第9コーラス目「家族!」その1
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「Nコン!」第9話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、放送局を占領して、全校放送で合唱部入部希望者を募る。3年生に脅されたり、色々障害がありつつも、現先輩の協力もあり、校長先生に条件付きながら、合唱部の創部を認められた。さあ、頑張るぞ!
ところが発声練習のやり方さえ知らない真湖たちに、現もがっかり。さて、どうなることやら…?
皆様の感想などお待ちしております!
<主な登場人物>
煌輝真湖:本編の主人公
中学1年生。従兄弟のお兄さん(煌輝翔平)に憧れて合唱部員を目指して中学に入学する。なんにでも興味を示す、好奇心旺盛。興味津々、支離滅裂。血液型B型。黒髪長髪ポニーテール。
合歓乃愛琉
真湖の親友。真湖と一緒に合唱部に入る予定。
紺上灯
真湖の幼馴染み。長髪黒髪の美人。帰宅部。
剣藤阿修羅
真湖の幼馴染みで家が隣同士。野球部。
塩利己翔
真湖のクラスメート。札幌から引っ越してきた。イタリア人とのハーフ。母子家庭。真湖と一緒に合唱部に入る予定。
現瞳空
中学3年生。廃部前の合唱部にいたことがある。真湖に合唱部創部を諦めさせようとしたが、逆に創部に力を貸すことに。
栗花落蒼斗
現と同じく元合唱部。現瞳空と付き合っている。
如月友夏
外園諒子
保家寿
射原 悠斗・悠耶
中学2年生。去年、各クラス割り当てで、Nコンに出場している。
英美佐恵
1年3組、真湖の担任。国語教師。28歳。独身。彼氏募集。
煌輝翔平
真湖の従兄弟で、大学1年生。札幌の大学(北大)へ進学。真湖に合唱部を薦めた張本人。
「真湖、ご飯よー!」
階下から母の呼ぶ声がする。
「はーい!」
呼ばれて、居間に向かうとすでに父が食卓に着いて新聞を読んでいた。
「お父さんお帰りなさい」
「おう。ただいま。なんか、部屋で叫び声が聞こえたんだが?」
「うん、発声練習。合唱部に入ることにしたんだ」
「ほう、そうか。そう言えば、翔平も合唱部やってたんだったな。影響されやすいな、真湖は」
「真湖、部活なんかやってて、勉強大丈夫?」
寛容な父に対して、スパルタママな母が最初に気にしたのはそこだった。
「大丈夫だよー。運動部みたいに、夜遅くまで練習するとかないし」
「そう? 紺上さんとこはもう塾に通い始めてるって聞いてるしねぇ……」
「灯と比較しないでよ。まさか、あたしが石東とか入れるとでも思ってる?」
「そりゃあ、石東は無理にしても、行く高校ないとかなったら困るでしょ? 去年までは翔ちゃんに教えてもらえたけど、もう勉強みてくれる人もいないんだからね。しっかりしてよ。もう小学生じゃないんだし……」
「はいはい」
真湖は適当に話を切り上げて、洗面所に逃げた。
「どこ行くの?」
「手ぇ、洗ってきますー」
「まったく……誰に似たんだか……」
母は深い溜息をついた。真湖の両親は共に公務員の共働き。できれば娘も公務員にさせたいとは思っているのだが、真湖の小学生時の様子を思うに、このままだと、地元市役所だって危ない。いくら女の子とは言え、共働きが当たり前のこの世の中ではやはり学歴が大切だと母は思っている。
逆に父は娘に甘い。もちろんできることならば公務員の方が安定はしているとは思いつつも、できれば、一人娘には伸び伸びと育ってほしいと願っている。あまりギスギスした性格になるくらいなら、多少学力がどうであろうと。今のところは父の思いが勝った育ち方をしているのだが、さすがに中学生ともなると、母の言い分が勝ってきており、自分に対する風当たりが強くなってきているのを真湖も感じてきているのだった。
「夜中にあんまり大声出すと、近所にも迷惑だからね、気を付けなさいよ」
洗面所から戻ってきた真湖に母が苦言をおとす。
「大丈夫、隣、阿修羅だから、気にしないっしょ。いっただっきまーす」
今晩のおかずは、真湖の大好きな肉じゃが。父も一緒に箸を付け始めた。




