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第三十九話 作戦名:正面突破!

 三人称視点です。


 正人をヒューズの研究室にある寝室のベットに寝かせ、ミルは皆が集まる部屋に向かう。

 向かう中ミルは何度も正人の事を気にしては振り返る。

 寝かせたときに触れた腕や頬の温もりはまだ命が続いていると安心はしてもこの命が自身の満身からくるあの時の判断の甘さから来たのだと、いつもと変わらず死んだ人間など眷属などにせず、そのまま死なせておけば良かったと考えては奥歯を噛む。


「く…」ルル、あなたはどうして私を眷属にしたんだ。私はあなたみたいに強くなりたい…。こうした時に割りきれる者になりたい…。


 ミルの足は寝室を出て進み皆の集まる一つの広い研究室に向かう。

 皆椅子やソファに座りミルの方を見ては下を向き、ルーナだけはこの場でミルを見ていた。

 視線を合わせ、ミルを見ていた。


「眷属さんは… 助かるのですか…」

「…。助かるのではない、助けるのだ…」


 納得はしていないがルーナは頷き、普段と変わらず笑顔でシーナの手を握る。


「ルーナ?」

「なら、私たちも原初様に協力して眷属さんを助けるとしましょうシーナ!」

「なにいきなり当たり前の事を… 当然まだ眷属さんにはルーナを助けてもらった仮を返してないしね当然だよ」

「あー、盛り上がっているところすみません… 作戦会議の途中ですので話を続けても...?」

「あなたの指示には従いはしないけれど話だけは聞くとするわ…」

「…はぁ。ではここからどうするか決めましょうか、この基地からどう逃げるか考えましょう…」


 ヒューズはその場にある机に一枚の紙を広げる、それは基地の構造が書かれた地図だった。


「これは私個人で書いたもので… 目的地はここのロビックの仕事部屋です…」


 そうヒューズは言い、一つの基地奥にある部屋を指差す。皆机に置かれた地図を見る。


「この部屋までは一直線で行けますが、おそらくあの男はただでは通してはくれないでしょう… 罠やこの基地にいる兵を置いてくでしょうから…」

「正面突破ですわそんな有象無象など!」

「だが、そのような事をしては基地が崩壊してしまう可能性も…!」

「いえ、暴れても基地はそう簡単には壊れません。基地は非常時に多くの人間を収容するシェルターの役割もありますので、暴れるのは構いませんが、壁はあまり壊しすぎないように...」

「手っ取り早いと思いましたのに...」


 ルーナはその場でしょんぼりと落ち込み、シーナが頭を撫でていた。


「ヨシヨシルーナと私の役目はきっとあるよ」

「はい、ですから吸血鬼の皆さんには目の前の正面突破という作戦のまま暴れて道を作ってくれると助かります…」

「だが、薬はどうする… あの人間がそう簡単に渡す訳が無い… 前回同様にまだ何かあるとしか…」

「それは私がなんとかします、あの男のことですまたあなたを苦しめるために抑制剤の効果を和らげる薬を渡すとしか思えませんし… あの男のことは任せてください」

「私はまだ貴様を信じたわけではない… だが、(むすめ)の方は任せよ… だから貴様も薬の方は任せた…」

「…。はい…」


 お互いに目を見てミルはまだこの男には何か隠してあることがあると感じたが、それはこの際流し作戦に集中する事にした。


「本当に正面突破ですか!? ワガハイには難しいですぞ…!」

「…。おまえは援護でも、この男の事を任せる…」

「…! 護衛ですね、任されました!」

「では準備が済み次第動きます…」

「何を言う、私は基地を壊すため戦えないが、吸血鬼に準備など必要ない… 今すぐ行けるぞ」

「…。そうですか… では行きます…」


 ヒューズは皆が正人に作戦前に挨拶にでも行くのではと思ったが、行かない様子から作戦実行することを決めた。

 全員研究室から外に出る。

 来た時とは違うと、皆が感じた。

 ヒューズは自身の作戦の成功を、ミルは正人の安否を、ルーナは速急な解決を、シーナはルーナの安全と正人に対しての恩義を、一六(じゅむ)はこの事を兄である薙に報告したいが今まで繋がっていた通信が繋がらずこの先あるかもしれない不安があった。


 全員は部屋を出て走り基地内部に向かう。

 基地内部に入る扉の前には沢山の銃口をこちらに向ける顔の見えない兵とドローン兵器など沢山の兵器。

 吸血鬼相手に万全とも言えない対処に一同驚愕はしたが足は止めず、走り進む。

 前方にルーナとシーナ、その後ろに一六、ミルヒューズは彼女らの後ろに隠れ走る。


「一気に、行きますわよ~!」

「ルーナ、手加減なしだよ!」


 そう言いルーナは自身の手のひらを爪で切り血を流す。

 流した血は形を変え一つのルーナの身長よりも大きな剣に固まる。

 兵から撃たれた沢山の銃弾も戦闘兵器に付けられた刃も、シーナの血で作る結界により防がれる。

 目の前に出てくる巨大な機械人形を重いはずの大剣を片手で振り回し一太刀でスクラップに変えていく。


「どいてください、邪魔ですわ‼」


 ルーナはヒト型の武装した兵達の切り沢山の血肉を撒き散らし薙ぎ払うように前に進む。

 微かに顔の見えない兵の一人と目が合い「お父さん」とヒューズに言っている気がしたミルであったが前に進む。

 ヒューズは顔をしかめて進む。


 基地内は霧に包まれていた。

 それは抑制剤で作られた霧が基地内を満たしていた。

 吸血鬼達はすぐ前と同じハンカチなどで口と鼻を覆う。


「急ぎましょう… 長居すればこちらが不利です...」


 焦る気持ちを抑えヒューズ達は走る。


 霧の中でも視界は平常のままのためルーナ達は霧の中で銃を撃ってくる兵を見つけては壁ごと切り、兵を払い道を作るルーナ。


「もう、いくら殺しても現れてしつこいですわ!」

「しつこい人間は嫌い…」


 いやいや言いながらも率先して前で戦うルーナとシーナ。

 全員はロビックのいる部屋までただ走る。

 この先に本当に解決する方法があるかは分からないが、本当に薬がある訳ではないが、ヒューズの娘だけでも助け、あの人間から薬の有りかを聞くくらいはしてやろうと考えるミル。


 兵は道を塞ぐ勢いで再現無く現れ続ける。


「もう! うざいのは嫌い…」

「あと少しなのに… この数」

「切り払うのは簡単ですが、数が多すぎますわ…」

「はぁ…」


 一六は溜め息を吐き、兵の勢いから止まるルーナ達二人の間を走り抜ける。


「待て、おまえ何をするつもりだ!」

「じゃかあしい! ゴミを殺すだけです… ぞっ、と!」


 一六は走り、兵のいる方に走り向かい、一瞬で兵の懐に入り、どこからか取り出した刀を手に居合い構えで刀を抜き兵を切りつける。


「神切り突風!」と一六は言い刀を払うと一六の前方は風も無い空間なのに穴が空いたみたいに霧ごと吹っ飛ばされ道が出来る。


「ちんたらちんたら… 何をしているんですか! 薙兄様からは戦わず力は隠せと言われましたが… もう限界、さっさと正人殿を助けますぞ皆の衆!」


 一六も普段の優しい性格とは違い、キャラが変わったみたいにオラオラと善戦する。


「ゴミに属するものは皆ゴミ… ゴミ虫掃除だ! はーははは!」

「え… こわ… 誰ですあの狂人は…」とルーナは言う。


「カッコいい…」と一六の普段と違う変わった性格を褒めるシーナ。


「…。おい、急げ! ゴミはこっちで片付けますので、作った道が塞がる前に進めェー!」


「は、はい!」とルーナ達は返事し空いた道が塞がらないように兵を切り払いながら進む。


「さてさて! ここからは先は三途の川… 死にてぇやつから来やがれぃ!」


 十六は援軍の到着を送らせるため全員を見送り道を塞ぐ。


「はぁはぁ… やっと着きましたわ… ここで良いんですのよね?」

「はぁ、疲れたぁ… マジしんど…」

「はい、後は任せてください部屋の外でお待ちを… 姫様と私とでなんとかします…」

「貴様任せな策だが… 上手くいくと信じよう」

「…。何かあれば私たちも部屋に入りますわ…」

「えー…。まぁ… 助けてあげますよ原初様くらいなら…」

「では行ってくる…」


 そう言いミルは扉を開けロビックのいる仕事部屋にヒューズと一緒に入る。


「頑張って原初様…」

「頑張れ原初様…」


 二人の声が重なり聞こえ、緊張が多少はほぐれたと感じ、扉はバタリとミルは閉じる。


「行っちゃった… なら後はここで待つだけかぁ...」

「何を言っているのシーナ、気づいいるでしょ。大勢の人間がこの部屋に向かってきていること…」

「そうだね、おかしな人間ばかりの基地に来ちゃったみたいで... 嫌になるけど邪魔だけはさせない…」

「そうですわ、邪魔ものはあの世へ向かってもらうだけ、ですわ!」


 そう言いルーナの剣は兵を切りつけ部屋前の通路を守る。

 ルーナは作戦の成功を祈り、正人の回復のため剣を振るい、横で溜め息交じり結界で道を塞ぎ銃弾から自身とルーナを守るシーナと共に兵から扉を守る。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 基地での戦闘が始まり、作戦内容も正面突破と単純で作戦と呼べるものではないですね、考えるの止めて簡単なものにした方がキャラの戦闘も書きやすいと思いそうしました。シーナが結界で守るのははじめはヒューズ達を最後は単にルーナと自身が汚れるのが嫌だからです。

 ルーナ達もちゃんと強いことを知ってもらい、以外にも説明なしな一六の戦闘も書きたいと思い書いてみたした。

シリアス展開はまだ続きます。

主人公にはまだ寝てもらいます。


感想など待ってます。お願いします…!

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