第2コーラス目「募集!」その4
新連載「Nコン!」第二話目です。続けてお読みいただきまして、ありがとうございます。
煌輝真湖は、小学校を卒業したばかりの中学1年生。従兄妹の翔平が果たせなかった、合唱部で全国大会に出場するという夢を果たすべく、合唱部に入部を希望していた。ところが、合唱部は2年前に廃部になっており、指導する先生もすでに他界していた。
前途多難の船出にもめげずに、放送局をハイジャックして、全校放送で合唱部入部希望者を募るのだが……。
皆様の感想などお待ちしております!
「な! な、何バカな事言ってんだ、お前ぇ! ん、んな……んなわけないじゃん」
阿修羅は驚きすぎて、コケそうになった。後ろの席の乃愛琉は目を見開いて驚いた。中1男子でこんなにおマセな男の子がいるのかと。さすが札幌。さすがハーフ。
「おっと、気をつけてよ。そう? なんか良い感じに見えたんだけどね。違うならいいか」
「お前が、驚かすからだべ。……いいかって、何がだよ?」
「煌輝さんって、可愛いよね。ボク、立候補しようかなと思って」
「立候補って……? 合唱部に入るってことか?」
「うん、それも含めてね」
そう言って、翔は阿修羅に手を振って真湖の座る窓際に向かった。
「はーい、ごめんよー。通してー」
真湖に群がる男子をかき分け、翔は真湖の前に出た。
「煌輝さん、合唱部入ってもいいかな?」
真湖は目をぱちくりさせた。さっきまで群がってくる男子は、真湖の奇行には興味は示しても、合唱部のことにはとんと触れてこなかったのだ。
「もちろん! 誰でも歓迎だよ!」
真湖は立ち上がって、翔の手をとる。廊下側では、阿修羅がさっきのままの姿勢で二人の話に耳を傾けていた。同じく心配そうに見つめる乃愛琉。
「合唱部入部希望、第一号だね!」
翔は真湖に握られた手に力を込めた。
「その代わりさ……」
翔はその手をブンブン振りながら、大きな笑顔で続けた。
「俺と付き合ってよ!」
一瞬、真湖の取り巻きが沈黙した。そして、皆一同に、真湖の方を注目する。
「うん、いいよ!」
阿修羅がイスから転げ落ちた。




