21話 信頼と
少し修正加えるかもしれません
↑大幅修正しました……展開の焼き直し、後半部分全部となります
次話にて一応、この事について説明します
出るための対策を考え、無事に盗賊を倒して牢の外へ出て一息。俺は初めて人を殺してしまった。この先何人もの盗賊を、人を殺すのだろうか。仕方がなかった? そんな言い訳、手を掛ける前に自分の中で言い飽きた。あの盗賊の驚きとも取れない表情を忘れられるだろうか。こんな恐怖と罪悪感を覚えるくらいなら……なんて思ってしまう。
だけど隣の彼女を見ると先に進まなければならないと、と思える。高貴で強がりで弱みも見せようとしない彼女。その人の隣にいるのだから。
「そういえば、ずっと聞こうと思ってたのだけれど」
「どうかしたの?」
「貴女のお名前、聞いてませんでしたわ。呼ぶ度に貴女、なんて言いづらいでしょう?」
「あ……ご、ごめんなさい。私は佐江原……じゃなくてヒイラギといいます」
気づかずに信用だ、信じてくれとか言う自分がすごく恥ずかしい。令嬢に対して不敬の無いようにお辞儀をする。
「ヒイラギさん、貴女個性的な挨拶するのね」
目の前の事を気にしすぎて、自分で名乗る事を忘れてた。慌て過ぎてつい本名をうっかり言う所だった。いや、別に構わないとは思うけど、みんなにもそう名乗ってるし。
「ヒイラギさん、戻ってきてくださいません?」
「え、あ…はい。どうかしました?」
「貴女って、何処か抜けていると言いますか頼りになりそうだったり、考え込んだりと本当に大丈夫かしら……」
「ごめんなさい…」
本当はこんな事をしてる場合じゃないけど。まぁでも緊張が解れたと考えれば、良いだろう。それにしても先程の騒音に対して何の反応も無しとは。
まぁ盗賊だから俺達に対して、やられるなんて考えてないのかもな。ほら、外見だけはお嬢様2人組? に見えなくも無いんだし。逆にあいつ暴れてんな、くらいかも。そうしてくれた方がありがたい。
マリーナと共にその先にある、少し暗い狭い通路に向けて歩みを進める。
道が入り組んでいる訳では無いが、とにかく道が多い。イメージしやすいのはアリの巣。元々坑道用に作られた道のせいか狭い、広いが続いてる。
俺が把握してる道は単純に盗賊が整えただろう、他の道と違って広めの場所だ。
灯が少ない道を少し行った所、広間があった。そこには寛ぐ盗賊が何人にも、娯楽を楽しんでいたりあるいは寝てる者がいた。
「…ここから見えるだけでも10人以上はいますわね」
「私が聞いた話だと売りとばす予定、だとか呟いていたのを聞いたのであの方法で行きましょう。マリーナさんお願い出来ますか?」
彼女はそう頷くと、速やかに俺は今来た道少し引き返す。逆に彼女は出来るだけ、ゆっくり出口の方に近く。それでいて気付くか気づかれないかぐらいの位置で歩く。
もし、盗賊の人数が数十人規模だったら?
対策、自然な動作で逃げる様に相手を狭い道へ誘導する。こちらは少数、いくら俺が強くてもガス欠がある上で大人数を相手にするのは非効率な上、安全じゃ無い。この場合、囲まれて殴られるより狭い場所で1人1人処理すると、安全かつ労力が少ない。
あー、敵を纏めて焼きたい。リアルじゃただの殺人鬼だけど。それに増援が来たり、ボスがやってくるからゲーム通りの結果にはならない。
「ヒイラギさん、お願いしますわ!」
「セイントスピアー」
逃げる様に先程の牢がある部屋に、飛び込んできたマリーナ。彼女が横へ避けたのを確認してすぐ様、光の槍を一直線にあの人集りの部屋へ打ち込む。
最初、俺が走って誘い込んだ後にまとめて倒すと提案したのだが。マリーナはそれを拒否、走るくらいなら精霊で上手く出来るので私がやると言い出したのだ。意外にと行動派というか、お嬢様のイメージとは少し違った。
あの魔法、この世界に来てこんなに多用するとは思わなかった。ぶっちゃけ、弱いし。まぁなんだかんだ数少ない使用できる攻撃系スキルな上、低コストだからいいけど。他のは消費がデカいからまた倒れたくないし。
横で息を整えている彼女を待ってる間、そんなどうでもいい事を考えていた。
「これで多少は減ったかしら」
「悲鳴は聞こえなかったけど、奥で凄い音が聞こえたから大丈夫じゃないかな……あ」
あぁ、どうしよう。
「どうしました?」
「あの狭い通路、人通ってたんだよね? だったら、その……死体もそこに落ちてる訳で」
その上を歩くのか……絶対下を見ないようにしよう。
2人で死体の道を嫌な音を立てて進む。当然の様に人の感触と臭いが残ってる訳で。進む道は終始無言になった。
辿り着いた先には、死体の他に唖然とする者、混乱している者もいる。しかし、それに対して温情を持っちゃいけない。持ってしまってはきっと躊躇をしてしまう。転がる死体も、自分のした事だ。
「マリーナさん、行けそう?」
「ええ、カラールの敵。貴方達にとって忘れない日にしてあげますわ! 切り裂きなさいフウリン!」(精霊魔法)
私が指示を送ると、彼女は精霊を呼ぶ名を口にした。
途端に洞窟の空気が薄くなり、その空気はそこに無くなったように寒気を感じる程に無風。その中に洞窟を通る吹風。
扇風機などを高速に回転させた様な風切り音と共に、目の前は地獄へと変貌した。
悲鳴、机などが削れる音、擦れるような耳障りが良くない音。それを彼女はただその光景を見ていた。表情は怒りとも取れない、だからといって悲観している様にも見えず。その彼女が何を考えているのだろうかと気になった。
「ふぅ……ありがとう。もういいわ、ヒイラギさんも行きましょう?」
「え、はい……そうですね」
こつ然とそういう彼女の声は吹っ切れた様にも、諦めたようにも取れた。しかし今は、それを彼女に問いかけないようにしよう。もし、最初に俺が殺した時と同じであるのであれば……壊れてしまうかもしれない。
提案はあまりしたくなかった。しかし彼女のそれは決意に満ちていていて俺が問いかけるよりも答えを出していたから、俺はその覚悟に任せた。それだけなんだ。
記憶通りに出口を目指す。しかし、その先には先客が待ち構えていた。
「やってくれたな嬢ちゃん達、何も出来ないと思ってたらそのまま奴隷商人にでも売ってやろうかと思ったが」
「あら、貴方があの盗賊達の頭かしら?」
「そうだな、一応そう呼ばれてる」
「なら分かるでしょう。無駄は嫌いなの、さっさとここをどいて欲しいわ。あの盗賊達と同じ様になりたくなければどきなさい!」
俺と話す口調とは違い、明らかに怒気は入っている。俺もそれに負けずに、睨み返す。
頭の彼はそれを受けてもなお、余裕たっぷりにそこをどこうとせず、それどころか笑みを浮かべた。
「お前らの方が、大人しく捕まっていた方がマシだと後悔させてやるよ!」
彼が言うと同時に、別な洞窟への道から複数人の盗賊が現れ、四方から俺たちは囲まれた。
対策も無い物量の差が生まれ。
彼の合図と共に盗賊共が来る!
一番の起こしてしまっては行けない状況になってしまった。でもするしかなかったのは事実。
どうやっても、どう転んでもこの結果しか考えられなかった。対策を考える時に、1人考えていたが盗賊共を先に倒したとしても、どこにいるか分からない以上出口を一直線に行くべきだ。
だけど、だからこそ。かけたかった、彼女にも言ってない最後の対策をお願いだから気づいてくれ、ヒメノ。
1週間以内に更新する予定です
一応ですが、精霊効果について。先に出た『付与』と『魔法』は効果違うだけで精霊という分類は一緒となります。まぁ設定ガバはあるかもしれませんが。




