↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
46/58

第45話くん

『カイジュー』に対抗するには『スーパーロボット』だ。

ぼくはイメージを改める。


ぼくにはできる。

ぼくにはやれるんだ。


空中に照射されたホログラムのウチューセンカンが、はげしく点滅する。

船体と人型ロボットとが高速でオーバーラップし、その光が、弾けた。

ぼくは思いっきりレバーを押し上げた。


いくぞっ!

変形だっ!!!



がごん。がごん。きゅいいん。


コンビニエンス号がその姿を変えてゆく。



がごぅぅぅぅん。


ぷしゅぅぅぅ。


半壊した都市に巨大ロボが燦然と降り立つ。

額の『8』の字が太陽を受け、きらーんと光る。


『コンビニエンス・ロボ』は、ぎろりと『カイジュー』をにらみつけた。

これなら。

これなら、戦えるっ!

やってやるぞぉうう!


がきゅんがきゅんがきゅん。


ぼくとロボは走り出した。



がちゅいんがちゅいん。


コーモリオトコ目掛けて、駆け抜ける『ロボ』。

鋼鉄の足が地面を蹴り、大地を揺らす。


ぼくの秘めた力、みんなの願いは完璧に覚醒していた。


素早くペダルを踏み、レバーを動かし、手足のようにロボを操ることができるんだ。

『ヒーローくん』、エース・パイロットバージョンだっ!!

いくぞぉおお。出力MAXだぁあっ。

背中のバーニアから炎が噴出し、推進力を増したロボがさらに加速する。


ばしゅううう。


ぐぉおおん。


叫び声をあげ、構えを取る『カイジュー』。


おりゃああ。


がちいぃん。


お互いが両者の手を受け止め、がっちり組みあった。力相撲だ。


ぐぐぐぐ。


非力なはずの蝙蝠は、謎パワーで『ロボ』とも拮抗する筋力を得ていた。

体を支える両足が沈みこむ。

互角のにらみ合いで、顔と顔がくっつきそうになっていた。

モニター越しの豚っ鼻を、ぼくもにらみつけたよ。

こんにゃろう。負けるかああ。

押し戻されそうになるレバーをぼくはありったけの力で押し返す。


ぐぐぐぐ。うおお。


ばくん。


コーモリの口が不吉に開いた。黄色い牙からだらりと唾液が糸を引く。

真っ赤な舌が震えはじめた。くるぞっ。


きぃぃぃいいいん。


ぐくうう。


空気が振動し、視界がぐにゃりとゆがむ。次々に割れ飛ぶビルの窓。

巨大化した体で至近距離から発せられるチョーオンパは、さっきの比じゃない。

ゼペットが前足で耳をふさいでる。


ざざっ。


「左の黄色いボタンよぉおお」


通信を送るテンチョーの顔が苦痛に歪んでる。

くそっ。手が、離せない。少しでも緩めたら、押し返されちまう。


ううう。


わふっ。ぽちっ。


モジャモジャの前足が器用にボタンを押し込む。さすがゼペットだっ。

ばこんと肩のプロテクターから、隠されていたスピーカーがはね上がった。


「音波には音波よう。しっかり働きなさあああい」


ぎゅいいいぃーん。


つんざくようなギターが、スピーカーから鳴り響く。

大音量が激しくぶつかり合い、打ち消しあう。すごいぞっ。


「ジキュー、上げてもらうッスよぉ」


ポップアップされたウインドウにスポットライトを浴び、エレキギターを弾く『バイトくん』の姿が映った。


つんつんに髪を逆立てて、メイクもばっちり決まってる。

ステージの下で、オーディエンスのピンク・ジャンパーズが、頭をぶんぶん振っている。



「鳴けっ、オレのギター!『パンキッシュ・ノイズキャンセリング』!!!!」



高速で動くピックに、かき鳴らされる弦。歪んだオーバードライブの音。



くそっ。かっこいいじゃないか。

ジキュー、あげてやるよっ。


ぎゅういういういういーん。


ぐがぉおおん。


『バイトくん』の魂のギターソロに、とんがり耳の『カイジュー』が悲鳴を上げた。

組み合う手が離れる。


てやあああ。


『カイジュー』の一瞬の隙を突き、ロボが渾身の力で足を振り上げた。


「『コンビニエンス・ロボキィック!』」


どごぅ。


衝撃にあとずさる巨体。

コーモリオトコは怒りのオタケビをあげ、憎憎しげな目でぼくをにらむ。どうだっ。

次の瞬間、クエエエと奇声を発し、するどい爪でロボに切りかかってきた。



ようし、こいっ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。