第16コーラス目「顧問!」その5
「Nコン!」第16話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部でNコンの全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。
仮部員の先輩達と一所懸命練習の末、新入生歓迎会での発表も終わり、なんとか新入部員をゲット。ようやく合唱部活動開始?と思いきや……?
皆様の感想などお待ちしております!
音楽室に戻ってきた真湖と栗花落を、部員は固唾を呑んで迎えた。
「で、どうだったの?」
現がまず口火を切った。
「それは……」
と、栗花落が言いかけた時、真湖が如月バリに、Vサインを出した。
「おお!」
と、音楽室がどよめいた。
「ご紹介します!あたしたちの合唱部の顧問で、雅先生です!」
調子に乗って、そのまま真湖は自分たちに着いてきた雅を手招きして、皆に紹介した。
「あ、あれ? この前の用務員さん?」
乃愛琉だけは知っていたが、他の人は知らなかった。
「こんな用務員さんいたっけ?」
上級生達も知らなかった。それもそのはず、
「雅くんは、今年から用務員としてこの学校に来たばっかりだからネ。こう見えても、教員免許も持ってるから、教師もできるんだよ。まあ、いろいろ事情があって、今はこうしてるけどネ」
「ああ、それで……」
上級生からはそんな言葉が。
「あ、あの、ご紹介にあずかりました、雅洋平です。この子たちには言いましたけど、どこまで指導できるか分かりません。でも、全国大会出場という大きな目標を立てたって聞いてます。ですから、ボクもできるだけのことはしますし、厳しいこと言うかも知れませんが、一度乗った船ですから、一緒に頑張っていきましょう。よろしくお願いします!」
雅はそう言って、丁寧にお辞儀をした。
「よろしくお願いします!」
部員も倣って深くお辞儀をした。
ようやく、西光中合唱部は本当の意味での第一歩を踏み出した。




