22話 変異変質変貌
前話の更新時に読んで頂いた方、申し訳ありません。後半部分を大幅に変更した為、そちらを先に読み直して下さい!
この話長い!
と思う方が多いと思いますが、一応次で終わります。
遅れて申し訳ありませんでした
出口前の光が指す広間の中心、俺とマリーナは盗賊に囲まれていた。
数はパッと見て、20人は居るだろう。生かす事を考えなければ殲滅が可能なのは確かだった。だが、相手は人間だ。ゲームのAIでも無ければ知能が低い動物でも無い。不測の事態なんて9割あると思ってくる。
親玉は囲まれてる俺達を見て、ヘラヘラ笑っている様に見える。実際内心は焦っているのかも知れないし、余裕があるのかも知れない。ただ出口を陣取る様に盗賊の後ろに立っていた。
囲まれた時の対処方法、バリアで敵の攻撃を防いでマリーナの精霊で仕留める。
一度相手は見たとしても、対処が出来るわけじゃない。まして初めてだす俺のバリアに戸惑うだろう。相手が精霊使いでも無ければ、マリーナが言うにはそもそも理解が難しいらしい。
「相手はたった2人だ! やっちまえ!」
周りの盗賊全員が切り掛かってくる。そこに躊躇は無く、殺気だった形相だけが写る。
「あ……」
その姿に俺は怯んでしまった。そうあの時のドラゴンと対峙した判断が遅れた時の様に。
その瞬間、全身の血の気が引くのが分かる。周りの光景は見えるのに音が掠れ、焦りと恐怖がなだれ込んでくる。思考が纏まらなくなり、緊張で身体が動かなくなる。
見える現実に目を背けたくなり、必死に目を瞑る。
緊張で張り詰めた俺の手に、暖かく柔らかい手が握られた。
彼女の方を見ると優しくも力強い瞳が、恐怖で一杯の自分の顔が反射して映る。
俺は情けないな、と思いつつも彼女の手に甘え、勇気を安心を貰った。
「シェルシート、セルフシールド」(軽減防壁、耐久防壁)
右手を前に掲げ、咄嗟に出した2つの透明な壁は、俺とマリーナを囲んで他の存在への侵入を防いだ。
元々はパーティー全体への、ダメージ軽減用と一定ダメージを防ぐ物だ。現実化した事によって一定範囲内の壁となるが、クリシックの盾スキルとはどう違うのか。使う上で本当に役割が出来るのか2人で検証しても、すり抜けてしまって検証どころでは無かった。
結果的に良かったと言えるが、繋がった左手の先の彼女を見る。彼女もこの後する事を頷き2人で前を向く。
「フウリン、蹴散らして」
すっと、俺とマリーナの間から隙間風の様な風が通り抜ける。
風は俺達の周りをグルグルと回り、少しの風から竜巻の様な速度まで吹き荒れる。1つ1つの風はかまいたちの様に鋭く、周りには血飛沫と共に悲鳴が聞こえる。最後には風で洞窟ごと吹き飛ばす勢いで、瓦礫も人も吹き飛ばした。
「な、なんなんだテメェ。その精霊は……クソっ!」
「先程までの余裕はどこに行ったのかしら、私達が何も出来ない女と思っていたのでしょう? さっさと逃げてはいかがが?」
俺は横でよく煽るなぁと思った。
「は、はは……はっはっは! なるほどな! そういう事か報酬を先に払ったのはその為か、この薬その効果で貴様らを殺せってことか!?」
狂気の笑いと共にリーダーの男は、懐から白い袋に入っている粉末を取り出す。それを一気に袋の中身を全部口の中へ放り込んだ。
「な、なんだ……体が、うおぉぉ……頭が割れる! あ、あぁぁぁ!?」
悶絶と奇声、そして変化する声と体。俺達より少し身長差があるくらいだった体は、見る見ると大きくなる。ボコボコと肉や血管が体から溢れ形は人型であるものの、木を薙ぎ倒しながら木の大きさを超え、造形が崩れた顔面から手の形まで人のそれとは違った異形へと変貌した。
「あれは……突然変異種! いえ、それよりももっと悍ましい」
「あれがタイラント……」
動物が突然変異するだけだから、そんなでも無いと思っていたが個体差があるのか? 大きさは木以上……いやそれ以前に人も突然変異すると言うことか? それともあの粉末のせいなのか。
そう思った瞬間、その元人の怪物が暴れる様に腕をこちらへ乱暴に振り下ろしてきた。
避けられない!?
「セルフシールド!」
マリーナも突然の事で反応できずにいた為、俺は守る様に彼女の前へ出てバリアを貼った。しかし、振り下ろした片腕でそのバリアは崩れる。横から来る片腕がくる!
「セルフシールド!」もう一度貼り直すがそれすらも、粉々に砕け散ってしまった。
俺はマリーナの手を引いて、早くこの場から立ち去ろうとするが。マリーナは唖然とした状態から戻ってこない。
「マリーナさん、逃げましょう! 早く!」
「え、えぇわかりましたわ!」
木をかき分けて進むのは難しいが、あの怪物は俺達を追ってきていた。
これは、やばいか……そう俺は思ってしまった。
出来るだけ1週間以内に投稿する予定です




