表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

1話 王都騒乱

 頭が冴える様に目を覚ます。


「ここは?」


 脇に3人が寝ていた。クリシック、シエラ、ヒメノだ。

 立ち上がると自分の身なりを確認、身体はヒイラギで問題がない。

 問題が、無い?

 身体をもう一度ペタペタと触る。いやいや待て待て、俺は男リアルは男なんだ、今の身体はヒイラギ。うん女性だ……。


 ……はぁ?


「あの…お目覚めになりましか?」


「え、あ…はい」


 声も女性だー、仕草もちょっと女性っぽい。まぁ取り敢えず、話しかけて来た方を見よう。

 豪華なドレス! 綺麗な顔! 上品な仕草! これがまさしく、貴族の女性か。いや、小説とかの知識だから偏見だらけだけど。

 ジーっと見つめるとなんで見つめられてるのか分からないのか、彼女は首を傾げる。そこもお上品…こほん。


「ここは何処なのでしょうか」


「セルトリア王都の王宮で、ここはその地下です」


 王都やら王宮やら、小説と歴史上でしか知らない希少情報を理解しろというのは酷では。

 ぶっちゃけ小説とかいっぱい読んでいた時期は、そういうのに憧れてて、色々周りに叫んでいたせいで思い出したくも無い闇なのだけど。

 理解に困っていると、全身鎧の着た数十名が先程まで喋っていた彼女前で膝を折る。


「姫様、お逃げください。今やここはもう護り切れません。陛下は先に避難して居られます、姫様も」

 姫なんだ。なんかそれっぽい雰囲気はあったけど、実物って凄いのな。演劇みたい。

「姫様、そちらの方は?」


「彼女は私が呼び出した召喚者です。今現状を把握して貰ってます」

 あ、呼び出したの姫なのか。キリッとしてる、ちょっとカッコいい。

「しかし、もうこの王都はもうすぐに火の海になります。お逃げする準備を…」


 話している最中、衛兵の背後が爆発する。瓦礫だけで無く、まるこげになった鎧も一緒に飛ばされてくる。

 煙から出てくる人物…いや化け物はゲームでもよく見る。


「ド、ドラゴン!?」


 こちらの姿を捉えるや否や、大口を開ける。なんかヤバイ。何がとは分からないけど、このパターンはヤバイやつ。

 突然の事で心臓がバクバクしていて、なおかつ非現実的な現実で混乱してる。それでも俺は俺でもヒイラギであるなら…。

 前に出てその言葉はすんなりと口から出てきて。


「セルフシールド(耐久防壁)」


 薄い膜の透明な壁が炎を部屋への侵入を防いだ。それも一度だけ、すぐにそれは砕け散ってしまう。

 そうなればやる事は1つ。


「セイントスピアー(聖属性魔法槍)」


 手から放たれた光の槍はドラゴンの顔に当たり、奥へ吹き飛ばす。

 スラスラ口から出るものの、威力出ないな…とは別な事であまり喋りたく無かった。


(今すぐ穴があったら入りたい…魔法? でるからいいけどさ、恥ずかしくない? 俺だけスゴイキメ顔で唱えといて燃え死んだとかしたら、死に切れないよね?)


 そういえばあいつらいつまで寝てるんだ。

 何時もより小さくなった手で、3人の顔ペチペチと叩く。


「う、ううん。もう食べられないよぉ…」

「うん? リーダーこんな所で何してるの」

「ん…ここ何処だ?」


 1人起きないし。

 ええい、こっちは寝坊助のせいで死にたくないから早く起きろ!



 その後状況説明のついで、さっきのドラゴンを確認すると普通に死んでた。


「その…ヒイラギ様、クリシック様、シエラ様、ヒメノ様。この王都を救ってくださらないでしょうか。私達では、手も足も出ずただ滅びるのを見るだけになってしまいます」


 男からしたら「やってやるぜ!」なんて言って高感度上げるんだけど、ヒイラギになったせいか。そこまでやる気が起きてないのも事実。

 ちなみに現状どうなっているのかを確認した結果、まだ救いはある方だ。

 ドラゴンが最初に王宮に降り立ち、逃げ惑う人達を焼きながら踏ん反り帰っているらしい。その後徐々にそこから、外も王宮の方からも挟み撃ちで攻撃が始まっているらしい。

 確証が持てないのは、外に行く衛兵の1割しか帰ってこないからだとか。


「どうするの? リーダー、私的にはスパッと終わらせてのんびりしたいんだけど」

「まぁリーダーの指示には従うが、俺は困ってる奴が居るなら助けたいぞ」

「見過ごせない」


「私もここが何処だか分からないまま、外に放り出されたくないし。情報も欲しいし。それじゃ決まりね」


 意気込みを語ると3人はこちらを見る。何かおかしな事言っただろうか。


「リーダーってそんな喋り方だったっけ? もっと男っぽくて素直な感じだったけど」

 他の2人もうんうん頷いている。

「あの喋り方、出来るけど違和感でてて、何時もの調子で喋るとこんな調子になる」


「皆さん仲が良いんですね」


 和かに喋るお姫様を見ると、その隣にいるが衛兵はちょっと慌ててる様に口を開く。


「すみません、我々はどうすれば…。差し支え無ければ姫様の護衛に戻りますが」


「私達じゃ信用は出来ないでしょうし、お姫様を守ってあげてください。上手くできれば大丈夫でしょうし」


「は、はぁ…」


 衛兵は納得した様な、してない様な微妙な返事をしつつも頷いた。

 さてと、このまま話し込んでいると行くタイミングも悪くなりそうだし、行くか。


「それじゃあ、何時もの通り…とは違うけどやっちゃいましょう」


「「「おー!」」」


 こうして始まった謎の世界での騒動。それは確かにワクワクドキドキの変わった出来事だけど。

 だからこそ、この世界の不思議に疑問を抱く。この世界が俺達を呼んだ事と、ゲームでの失踪。

 だとしたら、俺達は何かとんでもない事に巻き込まれているのかもしれない。世界が変われば、いや国が変われば言語が違う。しかし通じるという事は…。


 今は、これを解決しよう。そうすれば、少しくらいは余計な事を考えずに済むかもしれないから。

次は5月21日更新!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ