第12コーラス目「校歌!」その3
「Nコン!」第12話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。
与えられた課題である校歌を練習するために、現部長(仮)のシゴキが始まった!
皆様の感想などお待ちしております!
夕方までかけて練習は続いた。真湖も乃愛琉も、初めての長丁場でクタクタになっていた。途中何度も休憩を挟んだのは慣れていないこの二人がグロッキーになることを避けてのことだったら、さすがに夕方になると二人共に死に体だった。
「じゃあ、今日はおしまい! みんなお疲れ様」
「お疲れ様でしたー!」
とは言え、他の先輩方も久しぶりの練習ということもあり、かなりバテ気味であることは確かだった。
ただ一人、神宮だけがケロりとしているのが不思議だった。
「明日って、みんな予定どうなってるかな?」
現が明日もやる気満々という表情で問いかける。真湖はドキリとした。
「明日は、店の手伝いで。駅前商店街のキャンペーンに参加してるんですよー」
「すみませーん、明日は塾入れちゃっててー」
「明日は親戚遊びに来ることに」
2年生、3年生は全滅だった。現が1年生3人に目を向けると、
「引越の後片付けがまだ残ってて」
翔も、申し訳なさそうに断った。
「じゃあ、仕方ないわね。月曜日の放課後ね」
真湖はちょっとほっとした。現がこんなに練習の虫だとは思ってなかった。
「でも、1年生は自主的に練習しておいてよ。最低50回は自分のパート歌っておいてよ」
しかし、現もその辺は抜かりはなかった。
「はーい」
真湖と乃愛琉は渋々返事する。
下校途中、真湖、乃愛琉、翔が帰宅の途についている時、後ろから如月が真湖と乃愛琉の後ろから抱きついてきた。
「おっつかれー。みんな、そっち方面?」
「き、如月先輩。びっくりした」
「そうです。わたしたち、中央小なんで」
「へー、そうなんだ。じゃあ、一緒に帰ろう?」
「あれ?如月先輩も中央小でしたっけ?」
同じ学校だった記憶はない。
「わたしは西小よ。ずっと栗花落先輩の後輩ー。これから塾でさー。こっちに塾あんの」
「これから、塾って、タフだなー」
翔が感心した。さすがの翔でもかなり疲れていた。
「こっちって、駅前のあの大きい建物のですか?」
真湖にはその塾の心当たりがあった。
「そそ、栄信塾ってやつね」
「あ、そこ、あたしの友達も行ってます。紺上灯<<こんじょう あかり>>って言います」
「こんじょう…こんじょう。おお、今年の一年トップだねぇ。噂は聞いてるよ」
「灯、塾でも一番なんだ、すごいな」
「ちなみに、2年でトップ、このわたしー」
「え。すごいですね!」
「えへへー。まあ、大したことないけどねー。ねーねー、ところでさー、わたしたちって気が合いそうだね。最初会った時から、そんな感じしたんだよね」
「そうですか! あたしもそんな気がしてました!」
「これからもよろしくね!」
「こちらこそ!」
真湖と如月はキャイキャイ言って、盛り上がった。確かに横から見てても同類のにおいはする。とは言え、学年トップの如月と、低空飛行の真湖では天地ほどの違いはあるが、と乃愛琉は心の中でつっこんだ。




