表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/75

第三十二話 到着第三基地!

 現在数千メートル上空だろうか。

 吸血鬼でもさすがに地面に叩きつけられたら死ぬと思われる高さだ。

 ミルはどうかは知らないけどあくまでも僕の予想では吸血鬼は死ぬ、人間は勿論死ぬ高さに来ている。

 なぜこのような事を思ったかは、僕が飛行機に今まで生きてきて始めて乗るからだ…。

 だから足が貧乏ゆすりが止まらなく落ち着けない。

 ミル含めて周りの吸血鬼達は落ち着いてお茶やお菓子を食べたり窓の外を眺めている…。

 それでも僕は怖い、人生で始めての経験はワクワクかドキドキの二択だが、怖い方のドキドキが来た。

 思えば始めて電車に乗った時もそうだった。小学生の頃に隣街まで行くため、親に内緒でゲーム機を買うために乗った電車でも線路から脱線して死にはしないかドキドキして乗った記憶が...。

 前に脱線事故をテレビで見たからだと思うが、飛行機も同様に、墜落したら、空の上ではなにも出来ず死ぬ恐怖がある。

 子供ぽいかと思うがマジで怖い。変な汗が頭から足先にかけて体全体をじとっと湿らせている。


「ん、大丈夫か?」

「え?」


 正人の顔色が悪いことに気づいたミルが話しかける。


「……。やはり… 他所の基地に行くのは怖いかマサト… 安心しろ私が傷一つ許さず守ってみせる! 出来る範囲でだが... な…」

「あ、いえ! 別にそのようなことではなくて… …そのー…」

「……。よし、不安を無くすためにもここは一つ私が一肌脱ごう! マサト腕を出せ」

「え?!」


 言われるまま両腕を出す。


「…。片方で良かったのだがまあ良い、私からのとっておきのおまじないだぞ?」


 そう言いミルは指を噛み血で僕の腕に何か文字か模様かのどっち付かずなものを書いている。


「ええ、え?! ミルこれって大丈夫なやつですか?!」

「安心しろ、直接体内や血管などには入りはしないおまえの身を守るおまじないだ! 吸血鬼化を進めたりはしない… たぶん…」

「え… たぶんですか…」


 両腕に二種類のやつを書いていたが書き終えると血は消え元の肌色に戻っていた。


「え… ()()()()()()()()シーナ…?」

「原初様も大胆な事をするんだねルーナ…」


 腕に血を塗り終えたこちらをチラリと見ては目があったとたんに外す二人が何か話していたが、僕には聞こえなかった。


「おまえにはこれくらいしか出来ないが、必ずおまえの身を守るだろう… もし私が側にいない時でも必ずおまえを守るまじないだ… だから… 安心しろ...」

「…」


 今さら飛行機が怖くて顔色が悪かったなんて言えない雰囲気だ…。

 とてもありがたいことだと分かっていても、僕の頭の中はミルに対しての申し訳無さでいっぱいで、ある意味ミルの作戦は成功なのだが。


「あ、ありがとうございますミル…! これで安心ですね!」

「うむ! マサトが笑顔になってくれて良かった…」

「ははは… はぁ…」


 言えないよなぁ…。


 飛行機は空を現在も飛び続ける。

 そういえば、杜宮一六(じゅむ)さんはどこに…。

 周りをふと周りを見たが見当たらない。

 お菓子と紅茶を飲んでいるルーナ達は見えても彼女一人が見当たらない。

 安心な顔で紅茶を飲む二人が少し羨ましかったりもする。


「どこ行ったんだろうか… ねぇ二人は一六さん見てない?」

「ジュムさんですか? 見ていませんわ?」

「んー、飛行機に入るまではいた気がしたけど…」

「…?」

「何も探す必要はないと思います、飛行機内にいるのは確かなのですし…」

「それもそうか… 着いてから聞くよ…」


 そう思い席に座る。

 はて、どこにいるのだろうか、ここ以外に彼女だけの個室でもあったのか。



 

 あれから一夜開けた。

 外には日の出が空の上から見える。

 年越しのとは違うがきれいな日の出が窓の外から見える。

 さすがに長時間座ったままの時間が多かったからだろうかあらゆる関節が痛い。

 パキポキと音を鳴らし全身を座ったまま伸ばす。

 飛行機内にベット一つはあったが三人に譲り僕は座ったま寝たからだろうな。


「んー-! あー首が痛い…」


 よく寝れたかと言えば寝れた方だと思う。

 寝た気はあまりしないが目を覚ましていた。


『まもなく基地につきますので全員起きてください、席に座りシートベルトをお付けください! 一時間後ぐらいなので焦らずに…!』


 あれ? さっきの声どこかで聞き覚えのある声だったような?。


 そう思いながら備え付けのコーヒーメーカーでコーヒーを淹れていると、ベットがある方から一瞬物音が聞こえた。


「ちょ… ルーナ… まだ焦る時間ではないでしょ…?」

「んー… うるさいうるさい!」

「あー原初様がお怒りに… 直ぐに眷属さんを呼ばなくちゃ!」

「え?!」


 まさか、これも失敗に終わるのか、三人仲良し作戦は…。


「眷属さん!」


 そう言いルーナが寝間着のまま近づいてくる。


「え?! まっ待って! 今コーヒー淹れているから!」

「いいえ待てません… 原初様が…」

「…。聞き耳立ててた訳じゃないけどこっちまで聞こえてたから事情はだいたい分かってるけど… 少し待って…」


 そう言い僕は作ったコーヒーを紙コップに入れグイと飲みきる。

 喉は若干ヒリヒリしたが直ぐに無くなり、カフェインの効果で目が覚める。


「よし、行こうか! とりあえず… ルーナ… 着替えな?」


 以前の事もありミルが起きない時は僕が起こすことになったから、これだけは守らなくてはミルが朝から不機嫌になってしまう。


 壁をコンコンと叩き入って良いか聞く。


「入ってもよろしいですか?」

「眷属さん! 良いに決まってるでしょ!?」

「失礼します…」


 出来るだけシーナの方を見ないように歩く。僕の心の弱い部分は警戒しているからだ。

 じっとミルだけを見て歩く。

 近くまで来てまだ寝ているからか布団の中で呼吸音と若干膨らむ布団。

 昨日まで仲良く寝ていたのが嘘みたいにルーナは必見な顔で来たが… シーナも同じような感じだと予想する。


「…。よし、ミル起きてください! 朝ですよ!」

「…」


 返事がない、まだ寝ているようだ。


「はぁ… ほら起きてくださいミルそろそろ基地に着くので起きる必要があるのです! 着替える時間が必要なのでそのままだと寝間着のまま基地に入ることになりますよ!?」

「…。うん… 起きるから… あと…5分…」


 弱々しい声で答えるミルに5分の猶予を与えたくもなるが心を鬼にしていつもと同じで起こす。


「…! だめです起きてください!」


 布団を掴みめくるがベットにはミルはいなかった。


「え?!」

「眷属さん! 布団の方!」


 シーナに言われて布団の方を見ると… 本当に布団を掴み寝ているミルがいた。


「…。もうこのままで良いか…」


 そう思い布団で赤子のように包み移動する。

 スウスウと寝息を出し寝ているのが可愛らしいが… この後どうするか… 眷属の苦労ではある…。


 とりあえずシートベルトを付け椅子に座らせた。

 改めて新しいコーヒーを淹れ飲む。

 朝から疲れるが飛行機内でもなんか日常を感じる。

 当たり前にミルを起こして今日は違ったが、ルーナとシーナの二人が起きてくるぐらいに朝食を作る日常が。

 ミルに言われなくても基地に行く不安はあったがそれはミルと話して決めた時に置いてきた。

 全部ではない、一部残してある。警戒心だけは心に残してある。


「ねぇ? 眷属さんあなたはどうして原初様の眷属になったの?」

「なに突然…? ただの偶然だよ」

「偶然で生きている人には見えないんだけどなぁ… なんか二人はきっと運命的出会いだったらロマンチックだと私は思うわ!」

「うーん、そうだと良いね…」

「…。あなたは原初様に愛されてるわ…」

「ん? 何か言ったルーナ?」

「ふふ、何も言っていないわ眷属さん…」

「なら良いんだけど…」

『えー… 基地が見えてきましたので着陸態勢に入ります、ご着席しシートベルトをお付けください…! 揺れにより怪我をしたい人はただお座りください!』


 アナウンスが聞こえて全員椅子に座りシートベルトを付ける。


 数分後に揺れ着陸したのだろう。

 なんか恐怖からかドキドキが強くなる。

 大丈夫だ、事故らない事故らない… 死にはしないから落ち着け僕!。


「着いた… のか?」

『長旅ご苦労様でした! 第三基地に到着しました…! よいしょ… ワガハイも向かわなくては… あ! アナウンス切り忘れてました!』

「え? まさか… 聞いたことあると思っていたけど…一六だったの… いつからそこに…」


 操縦室の方から歩いてくる一六さん…。

 うん、いたのかそこに…。


「ふぅ… ん!? どうしましたか正人殿? ワガハイの顔に何か着いていますか!?」

「いや、どこに行っていたのか心配していたから... まさか操縦室にいたとは…」

「あー! ご心配をおかけしてすみませぬ!。 ワガハイはこの機体の操縦士でして…!」

「へー凄いですね!」

「いえいえ…! は! それでは皆様、基地に向かいましょうぞ!」

「… ミル! もういい加減起きてください!」

「…。そうだな… 起きるから… 揺らすな…」


 そう言いふらふらと立ち上がると影がミルの全身を隠すように包み直ぐに着替え終えていた。


「ふむ… これで良いかな… では行くかマサト…」

「大丈夫ですか? まだふらついてますが…」

「大丈夫だ! 私よりも自身の心配をしろ!」


 そう言いミルと手を繋ぎ飛行機を降りると、基地の隊員や関係者だろう人達が待っていた。


「ようこそ! 第三基地へ! そしてお久しぶりですね姫よ!」


 吸血鬼化が進んだせいか視力も良くなってか遠くから話してくる顔に傷のある男性の見え、姫と呼びミルを見続けている。

 明らかに何かあったとしか思えないほどミルを遠くからも聞こえるほど大きな声で、視線で見ていた。


 やはり罠かと思えてきたが、吸血鬼化を止める可能性をまだ信じたい僕の手をミルがこちらをニコッと安心させるためか笑いかけ手を引き進む。

 ミルのその心遣いに一時(ひととき)の安心を感じ僕も前に足を進めていた。

 最後まで読んでくれてありがとうございます。

 何や感やあり基地に着き、国とかはまだ決めてないのでそれぞれのイメージにお任せですが、複数ある基地の一つとお考えください。

 感想を書いてくれると嬉しいです。

 評価やブックマークも面白いと思ったらで良いのでお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ