表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nコン!  作者: mofmof
38/98

第9コーラス目「家族!」その3

 いつも「Nコン!」をお読みいただきまして、ありがとうございます。

 「Nコン!」第9話です。


 煌輝真湖きらめき まこは、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。

 前途多難の船出にもめげずに、放送局を占領して、全校放送で合唱部入部希望者を募る。3年生に脅されたり、色々障害がありつつも、うつつ先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。さあ、頑張るぞ!

 ところが発声練習のやり方さえ知らない真湖たちに、現もがっかり。さて、どうなることやら…?


 皆様の感想などお待ちしております!

 乃愛琉は両親が寝静まったことを確認すると、そっと階段を降りた。朝の早い両親の就寝時間より自分の方が遅くなり始めたのはいつからだろう。兄が中学にのぼった頃からだろうか。乃愛琉の兄は3つ上で今年高校入学したばかりだから、4年生の頃からだろうか。それでも、最初のうちは一旦寝たふりをしていたのだが、自然と両親の方が先に寝るようになった。

 居間につくと、そっとPCデスクの前に座り電源を入れる。真っ暗な部屋の中にぼぅっと液晶画面の灯りがともる。自宅のPCは居間にしかない。両親の方針から、子供達の部屋には置かないことになっているのだ。もともとこのPCは兄のものだったのだが、高校入学のお祝いにスマホをプレゼントされてから本人が使うことがあまりなくなった。そのため、最近はほとんど乃愛琉が使うようになっていた。

『こんばんは』

 PCが起動され、ブラウザが開かれると、早速乃愛琉はチャットを開始する。週に1度程度訪れるサイトだ。アニメとかラノベ小説とかのファンが集うサイトで、高校、大学生が中心のSNSだった。乃愛琉も高校生と嘘をついて参加している。今日は10人くらいがチャットに集まっているようだ。大学生が多いので、大体深夜にならないとメンバーが集合しない。すでにログインしている仲間達が一斉に挨拶に応えてくれた。まずは近況と雑談。合唱部を始めたことを報告すると、皆一様に驚きと称嘆のメッセージを送ってくれる。

 乃愛琉が参加しているルームは主に恋愛系のストーリー好きの集まりだった。男女比が圧倒的に男子の方が多いこのサイトでは女子はもてはやされる。元々おませな乃愛琉は、ギャル系女子高生を演じているため、特に人気が高い。今日も身近で起きた恋バナを演出をふんだんに添えて報告した。真湖に塩利己翔の告白、阿修羅の嫉妬、密かに阿修羅を想う灯との四角関係等をさもドロドロの恋愛劇のようにして2倍にも3倍にも膨らませる。もちろん実名が伏せるけれど。

『で、サンタちゃんはどうなのよ?』

 乃愛琉のハンドルネームを名指しされた。

『そっりゃあ、カレシとラブラブよ』

 と、創作された架空のカレシとの恋愛話をでっち上げる。どうせ出会うことなんてないんだから、多少の嘘だって、方便のうち。

 乃愛琉は男女間の心の動きに敏い。だから、真湖の気持ちとか、阿修羅とか、翔とか灯の関係は手に取るように分かるのだ。そのくせ本人はどの男子にもときめいたことがなかった。

 できる兄を持つとカレシができにくいなんていうラノベもあったけれど、確かに兄と比べると同級の男子はかなり見劣りするのだ。一時、自分はかなりのブラコンなのかと悩んだこともあったくらい。

 確かに自分たちは兄妹仲はいい方だと思うし、兄も男前で、中高では共にモテる方のようだし。しかし兄は所謂八方美人タイプで、誰にでも優しくする。もちろん妹には人一倍優しくはしてくれるけれど、兄妹以上の態度は取らない。乃愛琉もその辺の節度はわきまえているつもりだ。

 だから、背伸びしたがるのかも知れない。正直同級の男子と話をするより、大学生やそれ以上の男の人達とチャットする方がずっと楽しいのだ。

 しかし、チャットの中では自分が作り上げた架空の自分を創作しているだけであって、あくまでも自分は主役ではなかった。脇役に徹する。それが乃愛琉だった。リアルの世界でも、真湖が主役でその後ろにいつもついているのが自分だと、役回りを決めてしまっているのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ