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第二十六話 早朝 訓練 再開!

 訓練が始まり3日が経つ。 


 今日も朝から目を開けミルと一緒に部屋を出る。

 正直、訓練が日々厳しくなっていく…。

 昨日までは目で追えた速さの攻撃も明日には予想を超えて速くなる…。

 当たると痛いし骨が折れるのではと思えたがまだ折られてない。

 まぁ、折れても直ぐ治るから訓練が続きそうだが…。


「はは…」


 厳しくなっていく訓練に乾いた声で笑ってしまう。

 まだ僕は人間の形をしたまま訓練を終えているがこのままどんどん厳しくなるのならいつか肉塊で訓練が終わるかもしれない…。

 そう薙に恐怖しならがら身震いしていたが歩けば5分で訓練所についてしまう。

 うん、今日も頑張ろう… 大丈夫だ… 死ぬことは無い…。


「大丈夫かマサト…? 手が震えているぞ…」

「え… あ、あぁ… 大丈夫です! さぁ! 今日も訓練頑張るぞぉ、うん!」

「…。そうか… だが無理はするな...」

「はい、行ってきます」


 ミルから離れ訓練所の中にある薙の待つ部屋に向かう。

 ぉお、怖い…。

 怖くて足が震えるよぉ…。

 まだ部屋についたばかりなのに屋敷の時と違って怖いよぉ…。


「来たか…」


 あぁ…。

 薙が立っている姿を見るだけで腰が抜けそうだ…。

 よし、今日も頑張るぞ!。


 いつもと同じで薙からで木刀を受けとり、受けとり終えると薙が良いと言うまで木刀を振る。

 腰が引けようなところを背中を伸ばし気合いを入れる。

 そうしないと薙から木刀で腹を叩かれるから…。

 肩の力を抜くことも昨日は言われなかったな。

 少しずつだが成長はしているのか…。


「…。よし振るのは終わりだ… 昨日よりは出来ていたな…。だがまだ力を抜く時に抜き入れる時に力を入れるのがあまい…」

「…。そんなの当たり前だろ… まだ木刀を振って短いんだから...」

「…。あ? 俺に口答えか…?」


 薙は何時も通り木刀を構える。

 素手でも強いが木刀を持っている方が痛いから... どう木刀を落とさせるかを考えてしまう。 

 木刀を構えると僕から攻めるまで待ってくれるが僕が構えて五秒後には薙から来る。


「…」

「来い…」

「はぁ!」

「…」


 攻撃はいつもあっさりと躱される。

 それはいつもの事ながら躱された身になればとても辛い…。

 こっちは一生懸命考えて攻撃して習ったことを実戦しているのにあっさりと躱されると辛い…。

 まぁ... 躱されるのはまだましか… こっからがさらに辛い。


「…。距離を… お前の視界の広さを生かす戦い方をしろ… あっさりとお前の腹に入れたぞ…」

「… ぐふ…!」


 薙の木刀による一撃が入る。

 内蔵が潰れた… たぶん。

 だがそこで止まっていると薙は攻撃をやめない…。

 動かなければ昨日と同じで全身打撲… 治るから痛みは後から無くなるが… 痛いものは痛い。


「ぐっ…! はぁ!」

「…! よし、昨日よりは出来ているぞ… だが弱い。相手との間にある距離を生かせてない… 近づくのは無駄だ… 時に距離を離すことも意識しろ…」

「な…!」


 痛みを我慢して攻撃を躱し反撃したが薙に木刀でいなされる。

 薙の木刀には傷一つ無いが僕の木刀はすでにボロボロだった。

 使い手の実力でここまで違うのか…。


「お前は足が速い... 身体能力も上がっている… だが、自身より実力の高い相手に近づくのは無謀だ… これが訓練している俺だから良いが吸血鬼相手に無防備に近づけば直ぐ捕まるか殺されるぞ…。お前の実力で相手の方が強い場合は距離を取り隙を突き逃げるか… 距離を取り続け躱すかの二択だ… 俺に勝とうなんて思うな…」

「…。なら実戦訓練にならないだろ?」

「あ? 良いか… 前回の作戦で必要な事はお前の肉壁としての役割だが… お前を狙う者が現れ… 俺がお前に今度は逃げの訓練と剣術を教えているんだ… お前を俺が助けに行くまで時間稼ぎでも出来ればお前と姫を守れるって事だ…」

「…。そうだったんだ…」

「話は終わりだ… 構えろ… 今お前がすることはそれだけだ…」

「…」


 僕は木刀を構える。


「…。来い… さっきよりも本気でな…」

「…。はぁ! ぐっ!」

「実戦的になれば力の抜きも上手くなるな…。いつでも出来るようになれ…」

「…。だからまだ始めたばかりの初心者にそれは難しいんだよ!」

「…。ち… ならお前は姫を守れず死ぬだけだ…」


 薙の攻撃の速度が増していく…。

 

「ぐっ! ちょ…! はや…」

「体で覚えろと言ったはずだ… この程度の攻撃すら受け流せなくちゃ護衛も出来ない肉壁エンドだ…!」

「…!」


 痛い…。

 木刀を握り振る腕が痛いし躱せず当てられる薙からの一撃は毎回当たり痛い。

 木刀もそろそろ折れそうだし… マズイこのままだと素手で戦えと言いかねないな…。


「…。今日の訓練は終わりだ…」

「あ、もうそんな時間過ぎてたのか…」


 何とか木刀を折らずに終わらせられた…。

 

「じゃあな… ちゃんと休めよ…」


 薙は正人から木刀を受けとると部屋を去る。


 今更ながら薙の部屋はどこにあるのだろうか…。

 この基地内にあるのは当然だと思うが…。

 僕達が暮らす部屋以外にこの基地には滞在している基地の隊員の人達が暮らす部屋などがあるのは当然だが…。

 まぁ... 部屋に行きたいわけではないから気にすることでと無いか…。

 兄妹仲良く同じ部屋で暮らしているのだろう。


 よし、帰ろう…。

 部屋の外で待つミルと帰ろう。 

 部屋を出るとミルは待っていてくれる。

 よし、帰ろう。


「ん? もう訓練を終えたのか… では帰るか」

「はい、帰りましょう…。今日は起きてたんですね」

「うむ… さすがに起き続けることにも馴れたからな…。だがまだ眠い… ご飯を終えたらまた寝ることにする… ふわぁ…」


 手を繋ぎ部屋に戻り顔を洗い何時も通り朝のうちに洗濯機を回し朝飯を作る。

 ルーナとシーナもご飯を作っていると起きてくる。


「おはようですわ原初様… 眷属さん…」

「…。おはようございます原初様…。眷属さん… 毎朝訓練お疲れ…」

「うん。おはようルーナ、シーナ」

「シーナ… あなた二人がどこ行っていたか知っていましたの!?」

「あれ、ルーナに言ってなかったっけ?」

「聞いていませんわシーナ!」

「あうあうあう… ルーナ体振らないで…」


 ルーナがシーナの肩を掴み前後に振っている。

 そうか、ルーナは知らなかったのか…。

 

「うーん... ルーナに話すことでも無かったから… ごめん…」

「…。許しますわ… けど隠し事は無しですわシーナ?」

「うん、ルーナ!」

「あ、仲直りを終えたことだし椅子に座って朝御飯にしましょう!」


 全員で椅子に座り朝御飯を食べる。

 手を合わせていただきますとミルと言っているのが杜宮家の屋敷の時はあまり気にならなかったがこうしてじっとルーナとシーナに見られて始めて気づく…。

 僕達の行動を不思議がっているのだと…。


「…。あの… そんなじっと見られてると食べづらいのですが…」

「…! あ、すみません… いただきますが何なのか気になって...」

「ルーナも? 私もご飯食べる度にそう原初様達が言うのが不思議だったの… 何て意味なの?」

「簡単な事だ…。命をいただき、自身が食するものに感謝するという意味だ…。どう生きようと吸血鬼も人間も命を消費して生きる。日本独自だがこういう考えも必要だと私は思う…」

「へー… うん、私も今後は血を飲む人間さんに感謝して血を飲みますわ!」

「ルーナがそうするなら私もそうする!」


 うん… 人間の犠牲者がでるのに変わりは無いが... 無作為に襲って終わりよりは良いか? まぁ... 死ぬかもしれない… 吸血鬼に襲われた人間の命の保証は出来ないけど…。

 顔を見られた可能性があるかぎり吸血鬼目線なって考えても殺すか血を飲み干すだろう…。


 物騒なことを考えるのはもう止めよう…。

 考えていて辛い...。

 今はこうして朝を迎えられる日々に感謝して笑って眺めていよう。


「何ですか眷属さん… 急ににやにやして…」

「気にするな… たまにマサトはこうなる… 変なヤツなんだ…」

「え? 可愛いじゃないですか眷属さん」

「…! 眷属は渡さないからな…」


 はぁ… 幸せだ…。

 こんな日々がいつまでも続けば良いのに…。

 最後まで読んでもらいありがとうございます。

 いやぁ... 余計に良い作品にしようと考えていると何日も過ぎていき… たまにかここからはよくあると思うので…。完結はさせます。

 訓練はまだ続きます、吸血鬼の力があるとはいえ元は人間ですしこの先の出す戦いでは瞬殺されるので…。

 そろそろ次の章と考えてはいます。

 感想待ってます。

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