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13話 夜は静かに進む

※前話の最終部に変更を加えて展開が変わっています。お気をつけください。

更新部のこの話から見た人は前話の繋がりを覗く事を一応推奨しておきます。大まかには変更ありませんが


誤字などの修正

 お風呂でのプチ騒動?は幕を閉じたものの、紙とペンが無いかとシーナに聞いた所。後で部屋にお持ちしますと快い返事をしてくれたため部屋で待機することにした。

 これで良かった良かったと、言われたら事実を知っている人はそれを許す訳は無かった。お風呂上がりのヒメノが部屋へ押しかけてきては、不機嫌そうな顔で近くの椅子に腰掛ける。


「……それでリーダー、あれはどういう事?」


「あはは……誘われちゃって、断りきれずに、ね?」


「……ね? じゃない」

 ヒメノから顔を逸らしつつ、相手の表情を伺うがどうも不機嫌は治りそうもない。


 元の性別を知れば当然だ。しかし、それだけでそこまで怒るのは自分的には腑に落ちない気持ちがある。

 この先の事を考えれば、こんな事は日常茶飯事になってくる可能性は出てくる。しかも男女の違いなんて自分達の世界以上に分けられているなんてほぼ無いと言ってもいい……言い訳じゃないぞ、事実だと思う。


「……リーダーは簡単に人を信じすぎ、シーナさんには悪いけど。彼女には何かあると思う」


「何かって?」


「……本当に分かってない? 今日の朝、王女の訪問で護衛も無しに私達の所にやってくる? 普通は護衛が居るでしょ、それも私達みたいな信用できない集団の中に。それはリーダーも行ったはず」


 あぁ…言われてみたらそうかもな。シエラも簡単に王宮に出入りもしていたし、その辺の事は許容されてるのかなぁと思ったりして流してたけど。シーナが所謂スパイだとか監視役みたいだと言いたいのだろう。

 ぶっちゃけ可能性はあるかな、だけど疑ってたら信頼関係は気づけない。別にそうだとしても今すぐどうこうするってのは正直無いと思いたい。逆に、危険はないという裏付けになるし。


「そんなに身構えない、そんなに心配しなくても何時もの様に生活していこう。それにこういうのを調べるのは私の役目でしょ?」


「……むぅ」

 椅子に座ってるヒメノへ手を伸ばし、自分より少し低い位置の頭を撫でてみると少しむくれつつも、納得してくれた。


 こういうのは自分の仕事って言ったけど、本当だったりもする。パーティの中であまりにも効率とか攻略とかで詰まった場合に、何処が悪いのかなぜなのかを見つけ、改善したりするのは殆ど俺の仕事だった。

 他の攻略メンバーに助言をもらったり個別に別のパーティに混ざったりもして、色々尽くした事も。

 早い遅いとかは今は気にしないでおこう。この世界を知って、どういう風に生きるのかをしてからだ。


「……そういえば明日は何処か行く予定ある? 良かったら王城だけで無くて周辺の森とかを飛び回って見ようかって思ってたんだけど。一緒に、来る?」


「それじゃ、明日私の用事終わったらでどうかな? 本とか見つけて少しでも歴史が分かればなって」


「……図書館でも見つけない限り、無いと思う? 私達は歴史を学ぶのが一般的だったけど、ここの人達はどちらかと言うと教育より、生活……だと思う」


 学校に通えるのが普通だったけど、そういえばこの世界はどうなんだろうか。通えるかどうか分からないけどどういう学校になってるのか凄く気になるなぁ。

 この世界に興味は尽きない。ある意味充実しているかもしれない、この先どんな発見があるのだろうか。

「……リーダー」

 自分の世界と一緒である物を探すほうが早いのではないだろうか、魔法が有る、精霊が居る、それだけでもファンタジー感と言う物は出ている。しかし、時代は違うけどそれと同じ物や名称が生まれている。いや正確には世界の翻訳という形であるという前提なら違う物と言える。


「……リーダー帰ってきて」


「あ、ごめん。それで何の話だっけ?」


「……割とリーダーって危ない人?」


 そんな話してたっけ? 自分の気になる物とかでそこまで集中したのも久しぶりだから良いじゃないか。

 いや、危ない人ってなんだよ。普通の人だよ男のロマンって奴、でもない気もするけど……いやどっちにしろ今の俺じゃ説得力ないけど。


「そういえば、呼び方。別にゲームの中じゃないんだし、ヒイラギでいいよ。なんかここまで来てリーダーリーダーって言われるの凄い違和感あるから」


「……そう? じゃあヒイ」


「そこ短くするんだ」


「……なんとなく」

 まぁそれでもいいかな。


 小動物に付ける名前の様な呼ばれ方だけど、他人みたいにリーダーと呼ばれるよりはマシかな。

 静かな夜、別段うるさく話合ったりするわけじゃない。でもこういうのってなんか気分的には楽なんだよな。

 コンコンとノックの音が聞こえて返事をすると、シーナが入ってくる。手元を見ると頼んでいた紙とペンを持ってきてくれていた。ヒメノと一緒に喋っている様子で少し不思議に思っていた様だが。


「ヒメノさんとお話中でしたか? あ、あまり数が用意できなかったので数十枚程度ですが」


「ありがとう。丁度終わった所、こんな時間までシーナは仕事?」


「はい、ですが私もそろそろお休みになります」


 ヒメノはその会話をじっと見ていた。おかしい所はないと思うけどなぁ。

 シーナがそのまま部屋から出ていくと、ヒメノは少し息を吐いて立ち上がった。


「……今日は私も戻る」


「お疲れ様、おやすみ」


「……うん、おやすみ」


 そういって、ヒメノも俺の部屋から出ていった。

 さてと、彼女の手前何も言わなかったが。所謂シーナは裏方の人間である可能性は否定できない。それに対して、何も気にせずにしておくというのは正解だという事は実際思っている。下手に警戒すると、裏で何かやっていると思われてしまう。実際やってるか、は別の話として。

 お姫様の件は盲点だったが、あの時頭が働いてなかったのもあって流してた。

 考えても無駄な為、とりあえず分かったこの世界の事について色々メモをしておこう。とりあえず精霊の存在とスキルは違う所と冒険者について、あとは……。

次は8月6日金

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