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第二十二話 基地への帰還

 基地に着く前、ミルと隊員以外の僕とルーナとシーナは出る時と同じで目隠しと耳栓を着けた。


「暗いですわ… 何も聞こえません…」

「…。ルーナは私が守る… ルーナは私が...」


 耳栓と目隠ししてるからか、基地を出る時と違って何だか研ぎ澄まされていく感じだ。

 第六感とかそういうのだろうか。

 普段感じない周りのミルがよく言う人と吸血鬼の気配がこの車内限定で分かる。

 声までは聞こえないけど、人形をした白い影見たいのが見え、ミルとシーナ達だろうか… 黒と赤い線が体を覆う影が見える。

 これも吸血鬼化が進んだ影響だろう。

 今のところ吸血衝動は無いけどいつかそれも来るのだろうか…。

 車に揺られ、ミルからの肩を叩く合図がくると僕は目隠しと耳栓を外しルーナとシーナにも合図を送る。

「ひゃ!」と驚くルーナとそのまま寝落ちしたシーナ。


「シーナ、起きなさい! 寝るのは着いてからにしなさいよ」

「…。良いじゃないルーナ… ほら… お父さん達も手を振ってるよ…」

「寝ぼけてないで!」


 シーナを掴み振るルーナ。

 もう見える景色から基地内に着いたことが分かる。

 出迎えには防衛大臣の笹原がたっていた。

 僕とミルは車を降りルーナは起きないシーナを振っている。

 もう背負った方が速いだろうに…。


「いやぁ待ってたよ… ご無事でなりよりです姫」

「…。あぁ…」

「ただいま帰りました…」

「シーナ起きなさい! なにか人間達がこっちに来るわ…」


 ルーナとシーナを乗せた車が大勢の隊員達に囲まれる。


「何をする気だ…。マサトだけでなく… あのもの達も手駒にする気か…?」

「いえ何も、今回は特別というわけでもなく... 彼女たちを保護しようと… この基地内に連れてこさせました。それだけです姫」

「おかしなことを… 貴様らの考えが分からないとでも… 私のようになにかにしろ利用する気であろうに…」

「…。まぁ、そうならないために彼がいると思ってください。正人くんはとても頼もしい存在になるのでしょう?」

「…!」

「良いんですミル。僕のために怒らないでください」

「それで守りきったは良いけど… 殴りに来ないのかい?」

「…。殴りませんよ、ミスした僕にそれをする資格も理由も、もう無い」


 まぁ… 言われるまでは腹に指で弾くぐらいの一撃をいれようとも思ってた…。今の僕ならそれくらいでもそれなりに痛い思いをさせられると思うから…。

 でも、防衛大臣を殴るのはもう良い。

 今はそれよりも新しい問題を解決しなくてはいけないから。


「何だ、結局良い子ちゃんじゃないか… では出迎えも済んだことだし… 僕はここで一旦失礼しますよ姫。時間はさほどあるかは分かりませんが… 部屋でお休みを… それと今日から彼女たちも同棲してもらいますから、正人くん? 間違いだけは犯さないように…」


 そう言い残しヘリで帰る防衛大臣…。

 経費の無駄遣いだろ。


「あのぉ… 私達が共に暮らすときいたのですけど…」

「はぁ、元から広い部屋だ… 飽き部屋も多い…」

「そうですね… いきなりで僕も困惑してますが… 今日からよろしくルーナ、シーナ」

「あの、シーナはまだ寝ていますわ…」

「ならおまえが背負えルーナ…」

「は、はい原初様!」


 やはりルーナはミルには敵わないようだ…。

 僕らは部屋に戻る。


「ただいま」とミルと言いシーナを背負うルーナも嫌そうに「ただいま」と言っている。


「うん、おかえりルーナ、シーナ」

「エヘヘ… ただいま…」


 シーナは寝ぼけてそう言った。


「それで… 私達の部屋は?」

「うーん… 奥の部屋を使ってよ、確か何もない部屋だったはずだけど… ベットが届くまではソファで寝て」

「マサト… あれは私のものだ… 新しい同居人とてあれは譲れない…」


 そうだった… ベットに変わるから利用しようと考えてたけど… あれはミルのお気に入りだった…。


「眷属さん、ソファで寝るなんて嫌よ。もっと大きなベットにして」

「いや、あのソファはベットにも変わるものであるけど… ミル、ベットが届くまでで良いので貸していただけませんか?」

「なら… マサトが今日から一緒に寝てくれるのなら許そう…」

「え… と。それは… そうですか… 分かりました… 一緒に寝ましょう… 許しも出ましたしベットが届くまでで良いのであそこで寝てください、そこそこ広いベット変わるので寝心地も原初のお墨付きです…」

「分かりましたわ… ベットが届くまで我慢します… 血を分けてくれるならもっと我慢しますけど…」

「それは無理です、一生来ないので諦めてください」


 ルーナは冗談交じりに悔しそうにシーナをソファで寝かしている。

 僕も着いてから簡単なリビングなどの部屋の掃除とルーナ達の部屋になる場所を掃除した。

 ミルは… 部屋で寝ている…。

 次第に日も沈み、夕食にする。冷蔵庫はあらかじめからにしていたからレトルトのカレーを食べる。

 寝ていたミルとシーナも起き、ルーナ達と血液パックを飲んでいる。

 夕食を終えて皿を洗う。何かいきなり日常に戻ってきたみたいだ。同居人は非日常の吸血鬼達とその頂点の原初と日常とは言えないが… 何か安心する。

 きっと僕にとってここもそんな場所に変わっているのだろう。


「眷属さん、この部屋お風呂はあります?」

「お風呂くらいあるよ… 僕も最初無いと思ったけど… 部屋を出て右に行くとあるよ」

「ありがとう眷属さん」


 シーナは部屋を出てルーナを誘ってか二人でお風呂場に向かった。

 この部屋の風呂はそこまで広くないからなぁ、家庭用よりは広いくらいで… 杜宮の家の露天風呂と比べると狭い…。

 まさか、それくらいを期待している?。

 そんなことを考えながら食器を洗う。洗い終えると暇なのでテレビを見る。

 何となくだがニュースが気になった。

 当然、吸血鬼に関するニュースは何処にもなく、浅草の事や帰りに通った街でも... 事故として片付けられていた。

 まぁ… そうなるよな…。

 ふと部屋に戻って安心してか眠くなる…。睡魔に逆らえず眠ってしまう。


 何時間くらい寝ていたのか、目を開ける… 部屋一面暗く… ぼんやりとしか見えない…。停電… いやここはこの場所は…!。

 僕の家だ… 家族で暮らしていたあの家の玄関に僕は立っていた…。

 つまりこれは夢…。


「そうだ夢だ」

「誰だ… あれ、声が… 出しにくい…」


 声量はいつもより弱くなる…。意識もハッキリとせず水に浮かんでいるみたいにぼんやりと声の方に進むと気付けば家のリビングに立っていた。


「カカ… 呼んでみたは良いが… まさかおまえが来るとは… 原初の姫の力はやはり抜けられないというわけか…」

「おまえは… あの時の吸血鬼… だな… 何で僕の夢に…」

「おまえなら既に知っていると思うぜ? 夢と意識を繋ぎ、遠くに居ようと血の力で夢であれ意識を繋ぐ方法を…。俺も持っているのさ原初の血をな?」


 男は砂嵐のテレビをつけ、部屋のソファに座りながら話す。


「な… なぜおまえが原初を… 持っている! お前は… ミルを使って何をすると言うんだ…」


「カカ、それはな盗んだからさお前のとは別の原初から、だが不完全なんだよ… 血は量や質でもない… 血に含まれる魂が俺を拒絶する限り原初の力を完全には扱えない… お前のところの原初を使えば俺の理想とする… 吸血鬼達が人間を支配する世界も創れる… 圧倒的な力を手にして俺達の時代を創る。人間みたいな家畜に俺達は怯えて暮らさず出きる世界が原初の力を使えば実現できるんだよ… だから俺は原初をどんな手を使ってでも人間と争うことになろうとも手に入れる覚悟をもって宣戦布告したわけだ…」

「そんなことが許されると…! 絶対に守って…みせる。 どんな理由が… あっても僕はミルの味方で眷属だ… ミルを守る…おまえみたいな悪から!」

「悪か、お前から見たらそうだな…。お前は良いよな… 守るものがいて… 僕にはもう、何も無いから…うらやましい」


 そう言い終えると男は律儀に玄関から帰っていく。僕も夢から目を覚まし目を開ける。


 目を開けるとミルが泣いていた。


「よかった… 目を開けてくれた…」

「どうしましたミル… 何で泣いているのですか?!」

「おまえ… さっきから死にかけていたんだぞ… 私とは違う原初の気配がすると思えば… 魂の抜けたおまえが倒れていた… てっきり死んだのか思った…」

「あ、えーと… すみません… 浅草であった吸血鬼が夢に出て… 話していたので…」

「そうか… やはりアイツが… だがマサトが無事でよかったぁ…」


 こうなったミルは抱きついて離さない。

 頭を撫でたりハグしたりして泣き止んでもらうまで時間が掛かった…。

 最後まで読んでくれてありがとうございます。

 新章は日常的な非日常をメインに書きたいですね。これからどんどん主人公は強くなるのかは私の気分屋な心次第ですが…。

 原初の眷属と別の原初の血を盗んだゼルと呼ばれていた吸血鬼の戦いはもっと先で書く予定なので待っていてください。

説明回はあると思いますが

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