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Nコン!  作者: mofmof
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第14コーラス目「勝負!」その4

 「Nコン!」第14話です。


 煌輝真湖きらめき まこは、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部でNコンの全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。

 前途多難の船出にもめげずに、色々障害がありつつも、うつつ先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。

 仮部員の先輩達と一所懸命練習の末、新入生歓迎会での発表も終わり、なんとか新入部員をゲットしたが、目標には届かなかった。さて、真湖たちはどうするのか?


 皆様の感想などお待ちしております!

「ま…こ…ちゃん?」

「そうだよ、真湖だよ。櫻ちゃん」

「おうた、うたっても……いいの?」

「もちろん。だって、合唱部は歌を歌うとこだもん」

「わたし、乃愛琉。合歓ねむ乃愛琉。真湖ちゃんの友達。そして、櫻ちゃんの友達だよ。よろしくね」

「の…える。うん。よろしくね!」

「ボク、エンリコ翔。翔って呼んで」

「お、俺、小林一馬。よろな」

「わたし、外園」

 次々と合唱部の皆が櫻に自己紹介を始めた。

「ちょ、ちょっと、みんな一気に紹介したって、覚えられないでしょ」

 現が慌てて、みんなを止めようとした。ところが。

「しょう」

「かずま」

「ほかぞの……せんぱ……」

 と、櫻は次々と紹介していった部員達の名前を復唱し始めた。

「すご」

 それを聞いていた神宮が驚きの声を上げた。

「まこ、あのね。校歌歌おう?」

 全員の名前を復唱したかと思うと、櫻はいきなりそんなことを真湖に言った。

「うん。いいよ。みんなで歌う?」

「まこと歌う」

 櫻は即答した。

「えー、あたしもまだ覚えたばっかりだしなー」

 と、真湖が躊躇っていると、いきなり櫻が歌い出した。

「!」

 それは、さきほどまでのたどたどしい口調で話をしていた本人と同一人物かと疑うほどの流暢な声だった。しかも、優しく、奏でるような発声が正確なメロディラインにのせて発せられていた。

 慌てて真湖もそれに続く。

 入学したての1年生ならば、この校歌を聴いたのは入学式と昨日の新入歓迎会だけの2回だけしかないはず。それを完璧なほどに複製する能力。櫻にはそんな特殊能力が備えついているのだろうか。だとしたら、それはその他の人間としての能力を削って生まれたものなのかも知れない。

 二人のコーラスが終わると、合唱部員全員が拍手した。もちろん真湖もだ。

「櫻ちゃん、すごい」

「ま、こちゃんも」

 二人は手を取り合った。

「ま、こ、ちゃん、お願い、あるの」

 櫻が歌い終わった途端にそう真湖に言った。

「なに? お願いって?」

「友達……も、がっしょうしたい……て」

「え?そうなの?もちろん、櫻ちゃんの友達なら、一緒に入ろうよ」

 櫻のその言葉に、母親が慌てて、

「あの、その子は……その、大丈夫かしら……親御さんもご存知ないみたいで、うちみたいには」

 おろおろした。自分の子は仕方ないにしても、他人の子供まではと思ったのだろう。

「お母さん、大丈夫ですよ。親御さんに説明が必要なら、わたしが説明に行きますから。本人がやりたいっていうなら、やらせてあげた方がいいと思うんです」

 と、説得にかかった。

「そ、そうですか? じゃ、じゃあ……」

 そう言うと、音楽室の扉をまたさらに開いた。すると、そこにまた別の女子生徒が黙って立っていた。

「まなちゃん、おいで」

 櫻の母がそう言うと、櫻の隣に立った。

御前崎おまえざきさんって仰るんですけど。櫻とは小学生の時から一緒だったので、仲は良いんですけど。合唱は……どうか……?」

 自分の子でさえ、お邪魔ではないかと遠慮するくらいだから、友達とは言え、よその子までもとなるとさすがに自分からは言えなかったのだろう。

「大丈夫です。うちの合唱部は来る者拒まずですから」

『拒めずだろ』というツッコミを栗花落は心にしまった。

「いいんですか?」

「はい。こんにちは、御前崎さん、したのお名前は?」

 御前崎は、現の言葉に返事しなかった。じっと現の目を見るだけ。

「まなちゃん」

 代わりに櫻が答える。

「そっかー、まなちゃんか。よろしくね」

 隣で栗花落が頭を抱えていた。いくら部員が足りないからと言って、こういうのはないんじゃないか。そう大声で言いたかったが、それも、現の気持ちを考えると言えない。確かに背に腹は換えられない。にしてもだ。

「おまたせー!」

 とかなんとかやってるところに、元気な声で入り口から如月がやってきた。

「新入生入部希望者連れてきたよ!」

 音楽室内の空気を読むことなく、如月はまた別の新入生を連れて来た。

「お、他にも希望者いたの?」

 如月は、前に立つ櫻と御前崎を見て、そう言った。しかし、その子達がどんな子なのかまで当然知らないわけで。

「おー、じゃ、これで10人目だよー! ほら、入って、入って」

 そう言って、扉に隠れていた生徒を引きずり出した。それは、また女子生徒だった。

「!!!!!」

 それを見て、驚いたのは、真湖と乃愛琉だった。


「灯?」

「灯ちゃん?」

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