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第七十二話 怖い、私?

 …。

 

 ミルが中々起きない。


 起きたから視界に太陽の光が見えたが、朝を薄目だろうか、布団を上げ隙間から確認すると再び視界は暗くなる。


「はぁ… 起きなさい◼️◼️! 朝よ、遅刻したら部屋事の連帯責任なんだから起きなさい!」


「…うーん? 朝? 気のせい… おやすみ」


「もう! ララ一緒に起こすよ! ◼️◼️せいであなたひどい言われようなのよ! もう他の子からの陰口には耐えられない…」


「モモちゃん…」


 ララとモモは◼️◼️の眠る布団に腕を突っ込み◼️◼️の手を探す。


「あった! 良い、一緒に引くよ」


「うん、分かったせーのだね」


「…せーの!」


「えい!」


 掴んだ手を引きベットから引きずり落とす。


「グヘ…」


「今日こそ来てもらうから... いつまで血を飲まない気… いくら私達の体が特別だって原初様やビクターさんから聞いてるからって… 血を飲まないと死んじゃうんだよ?」


「知ってる… だから… 私の事はほっといて二人だけで行って…」


「あー、ベットに戻らないで◼️◼️ちゃん。美味しいよ血? 確かに...私達の体にも流れているもので、気分悪くする子とかもたまにいるけど… でも! 飲まない本当に死んじゃうんだよ! だから行こ?」


 ◼️◼️は「あ…」と何か言おうとする口を閉じた。


「心配なの私達。だから食堂に…」


「うるさい…」


「抵抗しても無駄よ! 今日は私も心を締めて挑むから!」


「モモちゃんと話したの、今日こそ飲んでもらうって! いくよモモちゃん!」


「…! んっ、離して!」


 二人は◼️◼️の手を再び掴む。


「良い離しちゃダメよララ!」


「分かってるモモちゃん…ん! けど◼️◼️ちゃん力強くて… 限界近いかもぉ!」


「私は絶対行かないから…もう私の事なんてほっといて!」


「ほっとけないよ◼️◼️! あなたが死んだら悲しまないとでも? そんなわけ無いでしょ家族なのよ私達は… この家で暮らす私達は助け合わなくちゃ!」


「モモ… ちゃん。…もう、限界! ゴメン… プヒュウ…」


 ララは力尽き手を離し尻餅を着く。


 ドン! 床が木だから鈍く床に響いた。


「グッ! 中々の力ね…。けど今日は来てもらわなくちゃ困るのぉ!」


「…もういい」


 ◼️◼️は、抵抗を止め力を抜く。


「ちょ! そんな急に力を抜いたら!? わぁ!」


「あなたの方に倒れる...」


 モモは床に倒れる。◼️◼️はモモに覆い被さるように倒れるがモモにぶつかる事はなくモモの顔横に手を付き受け身を取り互いの顔が近づく。


「…満足した?」


「ひぇ…」


「怖いの私が...? そうだよね。知ってるよ私、こんなふうに覆い被さられるとなにされるか分からないから... とても怖くてさっきまで安心してた相手でも怖いよね…」


 ◼️◼️は手を付き立ち上がる。手をモモに伸ばし立ち上がらせようとする。


「はぁ… はぁ…」


 目を丸くして相手を見てくる。先ほどまでの勇気ある少女はいない目の前にはただ目の前の自身の想像とは違った者への恐怖に怯える小さく震える少女だった。


「…」


 身を起こし手を取り立ち上がるが、手先の震えからミルは察していた。


 いや… わざと怖がらせた。


「◼️◼️ちゃん…」


「私は平気だから… 二人に負けないくらい強かったでしょ… もう行って… 私を一人にして…」


「あ…! …。行こうララ…」


「モモちゃん…」


 ララはそっとモモの手を握り、部屋を出る。


 感情だけが伝わってくる。


 感情だけは常に伝わってくる。ずっと悲しい気持ちと怖いと恐れる気持ちが伝わってくる。


 どうして、そんな事をしたのか知りたくなるが… 考えまでは分からない。


 ミルは、なぜそこまで嫌われたいのか… なぜ血も飲まないのか。


 考えも分かれば良いけど… ミルが僕に知る事を許して無いのか、記憶はあくまでも視界と感情だけしか思い出せないほど、その当時のミルは考えがない行動なのか…。


 ◼️◼️がベットに戻ろうとすると部屋の扉をコンコン! とノックする音が聞こえる。


 どうやら、ミルは相手が誰か分かっているようだ。


 扉の方に向かって歩く。


「…おはよう◼️◼️」


「…おはようございますビクターさん」


「部屋に入っても良いかい?」


「はいどうぞ…」


「失礼する」


 ノックの主はビクターだった。部屋に入るなり◼️◼️を部屋の椅子に座らせ、自身も背丈に会わない椅子に座る。


「…」


「他の子から色々と君の事を聞いている。もちろん君の同室のモモとララにも…。どうしてあんな事をした? 君にした事は確かに君からしたら気にくわない事もあったろうが、君を思ってのことだ…。話してほしいここで君が安心して生活するためにも、たのむ◼️◼️。何が嫌だった?」


「原初様はまだ帰らないのですか…?」


 椅子に座りながらも下を向きビクターからはきっと表情は見えない状態で指を絡め親指同士をクルクルと回し指遊びをしながら◼️◼️は話す。


「…それは分からないと昨日話したはず。今は◼️◼️、君の事が第一で…」


「私の事なんて良いんです…。ここに私を置いて帰らない原初様に早く会いたいんです… じゃないと私はもっと悪いことをあの二人にしてしまいそうで...私はなんだってしますきっと」


「あぁ…。すまない、話す意思は無いのかい?」


「…話しました全部。お母さんに会いたい気持ちが私を悪い子にするんです… 本当の親では無いですが… 早くポカポカしたい…」


「…すまない、私には君の助けになれると思ったが… 残念だ。ここでのルールを守ってもらう。ルール違反の多い君みたいな子が行く反省部屋行き1週間とする」


「…はい」


「本当に… 本当にすまない。だが君のソレを怖がる必要はない。それは皆が抱える眷属成り立て特有の病みたいなもの時期慣れる… 大丈夫、君だけじゃないから怖がる必要はない… それと次同部屋の二人に会ったら謝りなさい…二人も君に謝りたそうに話していたよ…」


「…う」


 ポロリと一粒の涙が◼️◼️の頬に線をつくる。 


 心痛む気持ちが伝わってくる。こんな感想しか言えないが… ミルにとって原初が何か知れた気がする。


 だからだろうか… 今も苦しんでいるのは… これも一つ残っているから記憶として残り続けている。


「さぁ行くよ着いて来なさい...」


「…はい」


 二人は部屋を後にする。大きな屋敷だからか廊下をしばらく歩くと動きが止まる。


「今一人反省中の子がいる。そのルルって名前で…」


 …? ルルって。


 はっきりと聞こえ、似た名前と思ってたけどまさか…。


「素行が悪いわけではない。だが… 反省文を書くよう言ったが… 未だ書いた報告は来ていない」


「そうですか…」


「君には、ルルと仲良くしてほしい友達になってほしい。もちろん反省文を君にも書いてもらって1週間後に反省文だけ終わってたら君だけ元の部屋に戻って良い…」


「ビクターさん、私には無理です。諦めてください」


「…まぁまぁ、期待だけさせてほしい。もし辛ければ相談に乗るから頑張ってほしい...」


「反省文を書くかも分からないのに…」


「…大丈夫。君ならやれる。私は信じてる!」


「…やるだけ、やります」


「うん、ありがとう。しつこいかもしれないけど相談はいつでも来てくれて良い」


「はい…」


「じゃあ開けるよ」


 ビクターは扉のドアノブを捻る。


「ドーン! 反省部屋にようこそ! ハハ!」


 開けた瞬間に視界を覆う紙吹雪。見た瞬間理解した。全部反省文様に置かれた紙で作ったと。


「う…」


 ◼️◼️は目を守るように腕を前に出し視界を守る。


 体に静電気で張り付く細かく切られた紙で一瞬にして真っ白に変わる。


「ビクターさん、ビクターさん! その子が今日来る子? 私ルル! ねねね! なんて名前、教えて教えて!」


「話を聞いていたのか…」


「足音で分かるよぉ。驚かそうと今準備したんだ! スゴいでしょ!?」


「…紙は貴重品だ。もっと大切に… と言っても君には無駄な事なのかもしれない… はぁ。また散らかして、掃除する手伝いなさい」


「は~い!」


 

 ビクターはルルと散らかった部屋を片付ける。大量の紙切れが舞う部屋の掃除…。


 見るからにめんどそうな散らかりようだからかミルの気持ちも... はは。先程とは別でめんどくさいだって伝わる。


「…私も、手伝う必要ないですよね」


「え、やらないの?」


「…いや、今日はいい◼️◼️。少しまっててほしい… 直ぐに終わらせる」


 ビクターの動きは、急に俊敏になり早送り映像のようにてきぱきとゴミの紙切れを片付ける。


 何と言うことでしょう… 紙で散らかった部屋があっという間に元の清潔な部屋に戻っているではないですか…。


「反省部屋とはいえ物は大切に使いなさい。紙だけじゃない部屋の本棚も散らかっていた… ルルここは君専用の部屋じゃない」


「ごめんなさ~い」


 反省は… してないだろう。表情や声色での判断だが… ミルもそう感じたからかルルに若干嫌悪感? かなこれは…。


「はぁ… 来て早々反省部屋の君は何回この部屋に戻る気だまったく…」


「ねぇ! 名前聞きそびれていたよね。さっきも言ったけど私はルルよろしく! あなたの名前教えて」


「あ…」


 ミルは何か言いかけたけど… なんだ。また何か怖がった。


「待てルルまだ話の途中で…!」


「長い話嫌い~… もっと楽しい話が良い...」


「はぁ… まったく君は。私は他の子の元に戻る。◼️◼️…。ルルと居て不安だろうが… また後で見に来る」


「気にしなくて良いよビクターさん。もうこの人とは話すことはないから...」


「…じゃあまた後で、ね?」


「ばいばい!」


 不安な顔色でビクターは部屋を出る。


 不安なのはビクターも同じなんだろう…。


 ミルはビクターが出るなり布団を探している… 実は寝るのが好きなのか?。


 僕が知るミルも良く寝てたけど…色々と原初の記録ってのを調べるために寝てたらしいけど… 疑いたくはないが… 半分くらい寝てたんじゃ…。


 あ、ミルがベットを見つけた。


「…おやすみ」


「まだ明るいのに寝るの?」


「…」


「ねぇ、ミルって呼んで良い?」


「…」


「無視ですか… ならミルって呼ぶね。ふふ。よろしくミル!」


「…ウルサイ」


 小さく呟くように言うが、そんなにうるさいかルルの声は…。


 外から楽しげな子供の声と窓を開け換気しているからか空気の流れる音がする。


 布団の温もりと適度な雑音が◼️◼️を深い眠りにつかせる。


 また、…寝たのか …はは。


 そして目を開けたら… お昼ぐらいかな?。太陽光的に… そんなに寝てはないらしい。


「あれ…? ココドコ」


 寝ぼけてミルが辺りを見ている…。


「あ、そうか… 反省部屋かぁ… ん?」


 ◼️◼️はふと自分のベットに違和感を覚える。柔らかく暖かな感触が自身の隣にあることが...。


 視界を落とすと、◼️◼️の隣で寝ているルルがいた。


「う、うわぁぁ!?」


「あ… おはようミル」


「な、なな!? 何で私のベットに… あなたが...!」


「あぁ... 実はミルが寝たベットね。私のベットでしたぁ… ハヘヘ…」


 寝ぼけた様子のルルは目を擦りあくびを混じりに説明する。


「ふわぁぁ~… こんな明るい時間に寝たこと無いから新鮮だけど... 気持ちいいねぇ」


 ◼️◼️は、話を聞くと直ぐにベットから退く。


「ん、どうしたのもう寝なくて良いの?」


「ご…! こご、ごめんなさい…! あなたのベット知らずに寝て… けどあなたも変。私が寝たなら起こすなりすれば良いのに、何で隣で寝ているの!?」


「…? そんなの気持ち良さそうに寝てたら起こせないよぉ。私も隣でミルの寝顔見てたらなぜか眠くなってて、私のベットだし… ついそのまま… 嫌だった?」


「…嫌じゃないけど。間違ってたなら起こしてよ!」


「はは。ごめんゴメン。起こすのがもったいないほど可愛かったからミルの寝顔…」


「な…! ななな…」


「照れてるぅ、可愛いよミルは…ふふ」


「…ふん」


 ◼️◼️は、自分のベットだと教えられた方で再び寝るが… 先程とは違い寝れ気がしないほど鼓動が煩かった…。


「ねぇ... ミルぅ謝るから... ごめんなさ~い。ね、仲直りしよ?」


「うるさい… あっち行って… あなたと話さないからもう二度と...」


「…そんなぁ」


 え? ルルに若干嫉妬しています僕は今。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 ルルは女性です。はい女性です。男性ではありません。決して! 男性ではありません。


 性格が違うのは後に... ミルもあんな事にした全てを書ききれるよう頑張ります。


 無理そうなら… と諦めずこの少女漫画みたいな話をできる限り続けます。

 ルルは女性です。


 原初は、どんなヒトかと言えば… みんなろくでなしの連中なので滅んで正解な怪物なので期待せず。

 人類害悪生きた化石レベルの時間を生きてるくせして遊びに明け暮れるろくでなしです。


 ミルやルルもこの世にある全てを使って遊んでいるろくでなしです。


 感想など待ってます。


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