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第六十話 銀の弾丸

その後視点。


「はぁはぁ…ぐっ… グフ…、ハハ…あーハハハ! まさか…小生の夢が勝手に繋がるなんて思いもしなかった…ハハハ。これも...原初による影響。

それか、無意識による小生の…ハハハ!」


 まさか…ゼルになって戦う事になるとは…夢だったとはいえ、新鮮だった。

 あーあの眷属にヒントをあげましたが…きっとあの頭では理解していないだろう。

 そもそも...あのヒトは大事な眷属にあまりこの世界について教えてない…。

 これは良い経験だ…まさか...小生の術に踊らされるとは…。


「ハハハ...ハハ。あぁ、最後と思ってたが…案外楽しめるなぁ」


 ハハハハハハハハハハハハ。


 いやぁ楽しい。

 なんとも楽しい。

 飛び起きてすぐにこんな楽しい気持ちは初めてだ。

 はぁ…楽しすぎて。


「ぁあ…。もう少し長く生きていたいなぁ…」


 立ち上がり、奥の部屋で人間達と眠る小娘達の様子を見に行こう。

 計画のもう一つの核は…もう動いている頃だろう。

 後は...来るのを待つだけ。


 小生にとってこの退屈を埋めるのは、後少しまで起こる終焉だけだ。


「あぁ、とても待ち遠しい…」


 待ち遠しすぎて、部屋までの道を踊りながら行ってしまう程… 跳ねてステップを踏み、空を飛ぶ蝶の様に舞う。


「ふーん♪ ふんるん♪ タン♪ ふんるんタン♪」


 得意ではないダンスを踊ってしまう。

 気づけば部屋を通りすぎてしまいそうになっていた。

 ガチャリと扉を開ける。


「今ですわシーナ!」

「えぇ」

「おっと…お目覚めでしたか小娘達…」


 外からの光が入る暗闇の部屋でうっすら向こう側が見える赤く発光する結界にキリコは捕まる。


「ふふんですわ、私達を拐った賊を捕らえましたわ!」

「…私の結界のお陰だからねルーナ?」

「えぇ、ありがとうございますシーナ。帰ったら体を洗ってあげますわ!」

「おやおや…楽しそうだね小娘達… 小生をとらえても君たちはどこにも逃げられはしないよ?」

「何をいっていますの? 出口なら壁を切れば… あら?」


 ルーナは血で作った大きな剣を片手で振り壁を切り着けるが、壁には傷一つ付かない。


「目を合わせた君達は既に小生の術の中…。結界もほら? 無駄さ…」


 スルスルと結界をすり抜けて出てくる。


「う、嘘… どうして…。ま、まさかあなたは… お化け!?」

「まだ大人しく寝ていなさい...」

「う…どうして急に...眠気が…」


 二人はそのまま、気を失うように眠る。

 逃がすわけにはいかない…大事な餌が逃げないように...。


 獰猛な猟犬達がここを探っているのが分かる…。

 見つけてくれると良いな…。

 早く見つけて欲しいなぁ…。


「おっと… まだやるべき事があった…」


 人間達もまだ眠っている部屋から離れミルのいる部屋に向かう。


 椅子に横たわるように眠るミルを見つけて近づく。


「どうやら…小生はまだ悪にはなりきれていないようだ…」


 自分のやるべき、役すらまともに演じられない…ハムレットを演じる役者…。

 誰でもやれる演じ方が、小生には出来ていない。

 ヤツなら言うだろう、「真面目すぎるお前には似合いはしない」と。

 彼は...小生の好きな色をした男だった。

 あー…こんな時に色々と思い出しては…本当に消えるのが怖くなってしまう。


「けど… あなたを見ていると思い出す… あの日見た彼の過去を…」


 妖精はいったその過去は誰かに埋められる穴ではなく...決まった人でしか埋まらない穴だと…。

 さすがは妖精だ、口だけは上手い…。


 小生では、きっとあなたも彼も忘れさせる事でしか救えない。


 キリコはそっと右手で眠るミルの頬に触れる。

 もう片方の左手でミルの影に触れる。

 

 小生では…何も救えない。

 けど、せめてあなたが幸福になれると祈りましょう…せめてもの祈りに...今だけは…良い夢を見せてあげましょう。

 小生の術は夢を見せる術だそれだけが...小生だ。繋がる事が出来る相手を眠らせた後…夢を見させる事が出来る… 人格を変えることも記憶の改竄…無防備な夢の中でなら何でも出来る。

 今の傷心の時でしか原初に干渉は出来ない…心の傷が治れば、無駄となるだろう。

 だが、小生はこの手を止めたりはしない、この幸福に満ちた夢を見させたい…せめてもの贖罪から…同情と哀れみから見させてしまう。


 キリコが「これで…良い」そう思った時。

 ミルの手は意識が眠るミルの手がキリコの心臓を貫く。


「ぐっ!」

「…止めろ。ミルにこれ以上何もするな…お前の役目はもう終わってる… 眠る時間だキリコ・ハッシュフッヘル」


 そう冷たくミルの口から発せられた、まるで別人の様に話すミルの意識は目覚め眠たそうな目から涙を流す。


「ぐ… ハッハハ…。そうか…。お前が…彼女の中に…...。まさか小生がトリガーだったとは…。ゼル…すまない…辛い…選択を…させ…て」


 キリコは塵となり消える。

 最後まで笑顔のまま消えていく。


 あなた方が幸せになれる未来を見守っています。


「さて…これで時期、キリコの術も解け…ミルも目を覚ます… フフ、ハハ…。期待しているよルーナ、シーナ…それと、眷属君…ハハハ!」


 そう言い残し気絶するように横になる原初。



――――――――――――――――――――――――


 London Bridge is falling down, Falling down, Falling down.

London Bridge is falling down, My fair lady.


stick and stone will all fall down, all fall down, all fall down,

stick and stone will all fall down, My fair lady.


Build it up with wood and clay, wood and clay, wood and clay,

Build it up with wood and clay, My fair lady.


 誰かが歌っている。

 気のせいかと思って聞こえていたが… 次第に弱まり、どんどん声が小さくなる。

 小さく、寝かしつけるように囁く様に歌う。

 声はやがて消える…。


 あの声は誰だったのか…私は思い出せない。


 やだ…。

 やだ、やだ。

 やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。


「…嫌だ。

 いや、いや、いや、いや、いや。

嫌だ。」


 私は嫌だ…。

 こんな私は嫌だ。

 何で私が進む道は…こんなにも嫌なことだらけなの…。

 幸せすぎたから。

 私が幸せすぎたから...そうなの?。

 嫌だ…嫌だ…嫌だ。

 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。


 そんなの認めたくない。

 私は何も悪いことなんてしてない…。

 だって…私は化物だ。

 生まれつき...そう…生まれた時から…私は…化物だ。

 母親と慕う原初ルルに育てられた…吸血鬼だ。

 人間の罪は私にはない…。

 なのに…どうして...皆…みんなミンナ!

 私をそんな目で見てくるの…人間よりも冷たい目で私を見ないでよ…!。

 変わらないで…変わらないで!。

 私はここで変わりはしないままだから…。

 暖めて...。

 ねぇ…一人にしないで…ルル。

 戻ってきて…。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 視点が飛び…何か分からないままと思っていたらさらに分からないままと思う人もいると思います。

 私が書きたいように書いているので感想などで聞いていただければ答えられる範囲で説明します、先の展開のネタバレは無しで答えます。


 感想待ってます。


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