1話「自称最強喧嘩師!!その名は仁」
俺の名は仁。中学生だ。喧嘩がとても大好きだ。
「なぁ見たか?打ち上げ花火すごかったろ?パトカーのサイレンすごかったな!!」
「あぁ、おめえやばすぎだろ山奥で無断で花火するとか、ちょ~~どっきょなんだけど~~」
住宅に挟まれた空き地の三つ重なった土管に背もたれしながら地元の三人のヤンキーたちが楽しそうに話している。
「おい、ここは俺の縄張りなんだが?他当たってもらわないか?」
仁はヤンキーたちを睨みつけ自分の縄を取り返そうとする。
「あぁ?なんだ?このクソガキ、ここは空き地なんだから誰の場所でもないだろ?」
「いや、俺の場所だ。」
「んだと?てめえ、ここは公共の場だぞ?てめえ一人で独占する権利なんてどこにもないはずだが?」
「いや、ここは俺の縄張りである証拠はある。地面を見てみろ。」
ヤンキーたちは、首を傾げ地面を見る。そこには、直径三メートルの正円が描かれており、ヤンキーたちを囲っていた。
「昨日、俺の占領地であることを示すためにマーキングしておいたんだ。」
「はあ?マーキングだと?なんかくっさ!!」
砂場で正円の方だけ土色になっている。
「あぁ、我慢できなかったのでついでにという事でやってしまった。一石二兆だ。」
「何が一石二兆だ!!てめえがやってることは軽犯罪だからな!!」
ヤンキーたちのいう事は正論である。
「さっきからゴチャゴチャと理屈並べやがってうっせえな、口で分からないならこぶしで語り合うしかないな」
仁はそう言って、昨日習得したばかりの最新刊のカンフー雑誌”鶴の卵”に載ってた鶴の構えをする。ヤンキーたちも仁の喧嘩に買い、三人でこぶしを握る。
互いの距離は四メートル。敵は金属バッドや腰にかけてるチェーンなど武器になるものを装備している。それに対し、仁は肌着と短パンだけだ。その上三体一。どう考えてもヤンキーの方が有利だ。
「始める前に言っておこう。遺言はないか?」
仁は、余裕爵爵とした表情でヤンキーたちに挑発する。
「んだと?てめえ!どの立場で言ってんだコラァ!!」
ヤンキーたちは、怒号し金属バッドで襲い掛かってきた。
やばい、見えない死ぬ。
三方からバッドやこぶしが振り下ろされる。避けられずに頭上へ直撃。
そのまま地面へ這いつくばり、意識を失った。
目を覚めると、天井には茜色の夕空が広がっており、カァーカァーとカラスが一日の終わりを告げていた。




