第10コーラス目「始動!」その1
お待たせいたしました。ひさしぶりに更新です!
「Nコン!」第10話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、放送局を占領して、全校放送で合唱部入部希望者を募る。3年生に脅されたり、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。さあ、頑張るぞ!
ところが発声練習のやり方さえ知らない真湖たちに、現もがっかり。さて、どうなることやら…?
皆様の感想などお待ちしております!
<主な登場人物>
煌輝真湖:本編の主人公
中学1年生。従兄弟のお兄さん(煌輝翔平)に憧れて合唱部員を目指して中学に入学する。なんにでも興味を示す、好奇心旺盛。興味津々、支離滅裂。血液型B型。黒髪長髪ポニーテール。
合歓乃愛琉
真湖の親友。真湖と一緒に合唱部に入る予定。
紺上灯
真湖の幼馴染み。長髪黒髪の美人。帰宅部。
剣藤阿修羅
真湖の幼馴染みで家が隣同士。野球部。
塩利己翔
真湖のクラスメート。札幌から引っ越してきた。イタリア人とのハーフ。母子家庭。真湖と一緒に合唱部に入る予定。
現瞳空
中学3年生。廃部前の合唱部にいたことがある。真湖に合唱部創部を諦めさせようとしたが、逆に創部に力を貸すことに。
栗花落蒼斗
現と同じく元合唱部。現瞳空と付き合っている。
如月友夏
外園諒子
保家寿
射原 悠斗・悠耶
中学2年生。去年、各クラス割り当てで、Nコンに出場している。
英美佐恵
1年3組、真湖の担任。国語教師。28歳。独身。彼氏募集。
煌輝翔平
真湖の従兄弟で、大学1年生。札幌の大学(北大)へ進学。真湖に合唱部を薦めた張本人。
翌日の放課後から1年生3名の特訓が本格的に始まった。真湖たちが集って音楽室に入ると、すでにジャージに着替えた現がいた。
「夕べ腹式呼吸の練習はちゃんとやった?」
開口一番、現<<うつつ>>は昨日の復習の確認をする。
「やりましたー。もう腹筋が痛いですー」
まだ制服のままの3人は声を揃える。
「すぐに慣れるわよ。それに、その程度で根をあげるようじゃ、全国大会どころか、地区大会だって出られないわよ」
「根はあげません!」
真湖が即答で返す。それを見て、現も思わず笑みが浮かぶ。ここ数日で真湖の性格がだいぶんと分かってきたのだろう。
「じゃあ、さっさとジャージに着替えて。まずは、グランド5周走るからね」
両手を腰に当てた現が仁王立ちでそう言った。
「え?走るんですか?」
「当然よ。合唱はね、体力が勝負なんですからね! グランド10周終わったら、腹筋100回……といいたいところだけど、今日は初めてだから、できるだけでいいわ。最低10回くらいはできるわよね?」
「腹筋100回ですかー?」
思わぬ練習メニューに、真湖たちは目を回した。文化系の部活だと思っていた合唱部が、いきなり初日からグランド5周から始まるメニューを差し出されたのである。
「合唱部を文化部だと思ってもらったら、困るわ。歴とした運動部なんですからね!」
これは、現が入部した時に最初に先輩から教わったことだった。当時はちょうど翔平たちOBが築き上げた伝統がまだ残っていた頃で、部員たちは真剣に全国大会を目指して練習に励んでいた頃だった。それが、翔平たちが卒業した後に、練習の厳しさから一人辞め、二人辞め、そして新入部員も集まらず、廃部に至ったのだ。辞めていった部員たちは、今の真湖たちと同じように、まさか合唱部の練習がそんなにも厳しくあるものと思わなかったのだろう。何より、翌年春に亡くなった三越先生のいなくなった穴は大きかったのである。
そんな回想をしながら、現は真湖たち女子を音楽準備室に呼び、そこで着替えをさせた。残る翔はそのまま音楽室で着替えを始めた。




