第九話 浅草に吸血鬼
読んでくれてありがとうございます。
後編はシリアスメインとバトルメインにしたいですが…。うまく誘導できるよう頑張ります。
エピソードも多めで書けたらと思います。
誤字などの報告を受け付けています
肩をトントンと誰かに叩かれる。ミルであるとは分かってはいる。目隠しと耳栓を外し目を開ける。
「ここは…?」
「今東京駅に向かっています。東京駅到着後、二人にはそこで降りてもらい電車で浅草まで行ってもらいます」
「はい…。笹原防衛大臣からは聞かされていましたが…。それよりもミル、またいつの間に着替えたんですか? そのマジックみたいなのどうやってるんですか?」
目を開けて直ぐに暗闇から突然感じる光によるお驚きよりも早く最初に驚いたのはミルの服が基地を出る時と変わっていたことだった。
普段は半袖短パンもしくはドレスの二択だったミルが... 現代のお洒落な服を着ている。
「ふむ! 興味あるか、吸血鬼の技の一つ影空間を知りたいとは…」
「かげくうかん?」
「そのままの意味でほら、影の中に物をしまえるんだ」
そう言いながらミルは自身の影に手を入れ大きな鞄を取り出す。
「え…。すごい…!。シンプルに旅行とかでかなり嬉しいやつじゃないですか!」
「空間の大きさは力量次第だが、私も500年前は影に物をしまって世界中歩いたりしたなぁ…」
何時もとは違う可愛らしいくも現代的な服装に着替えていた。何時もはドレス姿でお姫様と呼ばれるのも納得の姿だったが…。
「とても似合ってますね。ミルは何時ものドレスも可愛らしいですが、こうした現代衣装も可愛く似合っています」
「……!。そっ… そうか…。ふふ…。エヘヘ!」
「はい! 可愛いです、似合ってます!」
「はい、イチャイチャ禁止ですよ? もうすぐ東京駅に着きます…。覚悟を決めてください二人とも…」
「くっ…! イチャイチャなんて… してない!」
ミルは頬を赤く耳まで赤くなっていた。何時もは翡翠のように清んだ緑色の瞳も興奮してか赤く染まる。
「イチャイチャしてましたか?」
「いや…。運転している彼女いない歴年齢の俺からしても分かるピンクオーラでしたよ…。幻覚で目の前にハートが見えてきそうでしたよ…」
「はぁ…」と溜め息吐きながらも目的地に届けてくれた。
「はい…。着きました東京駅です。ここからは何時何が起きても可笑しくありません…。油断しないで吸血鬼さんをちゃんと守ってくださいね騎士さん?」
「はい…。肝に銘じて…」
「ではご武運を…」と言いタクシーのドアを開ける。
タクシーは帰っていく。東京駅には僕とミルが残されて作戦の開始と小さく頭の中で囁く。
「では行きましょうかミル」
「そうだな、駅弁とやらを食べてみたい!」
「人間の食事食べられるんですか?」
「吸血鬼の原初を馬鹿にするな、それくらいできる。腹は膨れないが味は分かる」
そんな会話をしながら駅に向かって歩く。
えーと浅草駅までは渡されたスマホで確認…。少し乗り継ぐことになるけど…。迷わなければ良いか。
「ミル、もうそろそろで電車来ますし行かなく… ては…。ミル!」
少しスマホを見ていただけなのにミルがいない!。
「ミル! ミル! 何処だ!」
駅構内走る。
「あの! 小さな女の子見ませんでした!」
歩いている人達に手当たり次第聞いて回る。もしかしたら吸血鬼が既にこの駅内に…!。
「あの! 女の子見ませんでした。金髪と白髪の中間くらいの髪色の…。緑の瞳の小さな女の子を!」
「女の子ねぇ…。あっ! さっき駅弁の方で見たよ? 迷子かと思ったけど待っているだけと言われて置いてきたけど…。まさか君の妹さん?」
「ありがとうございます!」
直ぐに走り駅弁店を見つけてはひたすら回った。東京駅内だけで多くの店があるとは…。
それでも探し回った。
「見つけた! ミルー!」
「お? 遅いぞ! おまえがいなくては駅弁が買えないではないか…。まったく私から離れるでないぞ…」
「よかったぁ…。急に居なくなるから…。吸血鬼に拐われたのかと… 心配して…」
「急に居なくなったのはおまえの方だぞ。眷属が主人の側を着いてこぬか…。反省しろ?」
「はい…。すみません…。でもミルの方こそ行くなら一人で行動しないでください。とても心配しますから…」
「う、それは…。ごめんなさい…。おまえに心配をかけたくてしたわけではない… ここの弁当が上手いとテレビで見てマサトに…食べてほしくてな…気が付いたらここに…」
「…分かりました、お弁当を買いましょう。昼ご飯の調達も必要ですからね?」
お互い反省し、お弁当を2個買った。
時間はギリギリだが、走れば間に合う。周りの人達の迷惑にならない範囲で走る。
「ふぅ… セーフ」
「お! ちょうど座れるところが開いているぞ! だが一人分くらいか…」
周りに空いている席は無く手すりか座席の二択となっていた。
ここは僕が手すりで立ってミルに座らせよう… いや、でもそれじゃあまた居なくならないか心配だ… どうしようこういう場合…。
「ふむ、マサトお前が座れ…」
ミルは席を見ながらそう言う。
「え? 良いんですかミル!?」
「良い… 私に気を遣わず座れ」
「いや… ミルが座ってください僕は立ったままでも平気ですから」
「…良いから座れ、じゃないと誰かに座られてしまうぞ?」
「それは…。 分かり… ました」
そこまで言われては、座る他無いけどどうしてそこまで座らせたいのだろうか。
正人は空いた席に誰かが座る前に座る。
「ヨシ… 座ったな。ふふ…」
ミルが僕の膝に座る。
僕は今椅子となった。
「え?」
「こうすれば私とお前が座れる」
「良いのですか… これは…」
スッと僕の座った上に座るミルはとても羽みたいに軽かった。
重さを感じないと言っても過言ではない。
ミルが僕を背もたれにして背中を僕の胸に当てる。
「重くないか?」
「いえ、とても軽く重さなんて感じません…」
「そ、そうか… なら…良いが。ウム… 良かった重くなくて…」
買った弁当をミルが膝に乗せ僕はミルを乗せ座席は僕を座らせる。
僕の手は自然とミルの前に回しシートベルト代わりの様になっていた。
もちろん辺りを警戒しながらだが… こうして誰かと出掛けるのは、不思議と心が和んでくる。
ガタガタと電車の揺れが日常的だからか気が抜けてしまう電車を何度も乗り継ぎ立ったり空いた席があったりなど色々とありながらも次の電車で浅草駅に着く。
「着いたな! さぁ! 駅弁をたべよう!」
「そうですね。何処か座れる場所はあったか…」
手に持つスマホの地図で休めそうな場所を探す。
『あー聞こえるかな…』
突如背後から… いや頭の中に直で声が聞こえる。変な感覚で戸惑い辺りを見るが誰もいない。性別の区別が取れないゴモッた声で聞こえた。
『おっと… この事は話すな。そのままそこの吸血鬼の相手をしていろ…。じゃなきゃあ… 周りにいる人間を殺す』
「おい、どうした顔が青いぞ…」
「い、いえ何も… 多分電車で酔っただけです…」
「そうか、急ぎ休める場所を探そう」
『ふふ…。指示にしたがってくれてありがとう。安心しろ…。貴様が今の指示に従ってくれたことに免じて殺しは無しにしよう。だがこの事を話そうとすれば分かるな…? また話そう…。ではな』
ガチャンと黒電話とかの受話器を置く音と共に声は聞こえなくなる。
「どうしたんだボーとして。まさか! 吐きそうなのか?」
「いえ…。とりあえず休めそうな椅子を探しましょうかミル」
分けが分からない。今のは吸血鬼による宣戦布告なのか。だとしたらもう既に見つかったいると言うこと。
不味い…。それはかなり不利だ。
僕らだけ彼らの居場所や数を知らない…。いや、これは初めから理不尽なゲームみたいに…。
何時襲われても可笑しくない作戦だった。
こう言うときこそ余裕を持て…。これは必要な余裕だ、余計な事を考える暇も無いそれすら許されない。
僕はミルを護るんだろ…。
「ミル、ここからだと隅田川に行きませんか? あそこのベンチで食べません駅弁を?」
正人はスマホを使い手頃な位置を見つける、脂汗をハンカチで拭きできる限りの誤魔化しという笑顔でミルに伝える。
「ふむ、川を見ながらとは… ははは! 今日みたいに晴れた日にはもってこいだな! よし行くぞ!」
どうやらミルには気づかれることは無く、ルンルンと音楽が聞こえてきそうなほど楽しげに歩くミル。
警戒は解いたわけではない。常にミルから目を離す何て事が次がない。
「おい! 何しているおまえを待っているだけで日が暮れてしまうぞ」
「は、はい! すみません」
隅田川に向かう。
「お、あの辺りで食べよう! ふむふむ! いざ焼肉弁当いただきます!」
ベンチを見つけ座って直ぐ僕を待たず食べ初める。
「う! ウマーイ! 人間の技術には何時も驚かされるが… やはりテレビで取り上げられていただけある美味しさだ!」
ここで「血とどっちが美味しい」かを聞くのは野暮だろう。あくまでも血は食料であり、この弁当は娯楽なのだろう。
「美味しいなマサト。こうして誰かと食べるのはさらに美味しいしくなると聞くがあながち間違いではないかもしれない…。私一人ではさびしいかったのだろう…」
「… ご飯粒ついてますよミル?」
「ん… すまんな」
正人はご飯粒を食べる。
「こうして美味しさの感想言い合えるのも良いですね」
「ふふ、そうだな!」
あっという間に焼肉弁当は空になった。
「よし! 次は何処に行く? 監視されているとはいえ、浅草内なら好きに動いて良いと言っていたが…」
「なら、元旅行会社に勤めていた僕にお任せください。ミルに日本の浅草が好きになるよう一緒に回りしょう」
ゴミ箱に弁当を捨てミルを満足させるために急遽僕が事前から考えていた浅草観光をするとしよう。
「ふふん…。この吸血鬼の原初を満足させれるかな?」
ベンチの上に立ちビシッと僕に向けて指を指す。
「はい、必ずあなたを楽しませて見せましょう」
僕はその場で片膝を着いて跪く。このノリにもかなり慣れてきた。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
感想など書いてくれると励みになります。
浅草…。行ったことは無いからうまく書けるか分からない…。いまさら行き先を変えた話を考えられるほど器用では無いから… 誤魔化しながら頑張って書こうと思います。いや~人気作家とかにいつかなりたいですねぇははは!




