悪いな」

 札幌遠征の翌日、雅は音楽室に現れたうつつと栗木にそう言って謝った。

「いえ、お弁当なんで、どこで食べても一緒ですし」

「ですね」

 栗木も頷いた。

「できれば、放課後みんなが揃う前に色々相談したくて」

「わたしもです」

 現と栗木は隣同士、向かいにみやびがお弁当を広げた。

「実際のとこ、難儀だな……一番の悩みは部員のことなんだけど」

「あ、やっぱりそうですか」

「ですよね」

 現も栗木もなんとなくは想像していた。

「特に、御前崎さんがね」

まなちゃんですね……」

 愛は入部以来、一言も口を聞いたことがない。毎日のように練習には来るのだが、櫻に寄り添うだけで歌うどころか全く口を開くことさえしなかった。人数合わせのために入部を許可したのは現だ。責任の一端は自分にあるはよく分かっている。

「いずれは本人にはっきり言わなきゃダメだと思うんだ。メンバーに歌わない子がいると審査員の心証は一発アウトだしね。部員だけど、コンクールだけ出さないってわけにもいかないしな」

「ですよね」

「部員でも、コンクールだけ出ないってわけには?」

 栗木が疑問を投げかける。

「愛ちゃんいないと、櫻さんが歌わなくなるんだもの」

「そっか、あの二人セットだったか」

「吉祥寺さんは、戦力だからな」

 雅もそれに頷く。

「セットなんだったら、いずれ二人とも外すか、歌わない人を入れるかの選択肢しかないってことになるな」

「どこでその決断するかが問題ね。部長の私が決めなきゃならないでしょうね」

「特別支援学級だからって、邪険にするつもりもないし、逆に、それを理由に特別扱いはしたくないなっては思ってる。最近のNコンだと、車椅子の子たちも出場するようになったり、バリアフリーが浸透してきているから、本人たちが本気で歌いたいって思うなら、出場させてやりたい。っていうのが、僕の本音かな」

「分かりました」

 現は何かを決心しているような顔つきで頷いた。栗木もそれに倣った。


「あと、自由曲はどうする?」

「先生、何かアイディアありますか?」

「ところで、今の3年生と2年生のレパートリーってどれくらいあるんだい?」

「正直あんまりないですね」

 雅が指を曲げながら、

「全員で歌えるのは、去年の課題曲「願いごとの持ち腐れ」と、自由曲が「きみ歌えよ」、あと、校内コンクールでの定番で、「手紙」「YELL」「虹」くらいかなぁ。3年だけなら、あと数曲くらいは」

「そっか。じゃあ、自由曲選ぶのも、一からってことだな。じゃあ、今からガチガチに決めるのじゃなく、いくつか練習しながら、みんなの声質とか考えて決めていこうか」

 雅はメモを取りつつ、

「じゃあ、まずは部員に希望を聞こう。一人最低一曲。多分好きな曲に偏るだろうけど、興味のない曲を歌うのも興ざめだしな。その中から、現くんが10曲を選んでくれないか。そうしたら、僕がそこから3曲に絞るから。それをまず練習しよう」

「わかりました」

 現は頷いた。

「但し、誰がどの曲を推したかは伏せておいてくれ。できるだけバイアスは入れたくないから」

「バイアスですか?」

「そう、日本語で言うと、偏見。かな。誰かが決めた曲みたいな風にはしたくないからね」

「そうですね。誰かが贔屓にみられるのもイヤですよね」

 現がそう言って、理解を示した。

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