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第七話 救い救われそして…

 かれこれ30分ほどインクを躱し続けているが吸血鬼の力ゆえか疲れ一つ無い、普通なら肉体が引きちぎれてしまうほど動き続けたと思う。


「ふ、くっ!」


 時間が過ぎるごとに玉の早さも数もどんどん上がっていくがまだ避け続けられている。ミルにはインクの一滴もついていないと思う。

 危ないと思えるものが何回かあったが避け続けられている。


 そして一時間後。

 扉が開いて透さんが、入ってくる。


「いやぁ、まさか最初から全部避けきるとは…。君も中々スゴいね! まだ眷属に成り立てなのにここまで避けきるとは…」


「これくらいならまだ余裕です…」


「君は平気そうだけど… 少女は大丈夫? 何か… グッタリしているけど…」


「え?」


 ミルを見てみると…。


 青ざめた顔とまるで小鹿みたいに震えていた。


「お… おう…。もう終わったか…。うっぷ…!」


「大丈夫ですか! すみません、揺れが酷かったですよね…!」


「き、気にするな…。それも… 必… うっぷ… 必要な事だったんだ…。私は少しお手洗いにでも行ってくる…。トオルとか言う人間… お手洗いは何処だ…」


 ミルは透にトイレの位置を聞く。


「この部屋から出て右に行くとあるけど…」


 透は苦しそうにするミルを見ては気遣いからの苦笑いで場所を教える。


「そうか…」


「1人で行けますか? もし必要なら僕も一緒に!」


 ミルを心配した正人が言う。


「クッ、私に構うな! ウッ…」


 ミルは腹に力を込め声に出す「構うな」と揺れの酔いから胃の中があばれる。


「何を甘いことを言っている…。なんのためにここに居るんだお前は… 私を護る以前にお前を生きて帰えす為の訓練だ…。オマエハ… お前の訓練に励め…」


 ふらふらと歩きながらトイレに向かう姿は本当に小鹿みたいだった。


「あ… はい」


 部屋を出ていく後ろ姿に正人は寂しさが胸を撫でた。部屋を出る際のミルの顔は酔いの苦しさとはまた別のものが感じられたからだ。


 まだ、訓練は続いている。


「あの少女、大丈夫かな? やっぱり君が一緒の方が良かったんじゃ…」


 ミルを心配そうに透は見送り、正人の方を見る。


「…」


 正人は何も言うことは無かった。思い付く事は先にミルに激として「励め」と言われその言葉が重く声に蓋をしていた。


「透さん… 訓練を続けましょう」


 正人はスッと透の方を見る、部屋に入った時のぐちゃぐちゃと絡まった糸のような緊張と浅い死の覚悟を決めた死体顔から、自分の糸を見つけピンと伸す、死の覚悟から生者の顔に変わっていた。


「変わった…」と透が呟く。


「…次は少女は必要ない訓練、身の危険や君の護りたい少女ちゃんを護るための戦闘訓練だ」


 透は準備体操し始め手や足首などを伸ばし始める。


「はい! よろしくお願いします!」


 床や壁は再び動き、元の壁と、インクで汚れた床から綺麗な床になる。


「始めに言っておく、今後の君のためにも手加減はしない…。訓練とはいえ、君も人間辞める気で反撃してきなさい」


 透は歩き、正人と一定の間を空けて立ち止まる。距離にして2m。


「君は僕を、君を殺そうとする相手と思い、僕も急所や関節… あらゆる攻撃で君を倒す。君はそれを好きに避けても良い、反撃しても良い。これは兄から言われている今日の最終訓練だ」


 透は淡々と口にする。


「待ってください、僕はまだ何も教わっていない、それに万が一殺すようなことにでもなれば!――」


「安心しろ… 僕は君程度に殺されるほど… 弱くはない!」


 透は正人との距離を瞬間的に詰め、顔めがけて回し蹴りをする。

 正人はそれを視界に捉え、避ける。


「ふん! やるねぇ、ならこれはどうかな…」


「いきなり! グッ。いきなり顔に蹴りって酷いです!」


 正人は透の攻撃を避け続ける。


「ハハ…。兄から話には聞いていたけど、君の動体視力は人間ものではない。眼だけじゃない、肉体もあらゆる分野のアスリートの良いとこ取りなほど引き締まりバネみたいに弾み君を動かしている…」


 透さんの攻撃は早くはない、むしろ遅い。けど、反撃ってどうしたら…。 


「どうした正人くん。このままじゃ、今日は避けて終わりだ。君の力を見せてみろ。安心しろ僕は死なない、君が思うほど人間は脆くない」


 動きの早さはこっちの方が早いのだと思う。だから避けられる。吸血鬼の一部だけの力だが食らいついていけると確信し軽く透さんを信じ軽く胸を殴ろうと拳を突き出す。


 一割にも満たない微々たる力だがどうだろうか。


「遅い!」


 透さんに拳を掴まれる。どうやら加減は成功だったが… 攻撃としてはダメだったらしい。 


「出来ない、攻撃なんて僕には…」


 正人は死んだ日の事を思い出す、自身の恐怖と勇気を感じられた夜を思い出し吸血鬼の力に恐怖していた。


 透はスルリと正人の攻撃から一瞬で背後に回り、組み伏し床に倒す。

 透に掴まる正人の腕はいくら力を入れてもほどける事はなく、自身の腕を痛めるばかりだった。


「君は… 手加減している、僕を傷つけない為にだ。すごく善意に満ち… 一般人になら間違いではない」


 正人が力を抜くと同時に透も腕を離し立ち上がる。


「…だが、君は今間違いをしている。僕は言った、敵と思え… あらゆる手で倒すと君を殺す相手と思えと」


 正人も立ち上がり透の方を見る。


「君は殺そうとする相手に防戦一方で少女を護れると思っているのか?」


「それは…」


 透は笑う。正人はその声と顔を見てポカンとする。


「いやごめんごめん、今のは普段君が知る兄の真似をしてみた。驚かしてごめん」


 謝罪のため正人に手を合わせ「ごめん」と言う透。


「いえ…。透さんは正しいです、僕にまだ覚悟が足りないだけであの人の真似でも… 透さんの言っていることは正しいです」


 正人はホッとした気持ちと同時に先程言われた事が正人の心を殴り付ける


「…君はただの人間だったらしいね。吸血鬼でもなく普通の家庭に生まれた純人間だと書類に書かれた報告や君の事をまとめた資料で知ってはいる」


 透は正人のそんな気持ちを察してかその場で立ちながら話し始める。


「人を傷付けるのが怖いと言う気持ちも分かる、誰かを傷つけてしまうことはとても恐ろしいことだ。例えそれが自身や誰かを護るための抵抗であっても普通の家庭に暮らし生きてきた君にとって人を傷付ける事は恐れがあるのは正しいこと、怖いのは当たり前だ。今も少し無理して訓練に参加させているのだろう」


「…だとしても。僕がやらなくちゃ… 隣で…。一番近くでミルを護る僕がやらなくちゃいけないのに僕は…! 何も出来ないまま透さんにやられた... もし本当に透さんの言う通り僕やミルを狙う相手なら僕はミルを護れず死んでいました。吸血鬼相手なら尚更… 逃げられず殺されたました」


 正人は叫んだ部屋に響くほど本人もこんなに大声を出せたんだと驚くほど痛む喉が再生されていく度に大きくなる声に耳も痛い。けど、声は続いていた。


「僕はいつも大事な場面でダメなんです。やっぱり。今も僕にはミルを護れないと思ってしまいました。護ると口で言うのは簡単です。けど、初めからこんな結果じゃ… 僕にはやはり無理なんだ…」


 正人は以前自身の内にあった勇気が自身の声で削れていくのを感じた。ジワジワと本音と思った逃げの言葉で足から全身に震えが回る。


「君は… 護りたいんだよね、あの少女を」


「…! …。クッ…。あ、アァ…。…ハイ」


 先程とは違い小さく正人は答える。


「なら、それで良いじゃん。僕は君のその気持ちを大事にしてほしい。傷付けるが怖い気持ちも… 少女ちゃんを護りたいと言う気持ちを大事にして… 作戦に出てほしい。帰ってきたら君の答えも出来ているかもしれないし、今はあの少女の事を考えていれば良い…」


「…! …ハイ。ありがとうございます…」


 正人は涙がこぼれそうになった。心が震えて眼から今にも涙が流れそうだった。

 けど、泣かなかった。泣いたら今の気持ちまで流れていってしまいそうだから腕で目を擦り鼻も啜り堪えた。


「確かに... 僕がミルを護るとそう心に決めました。他の誰でもない僕がしたいと思ったこの気持ちに嘘をついちゃミルを悲しませてしまう…」


「君の大事な気持ちだ。決して他に預けちゃいけないよ。それは今の君を動かしている気持ちなんだから。君が成さなくちゃいけない」


「はい!」


 5分ほど、立ち話を透さんとした。軽く話していく内に安定していく心。そのために透さんは話していたのかもしれない。


「…とまぁ、避ける事は出来てたし今回はギリだけど初日の訓練は合格かな。軽く予想を越えるところも何個かあったけど明日も同じ時間に訓練するから遅れずに。次回から今日やった事を基礎を早巻きで教えるから... 覚悟しておいて。あっ! ちょっとそこでお待ちを…」


 透は部屋を出てから1分もしない内に手に一枚の紙を持ち帰ってくる。


「これ、予定表。製作者は僕と兄で作ったけど、君を3ヶ月で一人前の騎士に!」


 3ヶ月分の食事やら… 睡眠時間など細かに書かれた紙を渡された。


「あの… これってホントにやるんですか?」


「君にどれくらい効果はあるか分からないけど、人間の時と変わらず食事や睡眠などは変わらないらしいし、肉体的なメニュー量だけ増やしといたから、3ヶ月終えた後も続ければ… 健康的な体に育つよ!」


 予定表に書かれている食事などは案外、米や肉なども取れて… トマトと書かれた文字を除けば良い食事に思える。睡眠時間も夜中の12時までに寝れば良い。


 正人は予定表を細かに確認していた。


「…いや君も中々筋は良い、身体能力の向上に肉体が付いてきたいるよ。3ヶ月でも十分なほど強くなれる」


 透は正人の体を見る。


「…あの透さん、笹原さんをいえ… お兄さんを殴ろうとする僕を止めたりはしないのですか…」


 透さんは不思議そうな顔でこちらを見てくる、「何を言っているだ」と言った顔だ。


「そんなにおかしな事を言いましたか僕…」


「いや、おかしくはないけど… 変なことを言うと思って… だって兄はここに居ない?」


 どこか上の空で何か他の事を考えているようだった。

「兄は…」そうボソボソと呟いていた。


「透さん?」


「ん? あぁ… ごめん兄を殴る君を止めるかだったね…」


 上の空な感じから、またこちらを見て答える。


「…僕は止めないかな、あの人は一度痛い目を見た方が良い… そう思う、かな…。けど死なない程度にお願いね?」


 透さんが兄の話をした先程からおかしいけど、聞いちゃダメな話だったのだろうか。


「それは… 分かりません、作戦の結果次第で… もしもの事があれば僕は殴れないまま帰れないので」


 透はポンと正人の肩に手をおく。


「…だとしても、生きて帰る為の訓練でもある。君には話してなかったけど… そう言う意味もきっと3ヶ月の訓練にはあると弟ながら兄の優しさだと思うなぁ」


「だと良いのですが… 僕はあの人が嫌いです」


「うん、正人くんは兄を嫌いなままでいてあげて」

 

 透は正人の肩から手を離す。


「え、それはどういう…」


「ハハ、さて帰ろうか」


 何も分からないままだったが正人は部屋を出ようとする。


「…」


 正人はどういう意味と気にはなっているが、今は忘れようとする。


 透さんとお互い手を振り別れ僕は出口に向かう。透さんはまだやることがあるらしくこの部屋に残るそうだ。



「もう終わりか?」


 部屋を出た正人にベンチに座るミルが声をかける。


「おわぁ!」


 突然出口の扉前でミルに話しかけられて軽くビックリした。


「はい、また明日からも訓練があるそうです」


「そうか…」


「どうかしましたかミル?」


「いや、何でもない! 早く帰ってご飯にするぞ」


 何でもないと言っているけどミルは僕と眼を合わせてくれなず下を向いて帰る。


 僕はミルの後ろ姿を追いかける。どこか哀愁漂う背中に追い付き、横に立つとミルは僕の手を繋ぐ、僕も手を繋ぎ返し帰る。


「ただいま」


 そう挨拶するのがなんだか嬉しい。


「うむ! おかえり」


 言われて胸がドキリとしてまだ慣れない。


 部屋に帰り、食事と血を用意し二人でテーブルに座って「いただきます」と手を合わせ食事をする。


 それを最後に、いや… 帰ってからミルは話そうとしない。疲れているからと思ってたけど、違うと思えた。


「ミル、やはり反対ですか、僕が作戦に参加するのは…」


 確信はある。はじめから参加を一番拒否していたのはミルだから良く分かる。


「だけど―」


 血液パックをストローで飲むミルの手が止まる。飲んでたパックをテーブルに置き話し始めるミル。


「当たり前だろバカモノ…。私は今もお前が死ぬ事がとても恐ろしい…」


 そう話すミルの声は弱く見た目相応の少女と強く生きた女性の声だった。


「お前は知っていたはずだ吸血鬼という化物の恐ろしさを自身の体を通して。そして今日、改めて知ったはずだより鮮明にお前の体を通して何倍も強い事を…」


 今日の訓練を通してだが… 改めて知る吸血鬼という怪物を。自分人身を通して知るというのは何時か来る必然ではあったけど…。


「だからって僕はミルを守ります…。この力をくれた事への感謝とか血迷った判断とかではなく、僕を救ってくれたあなたを守りたいと思うから」


「お前はそれで良いのか、私は… おまえを眷属とした元凶…。ただおまえが普通の人間として生きて欲しかっただけで… 人間と吸血鬼の半端者にしてしまった挙げ句、あのような人間に利用される結果を作ってしまった…。お前にとって憎むこともできる相手だ私は…。私なら私を許すことは出来ない」


 ミルはいつも楽しそうにしていたけど本当は僕の事で思い詰めていたらしい…。

 そんなことに僕は気づけなかった。ミルが僕を傷つけないためにそう気を遣い… 見せてなかったと今気づく…。

 もっと早く知りたかった。


「それは…」


「私は愚かだった。私のせいでおまえは… 今後酷い死に方をすると私が決めたようなものだ!」


 ミルは圧し殺してきた声を出すように話していた。


「……。だから何ですか… 僕があの時逃げていれば良かったんです。吸血鬼からミルを置いて逃げれば良かったのに僕が逃げなかった。全て僕の自業自得だっただけです。ミルは何一つ悪く何て無い!」


 ミルは何一つ悪くはない。


「僕がミルの言う通り逃げていれば... 良かったんです…」


 僕が悪いんだ。死にたいと焦ってした行動でミルを傷つけてしまう事をさせてしまった僕のせいだ。


「だから… 僕のせいなんですミルは何一つ悪くはないんです…」 

 

「それは違う!!!」


 ミルは椅子から立ち上がり部屋に響くほどの声で叫ぶ「違う」と心からの思いを正人にぶつけている。

 ミルは正人の側に歩く、一番近くで直接聞かせる様に体が動いていた。


「お前のその優しさを… 自分自身に向けて悪く言うのを私は許さない…。まだ少ない間だが、お前は私に無い優しさを持つ者と私が知っている…。私の憧れたものを持つお前が自身を否定してはいけない」


 そう、言ってくれるミルも優しい…。


 ミルは椅子に座る僕の服の袖を掴んでは崩れるように地面に座る。声は震え泣いていた。


 優しさから自分のせいだと自分を卑下するなと言っている。けど、ミル自身それをするのは見ていられない。

 僕は知っている。ミルが水に溶ける氷のように冷たく触れる温もりに溶けてしまうほど優しい吸血鬼だと知っている。


「ミルも… そう自身を卑下しないでください。ミルには笑っていてほしい… ミルがそう思うように僕もあなたをそう思います」


 椅子から降りミルの体を包むように腕を回す。


「無理だ…。これは事実だから…」


 ミルは小さい体がより小さく見えたが袖を掴む腕は強く熱を感じる。


「ならお互いその日だけ運が悪かっただけとしておきましょう」


「馬鹿者が… なぜそこまでして私を…」


「当然… 僕にとってミルが大切な家族だからです」


 ミルの体がピクリと動く。僕の心臓の音も聴こえてしまいそうなほどバクバクとしてきていたきっと人には見せられないほど顔も赤くなっている。


「こうしてミルと出会えた事は幸運です…。僕は一度死にミルに生き返らせてもらえました。人間を半分辞めてしまったらしいですが… 災い転じて福となす… 僕の扱いはどうあれ幸せなんです。僕はミルと出会え本当に良かったと思っています!」


「…。おまえはそれで良いのか…。今後苦しいことや悲しいことが多く自身に降りかかるやも知れないのに… 私を責め無いで良いのか…」


「…しませんよ。だってミルは僕の命の恩人なんです。助けれた恩は… 今後一生を懸けて還します!」


 正人は心の底からの聲で話している。袖を掴むミルの手は離れ顔をあげ正人と目を合わせる。


「本当におかしな眷属だマサトは…」


「もうおかしくて結構ですよ! 僕は半端者ですしね?」


「ふふふ…」


「ははは」


「ふははは!」


 部屋中に響き重なる笑い声。これはきっと僕がミルに出来る最低限のお返しだ。

 笑っているミルが見たいから...。明るい色彩に変えたいから僕は今日もミルの笑顔を守れるならそれで良い。


 食事も終えてお風呂に向かう。

 1ヶ月も共同生活もしてかなのか…。

 はたまた眷属ゆえか、僕はミルと二人でお風呂に入るのが当たり前になっていた。

 背中を洗ってあげたりもしてか…。

 心は若干お父さんになりきりながらミルの背中を流すじゃないと… なんか…ヤバい。


「ふふふ… いい湯だな! マサト」


「そうですね…。ミル」


「どうだ! 水鉄砲攻撃!」

 

「ぐっ! 水圧つよ!」


 ミルが手で作った水鉄砲は目に入れば確実に失明するくらいで、普通の人間が受けたら多分だが次の日顔が赤く晴れる。


「ちょっ、ミルさん痛い、痛いです!」


「ははは! 嘘をつけ、吸血鬼はこの程度痛くも無い! まあ半端者は知らんがな。はは!」


「この… お返しの水鉄砲!」


 気づけば湯量も減っていたのでお互い体を拭き着替える。

 

「マサト、私の髪を乾かせ」


「はい分かっていますよ」

  

「くしでとかしながらだぞ?」


「はいはい、分かってますよ~」


 ドライヤーで温風を当て櫛を通しながら乾かす。


「なぁマサト。…。今日もありがとう… な…」


「何ですかいきなり…」


 お互い照れて顔を赤くしてリビングに向かいテレビを見る。

 ホクホクと暖かい、風呂に入ったからかそれとも他にあるからか気分が良い。

 それはそうと風呂上がりのアイスはうまい... アイスだけ月に食べられる数に限りはあるが…こんな日に食べよう!。

 数少ない娯楽を楽しみながらテレビを見る。


『次のニュースです、今月だけで... 数件の行方不明事件が...』

 

 最近良く見るニュースを見てチャンネルを変える。

 最後まで読んでくれてありがとうございます。


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