第11コーラス目「部員!」その2
「Nコン!」第11話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。
与えられた課題である校歌を練習するために、現部長(仮)のシゴキが始まった!
皆様の感想などお待ちしております!
「すみませーん!遅くなりました!」
真湖と乃愛琉が音楽室に飛び込んで来た時、そこには、現だけではなく、5、6人の姿があった。もちろん、エンリコ翔も先に来てにいた。
「おーそーい!」
現の喝が入る。
「ご、ごめんなさい。あの、ちょっといろいろありまして…」
いろいろというのは、つまり、真湖がすっかり今日の練習を忘れていたという話なのだが。確かに、別れ際には、翌日の練習の話はなかった。けれど、練習途中に、真湖が翔平のウケウリで「合唱部は毎日練習」みたいなことを言ったので、現が買った喧嘩のように、土曜日の練習を決めたのだ。それを、真湖に何度も念押ししたつもりでいたのが、真湖の頭の中には残ってはいなかった。
乃愛琉が苦笑いでそんな真湖に連れ添った。
「あ、あれ? みんな…さん、どうしたんですか?」
揃った顔に、真湖が改めて聞く。中には、見た顔が揃っている。
「そろそろ全体練習も始めなきゃだしね。昨日夜になってから招集かけたから、全員は揃ってないけど、まあ、主力選手は揃ったってことかしらね」
そう言われて、改めて、揃った面子に目を向けると、現のカレシである、栗花落蒼斗<<つゆり ひろと>>、入学式の翌日に真湖が声を掛けに行った、2年生の如月友夏<<きさらぎ ともか>>、射原 悠斗・悠耶<<いはら ゆうと・ゆうや>>の双子の姿を確認した。如月の横に立つメガネの女子生徒は、外園諒子<<ほかぞの りょうこ>>なのだろう。如月と外園は仲がいいと、現からのイメージが思い出される。あと、翔と栗花落の他に男子生徒が一人。真湖は見たことはないような気がした。
「あなたたちの練習もとりあえずは及第点ってところだし、せっかく土曜日に練習するなら、全体練習にいい機会かなと思ってさ」
実のところ、現は1年生4人の練習結果には満足はしてはいなかった。けれど、残り時間も僅かであるところから、真湖の「毎日練習」に触発されて、急遽昨日の夜招集をかけたという顛末だった。1年生の練習結果が彼女たちのせいなのか、それより自分の指導のせいなのかが自分でも分からないのがなんともモヤモヤしているということを栗花落に相談したところ、
「じゃあ、みんな巻き込んじゃえばいいじゃん」
という、彼の言葉が最後の背中押しになったことも確かだった。
「うわぁ、なんか、部活って感じになってきましたね!」
そんな気持ちも露知らず、真湖は一人はしゃいでいた。
「だね。頑張ろうね!」
そんな真湖を温かく見守ろうとする翔。
「あんたねぇ……」
呆れかける現に、
「まあまあ」
と、宥める栗花落。
「じゃあ、まあ、練習始める前に、自己紹介といきますか。わたしと蒼斗はどっちも知ってるから、2年生からいきましょうか」
そんなやりとりもここ数日で慣れっこになってしまった現はすぐに切り替えて、みんなに声をかけた。




