第17コーラス目「逢引!」その1
「Nコン!」第17話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹が果たせなかった、合唱部でNコンの全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、なんとか新入部員も集まり、顧問も決まった。
ようやく、夢への第一歩を踏み出した真湖であった。
皆様の感想などお待ちしております!
<主な登場人物>
煌輝真湖:本編の主人公
中学1年生。従兄弟のお兄さん(煌輝翔平)に憧れて合唱部員を目指して中学に入学する。好奇心旺盛。黒髪長髪ポニーテール。
合歓乃愛琉
真湖の親友。真湖と一緒に合唱部に入部。
紺上灯
真湖の幼馴染み。長髪黒髪の美人。真湖と一緒に合唱部に入部。
剣藤阿修羅
真湖の幼馴染みで家が隣同士。野球部。
塩利己翔
真湖のクラスメート。札幌から引っ越してきた。イタリア人とのハーフ。母子家庭。真湖と一緒に合唱部に入部。
雅洋平
合唱部顧問。西光中用務員。
現瞳空
中学3年生。廃部前の合唱部にいたことがある。真湖に合唱部創部を諦めさせようとしたが、逆に創部に力を貸すことに。合唱部部長に就任。
栗花落蒼斗
現と同じく元合唱部。現瞳空と付き合っている。合唱部副部長。
神宮知毅
キザな3年生。去年もNコン参加。合唱部に入部。
如月友夏
外園諒子
保家寿
射原 悠斗・悠耶
中学2年生の合唱部員。
小林一馬
美馬義人
同じく新歓で入部を決める。真湖たちのクラスメート。
吉祥寺 櫻
御前崎愛
同じく新歓で入部を決める。特別支援学級。
小島洋子
佐々木緑
伊藤玲
中島次郎
田中猛
中学1年生の合唱部員。新歓で入部を決める。
英美佐恵
1年3組、真湖の担任。国語教師。
日曜日。真湖たちは、午前9時半石見沢発札幌行きの区間快速「いしかりライナー」に乗っていた。真湖の隣には翔、向かいには乃愛琉と神宮先輩。
神宮先輩との約束通りのダブルデートである。
ところが、隣のボックスには、雅、現、栗花落と何故か真湖たちの担任である英かっこ独身28歳かっこっとじがいた。
何故こういうことになったかというと、話は金曜日に遡る。
「先日の約束どうする? この日曜日だったら、ボク時間とれるけど?」
雅の就任が決まった金曜日の放課後、練習開始前に神宮が乃愛琉に声を掛けた。例のデートの約束のことだろう。それについては、今朝、すでに乃愛琉と真湖の間で段取りが済んでいた。
「日曜日ですか? いいですけど、あの、先輩、わたし、その……ふたりっきりとかって、ちょっと……恥ずかしくて……。その、ダブルデートってわけにいきませんか?」
「ダブルデート?」
神宮はちょっと考えた風にして、
「へえ、それはそれで面白い趣向なんじゃない? 誰と?」
「真湖ちゃんです。わたしたち、小学校からの幼なじみなんです」
乃愛琉は真湖を指指した
「そうなんだ? ダブルデートってことは、向こうもカップルってことだよね?」
「はい、そうです」
「なら、まあいいか。二人のお相手するのも乙かなとは思ったけど」
つまり両手に花。そう出たかと、乃愛琉は思ったが、一応事前の打ち合わせ通りに。
「いいんですかぁー? 神宮先輩ってぇ、本当に優しいんですねぇ」
乃愛琉はできるだけ甘い声を出した。思いっきり演技声になってるが、神宮は気にしてないみたいなのでそのままいく。
「でぇ、わたし、行きたいところがぁ、あるんですけどぉ。いいですかぁ?」
「いいよ、君の行きたいところにしよう? どこに行く? 遊園地? それとも?」
地元には、四井グリーンランドという遊園地がある。そこのことを言っているのだろう。
「当日までぇ、秘密ぅですぅ」
非常にわざとらしい口調であったが、むしろ神宮の目は輝いてきた。
「ははは。面白いね、君。じゃあ、当日のスケジュールは任せるよ。楽しみにしてるよ」
「はい! わたしも楽しみですぅ」
日曜日の午前9時に石見沢駅前で落ち合う約束をして、練習に入った。
真湖との今朝の打ち合わせでは、駅前で会って、買い物かなにかに付き合わせて、昼ご飯食べて別れる予定で考えていた。適当にお茶を濁してさっさととんずらするつもりでいたのである。




