第6コーラス目「障害!」その1
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「Nコン!」第6話です。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、放送局を占領して、全校放送で合唱部入部希望者を募る。現先輩に呼ばれて、合唱部員募集を止められたが、なんとか説得できたかと思いきや、今度は恐い3年生に呼び出され……。どうなる、真湖?
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真湖がガラの悪い3年生3人に連れて行かれた後、乃愛琉に手を取られて翔はようやく路上から立ち上がった。
「何とかしなきゃ」
「何とかって言っても……」
乃愛琉はウロウロするばかり。
「学校に戻って、先生に」
翔は乃愛琉の手をとって、回れ右、学校へと急いだ。あまりにも事前に翔が手をとったので、乃愛琉はそのまま手を繋いだまま翔を追いかけるようにして一緒に走った。
「ちょっと、待って」
校門が見えるところまで走ると、さすがに乃愛琉が先にバテた。翔は手を離して、
「その程度で息が切れるようじゃ、合唱部大変だよ。先に行くね」
と、一人で駆けた。その物言いに乃愛琉はちょっとカチンときた。小学校では徒競走では1番か2番で、さすがにリレー選手とまではいかなかったが、体力には自信があったからだ。小学生の時みたいに、ジャージとかで登校だったらこんなことはない。慣れないジャンパースカートが邪魔して走りづらかったからだと言い訳したかったが、今はそれどころじゃない。
「おっと」
「あ、ごめんなさい!」
ちょうど、翔が校門を曲がりかけようとしたところに、向こうから出てきた人影にぶつかった。
「いや、大丈夫だよ。どうしたんだい? そんなに急いで」
「あ、あの、先生、大変なんです!」
翔がぶつかった相手は大人の男性だった。歳の頃は30歳程度で、教師としては若干若い。入学式では見たことがないけれど、上級生担当の教師なのだろうか。それにしては作業着のような服を着ている。
「せんせ…ああ、まあ。どうしたんだい、大変って?」
その人は一瞬躊躇ったようにして言葉を濁したが、翔の慌て振りを見て、すぐに事の次第を正した。
「あの、クラスメートの女の子が、3年生に連れて行かれたんです!」
「どこにだい?」
「こっちです!」
翔は今来た道を走り始めた。その教師も一緒に駆ける。
「乃愛琉ちゃん、学校で待ってて!」
「ううん、わたしも行く! 先に行ってて」
翔と男性教師が先に全速力で駆けていく。その後を、ゆっくりとだが、乃愛琉も追った。




